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第17話 くらえ、たいらげろ、スライムゼリー


 グラディエーターが落とした大量のアイテムに、きゃっきゃと沸き立つオカリナのメンバー。


 スライムの核やスライムヘルムはなかなかお目にかかるアイテムではなく、特に固有ドロップのスライムヘルムはコレクターも欲しがるものだ、というのがタロンの意見だった。



 持って帰って売ればお金持ちになれる!、とリリエラの目が十字に怪しく光る。


 フラン曰くリリエラはお金の計算に細かく、日々倹約を重ねては小金を貯めているらしい。


 貧乏ではないらしいが、身の回りや普段の食事に無駄なお金を使わない徹底ぶりだとのこと。

 まぁお金は大事だよね。感心感心。



 そんなリリエラのためにもなるべく多くアイテムを持ち帰りたかった。

 だがその問題の原因もまたアイテムの量なのであった。


 スライムヘルムはそれぞれが1つ被ってやっと。さらに手に持つと重さで身動きが取れない代物だった。


 スライムの核も同じく重量はかなりのもので、それぞれリュックに2つずつが運搬の限度だった。

(これでも戦闘はできないほど重い。戦うときは一旦リュックを置いて敵と対峙する必要がある。)



 また持ち帰らなかったアイテムは、アイテム取得者がいなくなって一定時間経つとマナに還ってしまう。

 放置しておいて後日回収、というわけには行かないのだ。



「こ、こんなにあるのにほとんど持ち帰れないなんて……。」

 リリエラは泣き出しそうな顔をしている。

 乙女の涙はもう少し使う場所を選びたい。



「と、なると後は私のアイテムプールが頼りね。

 ここはスキルポイントを10使って収納数と容量を拡大するわ。タロン、良さそう?」


 深く頷くタロン。

 よく自分で考えられるようになったね、と余計な一言もつける。



「これでアイテムプールの収納数が6つになったわね。この新しい空きのプールにどれだけアイテムが入るかしら?」


 試してみるとスライムヘルム2つは入らなかったが、スライムヘルムとスライムの核1つずつなら入るようだった。


「ぜひぜひ残りのプールも空けちゃいましょう!

 スライムゼリーはドーピングアイテムですよね。みんなで食べて、ついでに強くなるんです!!」


 リリエラがぐいぐいくる。


 それはどうかな、と意味深な発言のタロン。



「タロン、スライムゼリーの色がたくさんあるけど、これってそれぞれ伸びるステータスが違うの?」


 鋭いね、と指を立てるタロン。


「赤は攻撃、青は防御、など色々分かれてるよ。

 スライムゼリーはレアだけど、おいら色んなパーティに入って何千とスライムを倒すところに立ち会ってきたから自然と覚えちゃったよ。さぁ聞きな聞きな。」


 タロンの手ほどきを受けそれぞれに合ったゼリーを探し出す私たち。


 とりあえず攻撃の上がる赤いゼリーをリリエラが、魔力の上がる緑のゼリーをフラン、防御の上がる青いゼリーをカナ、そして抵抗力の上がる黄色のゼリーを私が食べる事になった。


「食べるだけでこんな簡単にステータスが上がるのね……それではみんな、頂きます!」


 私が音頭を取って全員で一斉にゼリーをひとさじ食べた。


「うっ。」


「ぐっ。」


「これって。」


「不味くはないけど、そうとう……『重い』?」



 そうなんだよねぇ、とうんうんうなづくタロン。



「例えお金持ちでドーピングアイテムが大量に買えたとしても、簡単に強くなれない理由がこれなんだよね。

 ドーピングアイテムは栄養豊富なだけにこってり濃厚、豚骨ラーメン顔負けさ。

 毎日1つ2つ程度食べるのが関の山なんじゃないかな。」


「そ、そんなぁ……。

 ところでプールのスライムゼリー、捨ててしまったらもったいないですかね……?」



 リリエラの泣き言を聞いて、ぷりぷり怒るタロン。

「バカ言っちゃいけないよ!

 ステータスアップができる機会は何よりも貴重なんだよ。


 持って帰って食べれば数日でぐっと強くなれるでしょ。

 君たちは駆け出しなんだからステータスは何より大事。目の前のお金なんかに惑わされちゃいけないよ。」


 

 タロンの言っていることは分かる。

 つまりそれはアイテムプールの空きがほとんど空かないということなのであった。すまぬ、リリエラ。


 みんなでひいひい言いながら、やっとこさそれぞれのスライムゼリーを平らげる。

 ううむ、全員胃下垂のようにボテ腹になってしまった。カナに至っては張った腹が服を押しのけたせいでおへそが出てしまっている。


「じゃあ、残りのゼリーはしっかり持ち帰って食べることにしましょうね。

 アイテムプールの残りの空きは2つなので、ヘルムと核を2つずつ収納できるわね。」


 そしてヘルムをそれぞれが被って4つ。核もそれぞれ2つ背負って8つ。


 ひぃふぅ、と勘定するリリエラ。


「ヘルムが合計6つと核が10個ですね。残りは惜しいですが、私、我慢します!」


 えらい、えらいよ、とフランとカナからなでなでされるリリエラ。私も混ざってなでなでする。

 それでも涙目のリリエラ。よほどアイテムを残していくのが悔しいようだ。



 さて、と仕切り直すタロン。


「今回はこんな感じの収穫だったけれど、またボスが復活したら倒しに来るといいよ。

 ボスは魔王の加護を受けているから3週間も経つと元の位置に復活するんだ。

 他のモンスターも復活するけど、ボスは湧くのがややゆっくりめだね。


 次回はオカリナメンバーの能力が上がっていたり、何か工夫があったりして前より多い収穫を挙げられるかもね。またぜひ来よう。」




 今回学んだこと。


 それは最も重いアイテムは装備でもレア素材でもなく、ドーピングアイテムのこってり具合だということだった。



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