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10-1. 切り捨てない①

「本日は楽しゅうございましたわ。お越しいただき、感謝いたします」


「こちらこそ。楽しいパーティーをありがとう、イザベル」


「ありがとうございます、ワイズデフリン伯爵夫人。着替えも助かりました」


「いいのよ。お客様には当然のことですわ」


 罠にかけようとして失敗した者となんとか逃げおおせた者とが、お互いの胸中など素知らぬ顔でにこやかに挨拶を交わして別れた、そのあと ――


「ではシェーナ。事態がおさまったら、早めに迎えに行くよ」


「はい、公爵…… ありがとうございます」


「僕はなにもしていないよ。お礼はシー先生に言いたまえ」


「シー先生も、助かりました。ありがとうございます」


「いいのよ。シェーナちゃんを助けなかったりしたら、メイリーが口利いてくれなくなっちゃうもの。行きましょ。きっとあの子、ヤキモキしながら待っているわ」


 ラズールはシェーナを横抱きにしてクローディス家の馬車に乗せてあげ、手を振った。ルーナ・シー女史も抱えて乗せてあげようとしたら、さっと避けられたうえに 『地獄に落ちるといいわ』 と言われた。どうしてだろう。


「またね、シェーナ。事件のことは気にせず、メイと楽しく過ごしておいで」


「はい…… えと、公爵も、あの…… 」


「なんだい? 奥さんが不在でも、浮気はしないと誓うよ」


「なんでわたしがそんな嫉妬深い設定なんですか」


「嫉妬深くても心配ないよ、シェーナ。浮気をするっとOKされるより独占欲を見せられたほうが美味しい」


「どっ独占欲だなんて……! とにかく、公爵も、お元気で! 」


「ありがとう、シェーナもね」


 去っていくクローディス家の馬車を見送り、ラズールもまた執事のクライセンとともに家路につく ――

 マイヤーの急病に始まり、ワインぶっかけ祭り、騎士団の撃退 …… なかなかにして騒がしい1日だった。

 まだノエミ王女服毒事件の関連での仕事は残っているものの、今日のところはひといき入れたい、というのが主従のいつわらざる本音である。


「旦那様のお召しものも、ワインでかなり汚れてしまいましたね」


「そうだね…… これでも避けたほうなんだが。見たまえ、クライセン。馬車のクッションを汚さないよう、尻と背中は死守しているだろう? 」


「それは…… まことに有り難う存じます。そうそう、マイヤーの発熱でご報告しそびれておりましたが、公爵家にはほかに、例のシアン化合物に触った者はおりません。マイヤー自身がジャムに毒を入れたか、公爵家の者以外に委託したか…… 」


「マイヤーだけだと良いのだが…… ありがとう、クライセン。ひとりひとり調査をするのは大変だっただろう」


「いいえ、当然のことをしたまででございますので…… 旦那様、そろそろリーゼロッテ殿下への報告をお考えくださいませ」


「そうだね…… そうしなければ、ならないだろうな」


 ラズールは窓の外に目を向けた。馬車の動きにあわせて、闇に沈んだ景色がゆっくりと流れていく。

 

「騎士団に情報が漏れたことは、おそらくシー先生からロティに渡っている。僕はあとで怒られるだけだが…… 騎士団にこれ以上ひっかきまわされないためにも、マイヤーの件は早めに言わなければならなくなったね。証拠もほぼ固まったし、明日にでも僕が直接、マイヤーに事情を聞こう…… いや、クライセンのほうがいいかな、彼なら」


「では、私から明日早々に、マイヤーに事情聴取を行います…… 決意してくださって、なによりでございました」


「モタモタしているからすっかり後手にまわってしまいましたね、とツッコんでくれてもいいんだよ? 」


「それでは、奥様でございます」


「……………… うん。そうかもしれないね」


 ラズールは意外なことをきいた、というようにクライセンをしばし見やり、それからうなずいた。

 最近は会話をするとツッコミが必ず入るのが半ば習慣化していたのだが、それもシェーナがいてこそだったのだ。


「ああ、そうだ。おそらく、この件が落ち着いてからになると思うが…… ロティの息子(エデル)くんとシェーナのお見合いが内定したよ。そのうちアテルスシルヴァから正式に申し込みがくるはずだ」


「はて。エデルフリート様はたしか、クローディスのご令嬢と…… ということでしたのでは? 」


「それは母親どうしの願望であるだけで、メイはエデルくんのことを幼馴染みとしか考えてないから、お見合いしてみるくらい別にかまわない、と言われたんだよ、シー先生から …… これも母親どうしでなにか画策した結果なんだろう。

 こちらとしても異存はない。申し込みがきたら、返答と段取りの調整をよろしく頼むよ、クライセン」


 ルーナ・シー女史がエデルとシェーナの見合いを持ちかけたのは、おそらく、デビュタントを終えても婚活などまるで考えていない(メイ)にひそかに焦ったためだろう ――

 つまりシェーナは当て馬がわり、とラズールは推測していた。

 しかし当て馬でもなんでも、シェーナにまともな婚約者と巡り合うチャンスがあるのは良いことだ。


 だが、クライセンはめずらしく 『かしこまりました、旦那様』 とは言わなかった。

 彼にだって、主人に幸せになってもらいたいという思いはあるのだ。しかもこれは実は使用人の総意でもあるが、奥様としてシェーナならば問題ない。

 ―― 少し前まで使用人の間では、公爵家のスムーズな存続のために 『奥様はもう人の形さえしていれば誰でも』 とさえ、ささやかれていた。

 そのことを考えれば、明るく気さくで仕えやすく、そこそこ品のいいシェーナは上々である。そのうえハタからは、ラズールがシェーナに相当ハマっているように見えているのだ。


 クライセンとて本心では 『これが最後にして最大のチャンスかもしれないのに、なぜ手放すんですか旦那様! 』 と言ってしまいたい。

 けれどそう言ってしまっては、この厨2こじらせメンタルの主人はいっそう意地になってシェーナをほかの男に引き渡そうとジタバタするだろう。


「…… 旦那様は、それでよろしいのでしょうか? 」


「もちろんだよ。エデルくんは身分も財産も申し分ないし、真面目な堅物で少々面白みには欠けるが不誠実な男の百倍はマシだろう? そのうえシェーナよりたった4歳年下なだけだ」


「4歳年下なだけと言われましても…… まだ14歳でいらっしゃいますから、お見合いなどされても、ピンと来ないのではないでしょうか」


「いや、来る」


「その確信はいったいどこから」


「シェーナを見ていればわかるだろう? 彼女に見合う男など、そうはいない。逃したらもったいないと、いくら14歳でもその程度の判断はつくはずだ。

 見合い用に新しいドレスも作ってあげなくてはね。事件が落ち着いてシェーナが戻ったらすぐに 『イリス & ヴェーナ』 のオーナーを呼んでくれたまえ」


「は…… かしこまりました」


 自信満々に言い切ったうえ、理由をつけつついそいそと貢ごうとする主人に、クライセンはついに頭を下げたが……

 その内心では、こう叫んでいたという。


『ここにいい年してその程度の判断もつかずに無自覚にのろけてるひとがいらっしゃいますよ! 』


 さて、そんな主従おのおのの心境はともかくとして、狂乱の1日も終わりは穏やか ―― とは、残念ながら、ならなかった。

 公爵家に帰ったふたりを出迎えたのは侍女長アライダの焦った声だったのだ。


「大変でございます! マイヤーが、どこにも見当たりません……! 」


 ―― マイヤーは看病を理由に、自室ではなく医務室に寝かせていた。

 医師が常駐しているうえにメイドが交代で看病にあたれば、勝手に動けるはずがない…… ラズールもクライセンも、そう踏んでいたのである。

 しかしアライダによれば、ラズールたちがワイズデフリンのパーティーに出掛けてからまもなくして、マイヤーはその姿をこつぜんと消してしまったという。

 付き添いのメイドが目を離した、ほんのわずかな時間のことだったそうだ。


「あの…… 申し訳ございません! その、ト、トイレに行くとおっしゃって…… わ、わたしがお世話いたしますと申し上げたんですけど…… 大きいほうだって、その……! ぐすっ」


 執務室でぐずぐずと泣きながら謝り倒してくるメイドによれば、マイヤーはトイレに行くふりをして逃げ出した、ということになるようだ。

 アライダが沈痛な表情で訴えた。


「手分けしてくまなく探させましたが…… 農場のほうにも行ってはおりませんでした。おそらく、どこかに隠れてひそんでいたのでしょう…… この時間ではもう、公爵家の外に出ている可能性も高いかと」


「外に…… あの熱でか」


「すっすみません……! お熱のほうは少し、下がっているようでしたので、それでトイレもつい……! ぐすっ」


「そうか…… ならしかたないね。気に病むことはないよ、マルタ。もう下がっていいよ、ご苦労だったね」


「はい、あ、ありがとうございます、旦那様…… ぐすっ」


 礼を言ったものの、メイドはまだ涙が止まらないようだ。

 ついそばに寄って 『そんなに泣くとかわいい顔が台無しだよ? 』 と慰めてあげたくなったラズールだが、その気配を察したらしいアライダに目で制されてしまった。


(旦那様…… たとえ親切心といえども、奥様以外の女性への接触、 絶 対 禁 止 でございます! )


(わかったよ、アライダ…… きみに頼む)


(それでよろしゅうございます! )


(優しくしてあげてくれたまえ)


(かしこまりました)


 目配せでのやりとりは、おそらくこんな内容だったとラズールは思っているのだが……


「いつまで泣いているんです? 泣いたらあなたのミスが消えるのですか? 大切なのは次から気をつけて、大きいほうといえども 『ここでなさってください』 と言い切るメンタルを備えることでしょう? 」 


 メイドと一緒に部屋を退出したアライダの正論説教が廊下を遠ざかりつついつまでも続いていたところをきけば、主人と侍女長の認識には差があったのかもしれない。


(いや、大きいほうにしろ小さいほうにしろ、ここでなさってとは、いくらなんでもメイドになって1年足らずの16歳には厳しいのでは…… )


 つい考え込むラズールの前に、湯気の立つカップが置かれた。クライセンが甘めのカフェオレを淹れてくれたのだ。


「どうぞ、旦那様」


「ありがとう、クライセン。すまないな ―― 逃げられた」


「なにをおっしゃいます、旦那様。すでに諜報部は捜索に入っております。それから、マイヤーが隠し持っていた毒も消えておりましたが、あらかじめ白い岩塩にすり替えておきましたのでご安心くださいませ」


「相変わらず仕事が早くて助かるよ。岩塩なら売ってお金にも変えられるし、ちょうど良いね」


「おそれながら、逃亡資金のつもりではございませんでしたが」


「いや、このまま逃げてどこかでやり直してくれるなら、それもいいさ」


「公爵家としては、それでは困りましょう」


 砂糖を丁寧に溶かしこんだカフェオレよりもさらに甘いことを言う主人に、クライセンはしらが交じりの眉をさげて応じた。


 ノエミ王女に対する明確な害意がマイヤーにあったわけではないことはほぼ確実でも、彼が公爵家にとって不都合な人物になってしまったことには変わりない。

 そうである以上、公爵家がマイヤーに対してすべきことはただひとつ。

 彼と事件との関わりが(おおやけ)になる前に捕縛し事情聴取ののち()()()()()するだけである。彼がどのような末路を迎えようと、それは自業自得でありしかたのないこと ――

 そもそも権力とは、徹底した敵の排除とそれを正義と信じさせることにより成り立つのだから。


「家の存続がなによりも最優先、かい? 僕はそうは思わないよ、クライセン」


「それも存じてはおります」


「こんな家どうなってもかまわない…… と言えば、きみが嘆くだろうから言い方を変えると、敵を排除し続けるのは不可能なんだよ。1人の敵を排除すれば2人以上の敵を作る。敵が増え続け、やがて排除できなくなったときには、どちらにしても滅びてしまうだろう」


「おそれながら、1人の敵が2人以上の敵を連れてくることもございますが…… 」


「知っているかい、クライセン? 大抵の人間は、己に都合いいものに尻尾ふるようにできているんだよ。3人の敵がきたなら、3人とも懐柔して味方になってもらえばいい。幸い公爵家にはそれだけの財力と権力があるからね? ほら、排除するより合理的」


「旦那様のその信条も、よく存じてはおります」


 長年仕えてきた執事が知っていることは、あれこれと理屈をこねまわしてもつまりは、彼の主人は誰も処罰したくない超絶激甘党だということであった。

 ともかくも、すべてはマイヤーを公爵家に連れ戻してからのこと…… と、どうにか自身を納得させたクライセン。

 だが事態は、ラズールの希望どおりにも、クライセンの予定どおりにも進まなかった。


 マイヤーは、しばらくして公爵家にとっては最悪の形で発見された。

 なんと彼は騎士団に、ノエミ王女に贈ったジャムに毒を入れた、と自首したのである。

 ノエミ王女の侍女にして彼の妻であるマクシーネとワイズデフリンがそれぞれ、事件の実行者と首謀者との疑いをかけられて騎士団に連行された日の夕方のことだった。


 『ワイズデフリンの指示で、もと聖女で公爵の婚約者であるシェーナ・ヴォロフに罪を着せるため、毒を入れたジャムを彼女の名でノエミ王女に贈りました。毒の入手方法は―― 』


 マイヤーの証言は一応の筋が通っており、かつ彼が 『マクシーネにはなんの関係もない。解放してやってくれ』 とごね続けた結果。

 マクシーネは釈放されて代わりにマイヤーが騎士団本部の地下牢に入ることになった。犯罪者は、裁判で刑が確定するまでそこに(とら)われるのだ。

 そしてワイズデフリンへの疑い ―― 彼女が事件の首謀者であるとの疑いは、ますます濃くなった。

 ワイズデフリン自身は否定していたが、平民の彼女の言い分よりは男爵位をもつマイヤーの自白が重視されたのである。


 かくしてノエミ王女服毒事件は、公爵家もリーゼロッテも望んでいない結果とはなったが一応の解決を迎えたかに見えた ――


 その、翌日。

 

「いつからわかっていたのかしら? しかも、わたくしに教えてくださる前に公爵家の人間が騎士団に自首…… いくらあなたでも甘すぎではなくて、ラズール? 」


「返す言葉もないよ、ロティ…… せっかく秘密裏に始末するはずの事件が、僕のせいですっかり表沙汰になってしまったね。申し訳ない」


「本当にね。甘すぎてびっくりよ」


 呆れ返ったリーゼロッテの声が、描かれた半裸の美少年の姿の天使(クピードー)たちが舞い踊る天井に響いた。

 王宮のリーゼロッテの部屋 ―― ラズールはようやっと、この部屋の(あるじ)にことの()()()()を報告に(おもむ)いたのである。

 ここまで遅くなったのは、気が進まなかったためもあったが、地味に忙しくなったせいでもあった ――


 公爵家で、マイヤーが抜けたぶんの仕事の処理がのしかかってきただけではない。

 海軍のほうでも、航路を漂流していたフェニカ船籍の漁船を拾い上げた後始末だの、部下がジンナ帝国からの使節の出迎え日時を誤って半日以上も待たせたため代わりにラズールが急遽(きゅうきょ)出向いて謝り倒す事態だのが、まるで狙ったかのようなタイミングで続けて起こった。

 そのうえ、月刊誌に連載中のエロ小説の〆切までが迫っていた。


 忙しくて疲れているはずだがなぜか眠れないので、夜中に甘いカフェオレをがぶ飲みしつつ原稿に向かってみたものの ――

 メイあたりから明らかに 『こんなのロティーナちゃんじゃないわよ! 』 と言われそうな出来である。そればかりかラズール自身としても、読み返せば()()()()()がより強くなっているようでいたたまれない。

 以前と同じようなヒロインにしようとラズールも努力はしているのだが、なにをどうしても、どこかが違うような気がするのだ。


 ―― 20年あまり前に、かつて失った愛すべき女性たちをしのびつつ書いていた黒歴史ノートをたまたまヴァルシュミーデ兄弟社の兄社長に見られてスカウトされ、エロ小説家ユーベルとしてデビューして以来、初のスランプであった。


 それでも 「いえいえユーベル先生なら大丈夫ですから! 」 とニコニコと原稿をせっついてくるジグムント編集長に書けそうにない旨を伝え、ルーナ・シー女史に代打を頼むよう振って (ジグムント編集長も 「シー先生のお色気ものをこのまま朽ちさせるのは惜しいと思っていたところですよ! 」 と、かなり乗り気だった。このぶんでは 『月刊ムーサ』 にチラリズム&雰囲気エロ特集が組まれる日も、そう遠からずやってくることだろう) ――

 やっと余裕ができたのが今日、といったところなのだ。


 朝から騎士団本部に出向いてワイズデフリンとマイヤーに面会しワイズデフリンからは 『あのシェーナ・ヴォロフは大した女狐よ! あんな純粋そうな顔してこのあたくしをはめたんだわ! 目を覚ましなさい、ラズール! 』 と叫ばれマイヤーからはひたすら無表情に謝られ続けたのを 『余裕』 と呼べるかは、謎だが。


 しかし、いかな理由があれども、報告が遅れたためにリーゼロッテ側の事件捜査に影響してしまったのは間違いない。

 ラズールが責められるのは、しかたのないことだった。


「おかげでジンナ帝国がノエミ王女獲得に興味を持ち始めたわよ?

 『亡国の血を引く気の毒な王女殿下に、心身ともに安らかにお過ごしいただくためには、我が国のほうがふさわしいのではありませんか? なにしろおたくは公爵家が王女殿下を敵視されているようですから』 とか言う使節のドヤ顔を殴らなかったわたくしを、ほめてちょうだい」


「あの使節か…… 部下の代わりに頭下げて迎えに行ったついでに、そのまま送り返してやれば良かったね」


「それは国際問題になるから、やめてね、ラズール ―― こうなると、シェーナちゃんには可哀想だったけれど、ハインツ(王太子)とノエミ王女を婚約させておいて良かった、ということになるのかしら…… ジンナ帝国に横やり出されたら、盾に取れる理由は婚約しかないもの。本当に悔しいわ、あの老害どもが今回の件でまた政略結婚に味をしめるかと思うと」


「いっそのこと僕もハインツ(王太子)も、婚約解消するのはどうだろう? ノエミ王女はジンナ帝国に預け、シェーナが王太子と復縁すれば、めでたしめでたし、じゃないかな? 」


 冗談めかして言ってみたラズールだが、実はけっこう本気である。

 リーゼロッテが、柳眉をひそめた。


「バカなことを言わないでちょうだい? 」

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― 新着の感想 ―
[一言] ラズールはわかってないなあ( ˘ω˘ )
[良い点] >大きいほうといえども『ここでなさってください』 www やっぱアライダは強い!
[一言] 全くまあ優しいのでしょうけどね。 周囲の人たちに救われてますね。 主人公。
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