03 選択
困った時に頼りになる諸先輩に恵まれているのは、僕の異世界活動のかけがえのない財産です。
困りごとのパターンによって相談相手をチョイス出来るなんて、まさに贅沢の極み。
というわけで、今回のケースを考慮してセレクトさせていただきましょう。
なんだか上から目線な感じで、申し訳ないのですが。
家庭・家族に関する問題なら、言わずと知れた異世界最優秀お父さん大賞 連続受賞レコードホルダー、
ロイさん。
冒険者活動についてのお悩みなら、同い歳ならではの視点も完備したイケてる若手冒険者代表、
カミスさん。
荒事揉め事どんと来い、誰よりも召喚者の気持ちを分かってくれる異世界武人の急先鋒にして若大将、
シナギさん。
異世界迷走伊達じゃない、見た目はおじさん、中身もおじさん、ただし人生経験値カンストおじさん、
メイジさん。
……はい、分かってますよ。
ひとり足りないですよね。
だって、あの人の立ち位置って、特殊過ぎるのですよ。
えーと、それでは。
乙女のためならおしおき上等、奥さま4人は伊達じゃない、らぶらぶ案件多すぎ難点、
ご存知『誠実な無自覚プレイボーイモンスター』
アランさん。
……アランさんが頼りになるのは、相談相手としてでは無いのです。
俺の背中を見て学べ的な、失礼ながらいわゆる反面教師ポジション。
いえ、ご本人はとても真面目で誠実な方なのです。
その証拠に、相思相愛の素敵な奥さまが4人も。
つまりは、僕ごときでは到底真似出来ないような波瀾万丈な人生を送っておられるわけで、
その尖がりくねった行動がもたらすおしおきに巻き込まれないよう、遠くから生温かく見守るのが最善手、なのです。
もちろん他にも頼れる殿方が多数。
肉体美じゃなく肉体武、最強武人筆頭、ライクァさん。
流浪の海千山千商人パパ、アシュトさん。
寡黙にして苛烈、暴れケモミミお兄さん、ヴォルドルフさん。
本当に素晴らしい先輩方に恵まれている僕ですが、
今回の相談相手としてお願いしたいのは……




