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02 復帰


 先日のやらかし『巡回司法官管轄児童保護施設 襲撃事件』


 関係者各位への謝罪、ならびに、警備施設損壊の賠償は、すでに済ませております。


 あの女の子が、無理やり誘拐されたんじゃないって証言してくれたおかげで、前科持ちにならずに済みました。


 いろいろと板挟みになり大変な思いをさせてしまったルシェリさんには、我が家のみんなの心からの謝罪を。


 ただ、ルシェリさんが特に気に病んでいるのは、襲撃事件では無く、僕のキルヴァニアでの件の方。


 一度個人的にじっくり話し合わねばならないでしょう……




 で、サイリ家一同、社会復帰計画、第一陣。


 まずは、冒険ヴァンパイアペアこと、スーミャとイリーシャさん。


 禊ぎ的な長期謹慎も終えて、冒険者活動を再開したおふたり。


 事件前から鳴り響いていた"夜の討伐スペシャリスト"の勇声に、各国の冒険者ギルドからのご指名案件も多数。


 まずは順調な滑り出しの模様。



「最初はリベンジ!」

「やりかけのナイトウルフ変異種討伐、だよね、イリーシャ」


「任務途中で帰らざるを得なかった心残り、存分にぶつけてくるとしましょうか、スーミャ」



 あー、その節は大変申し訳ない。


 今後は緊急入院などせぬよう、禍根は残さず出来る限り身辺は綺麗にしておく所存にございます。


 いえ、綺麗にするって、皆殺しってことじゃないですから。



「サイリは女難の相があるってモルガナお姉さんも言ってたし、気をつけてね」


 はて、突然の新規登場人物追加。


 モルガナさんってどなたですか、スーミャ。



「ベテラン夜型冒険者として著名な方で、今はエルサニア近郊で活動しておられる」

「最近、夜の冒険者活動に関する助言をいただいているのだ」

「流れの占い師としても有名で、的中率は相当なものだそうだぞ」


 なるほど、夜型冒険者の先輩ですか。


 でも、夜の冒険者活動って、なんだかえっちっちな言い回しですよ、イリーシャさん。



 それにしても、占い……



「ちゃんと女難の相も当たってたし、サイリも今度直接占ってもらうといいよ」


 オカルトは勘弁ですよ、スーミャ。



「まあ、無理にとは言わないが、盲信的に信望するのでは無く、道しるべとして頭の片隅に置いておくくらいなら悪くはあるまい」


 そんなに占いに惹かれるなんて、やっぱりイリーシャさんも根っからの夢見る乙女、



 ぽかり


 いてぇ!


 ひどいよ、イリーシャさんっ。


 やっぱり僕って女難、いや、乙女難の相……



「駄目ですよ、サイリさん」

「"おしゃれ・スイーツ・占い"は、この世の全ての女性のたしなみなのですよ」


 申し訳ありませんでした、プリナさん。


 僕にとってこの世の全ての女性の代表であるプリナさんのご意見とあらば、


"おしゃれ・スイーツ・占い"も全力で制覇する所存にございます。



「なんだか心配して損した感じだし、早く行こ、イリーシャ」


「犬も喰わぬとはまさにこのこと」

「このもやもやは存分にナイトウルフ変異種にぶつけてくるとしましょう」

「行きますよ、スーミャ」



 はい、行ってらっしゃい、おふたりとも、気を付けて。



 ふむ、占い、ですか。


 なんだか、"カイジ感"というほどでは無いのだけれど、微妙に気になるのです。


 ただ、このまま安易に占い師に聞きに行っちゃうのもイヤだという微妙な男子心も、分かっていただきたい。



 さて、どうしたものか……



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