10 読心
朝、それなりに気持ちよく目覚めた僕は、今日も昼型生活の予定。
家族は皆、今日やることに向かって元気に邁進中。
フィグミさんは、日が昇る前にとっくにおねむ。
最近お気に入りの編みカゴの中で、すやすやと。
フィナさんは、アリシエラさんのところにお出かけ予定。
どうやら『シミージュ』改造案を思いついた模様。
高速化とか武装化では無く、
平和的なアイデアであることを切に願います。
まあ、フィナさんなら大丈夫かと。
スーミャとイリーシャさんは、
例の討伐に再度向かいました。
昨日の夜はモルガナさんと何やら夜ふかししておりましたが、
体調不良で戻ってきたりしなければいいけど。
プリナさんは、今日もくるくる家事日和。
あの流れるような動線をおじゃましないように、
ほどよい距離から見守るのが家長の務め。
「そのサイリさんを見守るのが私の務め」
えーと、モルガナさん。
僕の考えを読むのはかまいませんが、出来れば声に出さないでいただきたい。
「普通は考えを読まれるのを、もっと嫌がるものです」
まあ、悪用さえされなければ。
そういえば、心を読む女性への対抗策は、めっちゃえっちなことを考えれば良いって、何かで読んだような。
「では、サイリさんにとって限界ぎりぎりアウトくらいな、えっちな妄想を、どうぞ」
……………………
くすり
鼻で笑われてしまいましたよ。
朝から何をやってるんでしょ、僕。
「ではそろそろ、おいとまを」
おや、随分と突然ですが、急ぎのご用件でも。
「そうですね、あえて言うなら、修羅の旅へ」
「サイリさんのお側にいるこの気持ちよさをより堪能するためには、普段は出来るだけ気持ち悪い人の側にいなければならない」
「それが"導き手"の辛いところ、なのです」
えーと、美味しいものの美味しさをより高めるために、あえて不味いものを喰らう、と。
難儀な生き方ですね。
「それが、運命、ですよ」
無理やり決めゼリフにしようとしてるでしょう、それ。
「まさかサイリさんも私の考えを……」
読めませんって。
「それでは、ごきげんよう」
はい、良い旅を。
って、ちょっとモルガナさん、
僕の女難の相について詳しくっ、
……行っちゃったよ。
絶対占い師がメインだよね、あの人。




