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拉致誘拐



 次の日、街に戻った三人は早速商人ギルドに……ではなく、なぜか傭兵ギルドの長の邸宅の裏手まで来ていた。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



「それで具体的にはどうやって商人ギルドをつぶすんだ?」


「ええ、傭兵ギルドの長の子を誘拐するの!」


「……え?」


「誘拐を批判しておいて……」


「まぁまぁ。手段を選んでいては目的は達せられないわ? それにそこまで物騒な事にはなるはずないの」


「じゃあもっと詳しく話を聞かせてくれ」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




 今傭兵ギルドの長、フドウとその妻パーディンは、ギルドの集会という名の飲み会に出ていて不在だ。

 とはいっても、流石はギルドリーダーの邸宅。ガードマンや使用人が、ぎっちり家を守っている。しかし、

「ピアちゃーん! 約束してた魔法の修行をしましょ!」

 ルメアがそう呼ぶと、二階の窓ががたっと開いて、

「ルメアお姉!」

 快活な子供が窓をバーン! と開けて、にっこり笑顔をこちらに向ける。この子がフドウの子、ピアである。


「今すぐそっちに降りるね!」

 屋内でガタガタガタ、それからパリーンと何かが割れた音がして、しばらくすると裏口からピアがでてきた。

 傭兵という武闘派のイメージとは程遠く、可憐で元気いっぱいの女の子。


 それを拉致するとなると、元の世界から来た二人は多少気が引ける。

 しかし何食わぬ顔でピアをハグし、その頬にキスをするルメアに、二人は若干警戒心のようなものを抱いた。


「で、これから?」


「ん? 約束通り魔法を教えるのよ、でもその前に……サンダークラッシュ」


 雷がフドウの家にぶちまけられる。窓という窓が割れ、木材の部分は黒焦げだ。


「ちょっ、何をやってるんだ!」


「これでいいのよ、さ、行きましょ、ピア」


「ルメア姉やっぱりすごい!」


 業平と日花は納得のいかない面持ちのまま、ルメアの後へついて行った。

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