野人転生コミック2巻発売記念。コミック1巻に掲載されている描き下ろしコラム「サバイバルの水について」を投稿します。
コミック1巻に掲載されているコラムです。お気に召して頂けた方がいらっしゃいましたら、コミックの購入をして頂けると幸いです。
人は、水なしでは生きていけない。3日間水を摂取しなければ、衰弱して動けなくなってしまう。
そして、その数日後には死に至る。
個人差はあるが、サバイバルで水を発見するためのタイムリミットは3日しかないと言うことだ。
体重の僅か2%の水分が奪われただけで、喉の乾きを覚え運動機能の低下が始まる。
10%を超えると姿勢を維持することができなくなり、けいれんが始まる。
脱水症状というのは、想像以上に危険なのだ。
生水は飲むな! これは、サバイバルの基本的なルールと言ってもいい。
しかし、有名なサバイバル番組で、演者の方は頻繁に生水を飲んでいる。「これは良くないことです」といいながらも、生水を飲んでいるのだ。
そして、野人も不用意に生水を飲んでいるように見える。なぜ生水は良くないと言われていながら、みな生水を飲むのだろうか?
喉の乾きに我慢できなかった? そんな情けない理由ではない。危険とわかっていながら、止むに止まれぬ切実な理由があるのだ。
前述の通り、水なしで人間が動けるのは3日というタイムリミットが存在する。大自然をさまよい、多くの汗をかいた状態では、その期限は更に短くなるだろう。
あっさり水源を見つけられればいいが、そうでない場合もある。
いくら喉が乾いていても、水を沸騰させる間ぐらい我慢すればいいのではないだろうか? そう思うかもしれない。
しかし、サバイバル生活で水を沸かすという行為は、非常に労力と時間の掛かる行為なのだ。
打製石器を作り、乾燥した木材を加工。乾燥した火口を確保し、摩擦熱で火を熾す。焚き火で石を焼く。
石器で木の皮を剥ぎ、鍋を作る。松脂などを探し、焚き火の木炭と合わせる。水が漏れないよう、木の鍋に塗る。鍋に水を入れ、焼けた石を鍋に投入する。
このように、非常の多くの手順が必要となる。恵まれた状態だったとしても一日仕事になる作業量だ。
当然、作業中も汗をかく。
水源から離れた場所で素材を採集中に、脱水症状で動けなくなる。体が弱っているときに、野生動物に襲われる。
そういった危険性もある。
自分の今の状態を考え、生水を飲むリスクと、ここで水分を即座に補給しないリスクを計算。生水を飲む方がリスクが少ない。そう判断して、生水を飲むのだ。
当然、生水も確認してリスクを計算する。
水が綺麗か、流れはあるか、昆虫の幼虫が視認できないか。口に入れたときの味、匂い、その他様々な要素を見極める。
それでも、目に見えない病原菌やアメーバ赤痢などのリスクはある。いくら水源を確保できても、その水が原因で衰弱してしまえば意味がない。
食料を確保できずに餓死するかもしれない。拠点を作れず、雨ざらしで体温を奪われ死ぬかもしれない。
生水を飲むという行為もまた、リスクが大きい。
サバイバル番組の演者でも、野人でも、乾いた状態で水分を補給する喜びを噛み締めている。
しかし、頭の中では常に死のリスクがチラつく。
生水を飲む。その行為には、多くの計算と悲壮な覚悟が隠されている。
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