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平成最後の〇〇  作者: 桐ヶ谷 海帆
6/7

4月30日

4月30日 0時00分


 ツイッターではこんなキーワードがトレンドに入った。


「平成最後の24時間」


 普段、休日は外に出ない僕だが、なぜか今日は出てみようと思った。


 外にいたいと思った。


 しかし外では僕の嫌いな言葉を使う人たちであふれている。


「平成最後のタピオカ、平成最後のプリクラ、平成最後のデート、平成最後の……。」



 やはり外に出るのは間違いだったか……。


 しかし今日は最後の日。


最後の日くらい目一杯楽しもうと思い、ありったけのお金を使った。


 映画を見た。服を買った。美味しいものを食べた。ゲームを買った。タピオカを飲んだ。平成最初で最後のナンパをした。


 これから人生で一度行ってみたいところに移動する。


 僕が生まれたこの時代、決して長かったとは言えないが、感謝をするように最後の日を楽しんだ。


 今日は夜まで遊ぼう。




 決して1人だとしても……。



22時35分


 遅めの夕食だが、その地域で有名なラーメンを食べに来た。一度食べてみたかったもの。最後の日なんだから楽しもうと思って新幹線に乗ってきた。


23時00分


 あまりにも美味しかったのと、お腹が空いていたのもあってすぐに食べ終わってしまった僕はふとスマホを見る。

画面には47件の不在着信と55件のラインが来ていた。

それを無視し、ツイッターを開く。

トレンドには「平成最後の1時間」というキーワードで検索が入っている。



 しかし僕にはそんなことはどうでもよくなっていた。



 そんなの関係ない。


 僕の楽しい日を邪魔するな。


 なんてったって平成最後の日はもう直ぐ終わる。



 誰にも邪魔されず、この日を楽しみたい。



 僕は気がつく。




 いつのまにか「平成最後という言葉が好きになっている。」



 「最初と最後」

この言葉は本来、事の始まりに使われ、それは出会い、体験、これから先のことを想像し、わくわくなど楽しいとき使われ、最後とは事の最後に使われ、それは、別れだとか、結末など悲しく寂しいときに使われる。



 しかし、僕は平成最後のはずなのになぜかわくわくしている。


 これから先のことに……。


 なぜだろう。やはり不思議だ……。

 

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