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平成最後の〇〇  作者: 桐ヶ谷 海帆
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4月10日

4月10日


 世間では、「消費税廃止」「原発即時禁止」を掲げる、「れいわ新撰組」が結成されたり、日米欧がブラックホールの影を撮影したことでニュースが持ちきりだ。


 ここでも新元号である「れいわ」が使われるほど、この新言語は影響力が強い。


 そんな中、新しいクラスになり、クラス内カーストも落ち着いてきた頃、実力テストが行われた。

勿論カースト最下層の僕は、テストが終わるや否やすぐさま帰ろうと帰宅準備をしていたところ、男女数人で大声で騒いでいる人たちの会話が耳に入る。


「やっと実力テスト終わった〜、」


「それなー。まじ難すぎ、」


いわゆるクラス内カースト最上層であり、学年でも最上層にいる人たちの集まり、陽キャと呼ばれる人たちの会話だ。


「あれ、これって平成最後の実力テストじゃね? 」


最後なのになぜか嬉しそうに話す。確かにテストは終わったが、これからもたくさんある。


この言葉を聞くと、またこの気持ちになる。


 流行に流されることは悪くないが、流されすぎるのもよくない。

例えば、今まで二次元を好きな人の会話をきもい、などと否定してきた人たちが、誰かが面白いと言った瞬間にこのキャラ可愛い、ヒロイン可愛いなどと騒ぐ。事あるごとにその作品のネタを使う。


 ファンになることは構わないが、好き嫌いを無くしたり、嫌いなら嫌いで人に流されず、自分の意思をしっかり持つことが大切だと思う。


 また、一時期流行った言葉を、数ヶ月後には死語だ、時代遅れというのもなんか悲しい。


「平成最後の〇〇」も元号が変わり、「令和」になると「令和最初の〇〇」になるはずだ。



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