叩けば埃が舞うもので
「そんなことないって、何に対しての?」
「え?それは……」
「迷惑をかけた、心配を掛けたってぐらいで、他にはなかったでしょう?普段通りだったでしょう?」
私が一人抜けたぐらいで、揺るがなかったでしょう。
むしろ、清々したんじゃない?
「なんでそんなことばかり言うの?こんなに思っているのに。」
「ふん。自分のことを、思っているんでしょ。私のことじゃなくて。」
「違う!!あなたのことを」
「結局、お姉ちゃんだって私のことを下に見ているんでしょ。自分より下に見える人がいると安心だもんね。」
「ち、違う……」
「本当に私のことを思うなら、他の言葉か行動があると思う。「あなたのことを思って」っていってる時点で私のことは思ってないでしょ。」
ほら。黙り込んじゃった。
結局そういうことでしょう。
それから、さめざめと泣くの、やめてくれる?
そのまま階段にお姉ちゃんを残しと病室へ戻り、頭から布団を被る。
あーぁ。あの姉を見たら、またあの人も挙動不審になるんだろうな。
泣かしてしまったんだから、私が悪いのか?
私が悪者になれば、丸く収まるのか。
どうせ、弁解もさせてもらえないから、私が全て被ればいっか。
気まずいまま退院となり、自宅へ戻ることとなった。
退院の次の日から学校にいけとは言われなかったため、1日中和室のテレビを眺めながゲームをして過ごした。
携帯型ゲームでやるのは、ひたすら言葉を作っていくゲーム。
とにかく、マスがあるかぎり「ごせい□ょうとし」と作り、□のかなに「き」をいれる。
連鎖が起こり、下のほうに四角くて黄色いキャラが何連鎖なのかを叫んでいる。
テレビから流れてくるのは、凄惨な事件のニュース。
お昼のワイドショーとなれば、司会者とコメンテーターが難しい顔をして事件について述べている。
「夜中に女性が街灯の少ない道を行くのは危険です。」
「明るい大通りをいけば良かったですね。」
「もしくは、タクシーで帰るとか。」
「もしなにかあった時は、大声をあげるとか、音の出るものを持っていたほうがいいですよ。」
絶対的に犯人が悪いんじゃないの?
確かに女性側が対策をするのも大事だけど、そんなに遅くまで仕事をさせている会社にはなにも言わないの?
たぶん、犯人は叩き終わったんだろうな。
みんなを繋ぎ止めるために、次々と叩いていくのだろう。
「誰かを下に見て叩かなければ、そこにはいられないんだろうな。」
たぶん、誰だって。私だって。
空気を読まないゲーム機が、「スゴい!」「パーフェクト!」「次も頑張ってね」と元気の良い声が高らかに叫んでいた。




