目が覚めるとそこは……
……。
あれ、なにもおこらない。
それに、なんか違和感が……
再び目を開けると、私は寝ていて、薄暗い部屋だった。
は?
意味がわからず視線を動かせば、点滴のパックが目にはいる。
そこから視線をおろせば、先は私に繋がっていた。
「ふふっ、ふふふ。ははははっ。……はー。」
思わず、笑ってしまった。そして、ため息。
異世界には、点滴は存在しない。
つまり、点滴があると言うことは、現実の世界。
「まさかの夢オチ。」
もう、笑うしかない。
私に優しい都合のいい世界なんてあるわけがない。
自分の妄想のなかだったら、いくらでも自分に優しい人たちが出てくるに決まっている。
ポタリ、と透明な雫が落ちる。
「夢、だったか。でも、夢だったら、もう少し私を優遇しても良かったんじゃない。」
巻き込まれた、だったし。
やけにリアルな夢だったな。
しかし、何故私がここで寝ているのかわからない。
枕元にあったナースコールを押してみる。
どうされました、的な返事をもらえるかと思ったが、うんともすんともいわない。
連打は不味いだろう。もう少し待ってみて、誰も来なかったらもい一回押そうと思っていると、扉が開き看護師さんが入ってきた。
私と目が合うと「目が覚めたんですね!!」と驚いている。
それからはバタバタと騒がしくなり、診察やらいろいろあって、やっと現状を聞けるまでなった。
「私は何故、ここで寝ているのでしょう?」
「覚えていませんか?」
医者が難しそうな顔で聞いてくるが、はじめからそう言っている。
「一週間前、バックしてきた軽トラに引かれたんです。」
一週間の間にみていた夢にしては長かったな。
向こうで約一年流れたぞ。
それに、バックしてきた軽トラに引かれるって、なんかショボい。
話をしていると扉が開いて、そこにはあの人がたっていた。
そして、私と目が合う。
「あぁ、あぁー。」
顔を両手で覆いながら、肩が震えだす。
いつか見た風景だな。あ、でも、あれこそ完璧なる夢か。
ぼんやりと見ていると、ばっと顔をあげ、こちらに向かって歩いてきたかと思うと。
ぱしん。
ここ最近聞いた音と頬の痛みで自分が叩かれたことを知る。
自然と叩かれた頬をさわる。
「どれだけ心配を掛ければ気がすむの!!」
あまりにも予想通りの反応に特に返す反応はない。
当たり!!って騒がなかっただけ、偉いと思う。
周りの医者たちが慌てて間にはいる。
膝を折り、さめざめと泣く目の前の人を見下ろす。
やっぱり、こっちの世界は、私に全然優しくない。




