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日常は非日常

 結局、事件は丸く収まり、何事もない日々が帰ってきた。


 そんなある日の昼食中。


「ほまふりははふんふよ。」


 口の中にものをいっぱい詰めてしゃべるウォルター。


「口にものを入れたまま話してはいけませんって、習わなかった?なにいってるのかさっぱりだよ?」

「ほっとはってふだはい。」

「それも飲み込んでから言えよ。」

「ふー。だから、お祭りがあるんすよ。」

「お祭り?」


 それは、最近出来た、謎の雑巾がけ大会ではなく?


「そっちじゃないっす。街であるんす。」

「なんのお祭り?」

「建国祭っす。」

「一番のお祭りじゃないの?それ。」

「そおっす。見に行きません?」

「いく!」


 こっちのお祭りって屋台とか出るのかな?

 金魚すくいはさすがにないよね。


「露店とかでるぞ。食い物が主流だがな。」


 リアムが補足してくれる。


「へー。いつあるの?お祭り。」

「「明日 (だな。)(っす。)」」

「そう、なんだ。」


 結構差し迫ってんな。


「今日が前夜祭だな。」

「え。誰も浮き足だっていなくない?」

「結構浮かれてんぞ?」

「まぁ、違うことで色々バタバタしてたっすからねぇ。」


 そういうことにしといてあげよう。


「どうする?仕事終わりに街にでるか?」

「そうか、前夜祭をやってるなら、実質今日からお祭りなのか……」

「いきましょう!!夜ご飯は、露店で買いたいっす!!」


 目をキラキラさせるウォルターに負けて、お祭りへ行くことになった。



「わ~。いつもより人が多い。」


 若干げんなりしつつ言うと、リアムが返事を寄越す。


「この時期に合わせて旅行にくる人とか祭りで商売をする人とかがいるからな。」

「なるほど。」


 近所の有名な稲荷に初詣にいったときを思い出すな。


 キョロキョロと周りを見渡せば、薄いピンクの鈴蘭みたいな花が飾ってある。


「あの花は?」

「あの花、この時期に咲く花で、夜になると光るんです。」

「へー。」

「スゴく綺麗っすよ。」


 さすが、ファンタジー。


「見てみたいな。」

「じゃあもうちょっとぶらぶらすれば……」


 話しながら歩いていると、どこかで悲鳴があがり、周りがざわつく。


「なに?」

「なにか、あったんすかね?」


 声がしたであろうほうをみると、ざわめきが大きくなり、人の間を縫って誰かが走ってくる。


 ひったくり、みたいな?


 危ないからと避けようとするが、人がひしめきあっているためうまく身動きがとれない。


「あ。」


 同じように動けない周りの人に押され、そのまま突き飛ばされる形で転んだ。

 予期せぬ動きに受け身がとれず、衝撃にそなえ、きゅっと目を閉じる。

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