表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/113

【閑話】ある晴れた昼下がり(後編)

 私の忠告を聞いた三人は、なんだか微妙な顔をしている。

 どうかしましたか?と聞こうとしたら、ガサッと葉が擦れる音がする。

 お姉さん方は、蜘蛛の子を散らすようにいなくなってしまった……


 一体なんだったんだ?


 周りを見渡しても誰もいない。

 どうやら風が吹いただけのようだ。


 まぁいいか。


 とりあえず、岸に上がろうとするが、服が水を吸って重たい。

 勢いを付けて、岸を両手でグッと押し上半身を外に出す。

 そのまま片足を陸にあげて、ローリングした。


 なんとか岸にあがり、寝っ転がる。


 真冬じゃなくてよかった。


 靴下が気持ち悪いので、脱ぎ捨てていると、誰かが立っているのに気がついた。


「あ」

「……」

「いや、これは」

「ギャーーーーーー」


 えーーーーーーー。

 何故悲鳴?


 悲鳴をあげて、走り去ったのは、見回りをしていただろう騎士だった。


 説明しようとした台詞が浮気がばれた人みたいだったな。


 反省会を開きながら、スカート下(ハーフパンツ)やブラウス、髪を絞る。


「ちょっと、なにやってるのよ!」


 声のほうを向けば、レティシアがものすごい勢いで走ってきていた。

 そして、問答無用でなにかを被せられる。


「もう!なにやってるの!!そんな格好で。」


 把握。

『ウォッシュ』と『ドライ』の魔法で体を乾かす。


 これでどう?とレティシアを見る。


 あれ?盛大にため息をつかれた。


「違う!!」

「なんで?」

「その格好よ!!」


 言われて、自分の格好を見下ろす。

 靴下を脱いで素足、ズボンにブラウス。


「なんかへん?」

「そんな足を出したらダメよ!!」

「へ?」

「そういうものなの!!」


 あ、だからあの人は、慌てて走り去ったわけか。


「なるほど。」

「なにやってるのよ。」

「なにって……」


 池を振り返り……


「服、どうしよう?」

「あとで回収するわ……で?」

「で?あ、状況ね。」


 斯々然々。


「なるほど。わかったわ。」


 それは状況がってことですよね?犯人が、とか言わないよね?


「アイナってそつなくこなす感じよね。」

「そんなことないよ?」


 だって、小さい頃に体が固いからと通わされた体操教室だって、他の子は跳び箱を八段跳んでたけど、私は六段止まりだった。平均台は好きで、平均台の上で側転は良くやったな。

 その後、お姉ちゃんと同じスイミングスクールに変わったけど、お姉ちゃんは検定にサクサク合格していくのに、私は全然だった。

 習字だって、夏休みの宿題のコンクール系でも入賞なんてしたことない。

 フォローなのか先生に「最後の一人をあなたと〇〇さんと悩んだけど、今回は〇〇さん。あなたは他の場面で活躍出来そうだから。」と。

 他の場面でも同じことを言われてしまったら、活躍はない。

 賞状なんて、画用紙に印刷された「頑張ったで賞」か「皆勤賞」ぐらいである。


 しかも、その道のプロからしたら私は手抜きがすごいだろう。

 なんとなく出来ているだけで、きちんとは出来ていないと思う。


「どこを平均的な感じじゃない?可もなく不可もなく。いや、不可よりかもしれない。最低限出来ているように見えるだけで。」

「相変わらず、ね。」

「なにが?」

「なんでもないわ。風邪をひく前に室内に移動するわよ。」


 その言葉と同時に足が地面から離れる。


 あぁ、毎度お馴染みのドナドナですか。



お付き合いいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ