【閑話】ある晴れた昼下がり(前編)
読んでも読まなくても本編には一切関係ありません。苦手な方はスルーしてください。
ある、晴れた日の昼下がり。
だんだん暖かくはなってきているが、朝晩はまだ冷え込むある日。
ちょっとお散歩を、と庭園を歩く。
あれ、こんなところに池があったんだー。と横目で見ながら歩いていると。
おっ。蝶々。
ヒラヒラと黄色い蝶々が目の前を飛んで行く。
どこまでいくのだろう、と見ていると、池のほとりに咲いたチューリップのような赤い花に止まる。
そして。
パクっ。
「え゛。蝶々が花を食べた。」
普通食べるなら、花が蝶々をじゃないの?
異世界面白いな。
花をよく見ようと池のほとりまで近づいたとき。
「ちょっと?」
声がして、振り返ると三人のお姉さんがいた。
髪が赤茶色のゆるふわと抹茶色のストレートと芥子色のパッツン前髪がいた。
三人とも発育がよろしいようで。
そう言えば、レティシアもそうだよな。なんてのんきに考えていたら。
「そいっ。」
抹茶ストレートに突き飛ばされた。
驚くひまもなく、私は池に一直線。
ドボン、ブクブク、である。
とにかく、服が水を吸って動きづらいと、はいていた靴を脱ぎつつ、上着も脱ぎ捨てる。
スカートもホックを外して脱ぐ。ついでにネクタイも。
水泳の授業の着衣泳、真面目にやっといて良かった。
しかも、これが川とか海みたいに流れがあったら、慌てただろうが、流れがなくて良かった。
「ぷはっ。」
私が水面から顔を出すと、三人が「え?」って顔で見てくる。
その顔が私が泳げると知ったときの、体育教師と同じ顔だった。
あれは、水泳大会のとき。
授業である程度泳げることは知っていただろう。
しかし、メンバーの関係でリレーの選手なったのを、なんとなく心配そうな顔で見ていた。
その「心配」は、どこにかかっていたのかは知らないけど。
で、私は飛び込みもターンも決めて泳ぎ切ったのだ。
その時の担任の顔にそっくりだ。
そして担任が一言。
「泳げたんですね……」と。
私はスイミングに通っていたから、一通り出来るのだ。
小学校も水泳部だったし。
逆に何故、泳げないかもと思った子をリレーの選手にしたのかがわからない。
岸まで泳いで三人を見上げる。
「私だから良かったけど、他にやるなら気を付けたほうがいいですよ。」
「は?」
「だって、お姉さん方みたいなドレスだったら、水を吸ったら大変だよ。絶対に溺れてるし、流れがあっても大変ですよ。それに、私が泳げる人だったから良かったけど、泳げるかどうかわかんない人を突き落としたら、死んじゃうかもよ。最初に調べてからすべきです。」
こっちに来て、誰にも「泳げる」といった覚えはないため、知らないでしょ。
「確認は大事ですからね。」
続きます~。




