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一回やってみればいい

 ノアとウォルターは、絶賛説教タイム中。

 何とか説教タイムを逃れた私は、リアムに話しかける。


「水晶が手に入ったけど、どうやって使うのか知ってるの?」

「まだそこまでは……」


 そうなんだ。

 お札とか玉串とかで払う感じ?

 九字なら斬れるよ。


 話していると扉の向こうがにわかに騒がしくなる。


「失礼します!!」


 飛び込んできた人が慌ただしく口を開く。


「聖女様が見つかりました。」


 説教タイムは一時中断。


「どこで?」

「北の森です。」


 うぇ、またあそこ行くの?


 しかし、そうも言っていられないのはわかっているので、手近にあったショルダーバッグに水晶をしまい、出発の準備をする。


 二回目の北の森への旅路は、慣れと緊急事態ということであっという間に到着した。


 そのまま森へ入り、洞窟のあるところまで移動をすると、第一ね方々五人に囲まれる凛の姿があった。


 膠着状態かと思われたが、私の姿を見た凛が大声をだす。


「また私に殺されに来たの?懲りない奴ね。」

「まだ、死んだことはありませんが?」

「そういうことじゃないわよ!」


 じゃあどういうことだよ。


「とにかく!私はあんたが大嫌いなの!!私はあんたみたいに強くないの。私の気持ちも知らないで!!」


 あぁ、そうですか。


 私はみんなの間を縫って、凛の前まででる。

 そして、思い切り凛の頬をひっぱたいた。


 パン、と乾いた音が響く。


 ……はじめて頬をひっぱたいたけど、手がじんじんする。


「私はあなたの気持ちなんてわからないよ。何もいわれず相手の気持ちがわかるなんて、それはエスパーだろ。」


 凛がなにかを言おうとするがそれより先に続きを話す。


「察しろって?じゃあさ、私の気持ちもわかるわけ?家族からも学校でも学年中から無視されて、やってもないことの罪を着せられて悪口いわれたり、説教されたりする人の気持ち。周りはみんな敵だらけ。死にたいってリスカするけど服の袖が短くなるからって期間限定でしかすることの出来ない奴の気持ち。存在してるだけで貶されるけど、そこから逃げ出すことも出来ない弱虫な奴の気持ち。」


 感情ののらない声で淡々と話していく。

 頬を押さえた凛が泣きそうな顔でこちらを見ている。


 なんであんたがそんな顔するの?


「泣いても問題は解決されないの。誰かが何とかしてくれるって思ってるやつに、誰も助けてくれない奴の気持ちなんて想像も出来ないでしょ?誰が強いって?勝手に思い込んで、八つ当たりするのやめてくれる?強くなりたい?だったら一回みんなから嫌われてみたら?」

「…なんか、ごめんなさい。」


 簡単に、謝るなよ。

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