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降りかかる火の粉

「鏡くんがっ、相手を大怪我、させたって。そんなこと、出来る人じゃ、ないからっ。もしかしたらっ、愛奈たちがおってる、黒い、人のせいじゃないかって。」

「ふーん。で?」

「えっ、だから、あいつのせいじゃ、ないかって……」

「それは、鏡さん本人から?」

「違う。鏡くんは、ショックで倒れちゃったから。話は聞けてないけど。」

「だったらさ、原因はまだわかんないんだよね?」

「でも、鏡くんが、そんなことするなんて信じられない!!」

「そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれないじゃん。」

「は?意味、わかんない。」

「だから、魔法使いのせいかもしれないけど、違うかもしれないでしょ?」


 例えば。

 対人どころか魔物を狩るのすら、ビビっている人に向かって周りがどう思うか。

 その結果、向けられる眼や言葉はどうなるのか。

 それを聞いて、本人はどう思うのか。

 そんな日々を過ごしていたら、もしかしたら弾みで手が出てしまうかもしれない。


 可能性の話をすれば、そういう原因だって考えられる。

 もしかしたら、私たちが知らない何かの原因だってあるかもしれない。


 誰かのせいにするのは簡単だし、誰かのせいだって思った方が気が楽だから、ついつい誰かのせいにしたくなるけど。


「鏡くんが悪いっていうの?!」

「そうはいってない。ただ、まだわからないっていうだけで。」

「言ってるじゃない!!もいいいわ!!貴女に期待をした私がバカだったわ!!」


 凛は、そう叫ぶと来たときと同じようにバタバタと走り去っていった。

 泣きながら。


 ……。


 何がしたかったんだ?


 首をかしげながら、ノアの方を見ると、なんとも微妙な顔をしている。


「うーん。たぶんだけど、慰めてほしかったんじゃない?話を聞いて共感してほしかったんだよ。『そうかもしれないね。調べてみるね』って。」

「似たような事は言ったよ?原因はわからないって。」

「そうだね。」

「調べるって言う前に帰っちゃったし。」

「……そうだね。」


 うん?


「アイナちゃんってさ、安請け合いとかしないでしょ。不正確なことは言いたくないって言うか、変なところで堅実っていうか。」


 まぁ、確かにそうかもしれない。

 思ってないことを「そうだね、わかるよ。」なんて神妙な顔をして言えない。


 そういえば、こんなこともあった。

 小学校が別で中学で同じクラスになった子(A)に私と同じ小学校だった子(B)の連絡先を知りたいと言われたときに、すぐに答えなかった。


 まず、BにAが連絡先を知りたがっていることを伝え、了承を得てから伝えたのだ。


 両方から「そんなこと一々聞かなくてもよくない?」「ノリが違う」と言われたけど、私には大切なプロセスだったのだ。


 だって、もしかしたら、知られたくないと思っているかも知れないじゃないか。

 もし、何かあったときにあいつが勝手に教えたって言われるかもしれない。


 後からなにを言われるかわからないのだ。

 急に罪を着せられる可能性だってある。


 めんどくさいと言うなら、自分達でやり取りすればいい。


 降りかかる火の粉は払わねばならぬのだ。

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