【閑話】噂をするとなんとやら
読んでも読まなくても本編には一切関係ありません。苦手な方はスルーしてください。
「お嬢が怖いものってなんすか?」
ある日、昼休憩に突然ウォルターが質問してきた。
「怖いもの?」
今日のメニューは、パンとコーンスープ、フルーツポンチだ。
パンを食べる手を止めて聞き返す。
「ほら、幽霊とか暗いところがダメとか、いろいろ人によって怖いものって違うじゃないっすか。」
「そういう、ウォルターは、ないの?怖いもの。」
「俺っすか?うーん。あっ、怒った分隊長が怖いっす。」
あー。それは、激しく同意。
「怒られるようなことをしなきゃいい話だろ。」
ウォルターの隣で聞いていたリアムが突っ込んでくる。
「じゃあ、リアムはなにが怖いわけ?」
「俺は……そうだな。向こう見ずなやつがいろいろとやらかすこと、かな。」
「ふーん。」
向こう見ずなやつ。いろいろとやらかす?
……じっと私を見ているリアム。
「もしかして私?」
「他に誰がいる?」
「ウォルター?」
「ウォルターは……予想がつくから。」
なるほど。わからん。
「で、怖いものは?」
「どうだろう?」
例えば、教室に入った瞬間に、お前今日も懲りずにまたきたの?みたいな視線が一斉に私に向けられること。
例えば、席はずしたあとに言われている悪口。
例えば、持ち物が溝に棄てられたり、盗まれたりする、作った作品が壊されたときに呼び出される職員室。
……。
「いろいろあるけど、『怖い』って難しいよね。『嫌い』とか『苦手』のが出てくるような気がする。」
へんな空気になる前に、話題を変えよう。
「例えば?」
「例えば……豆が苦手。」
「「豆 (っすか)??」」
「うん。豆。料理に使われる、豆。」
「なんですか?」
「うーん。正月……めでたい席ででた、黒豆を食べて吐いたのがトラウマで……辛くしてあろうが、甘くしてあろうがダメなんだ。」
「へー。嫌いな食べ物。リアムは、嫌いな食べ物ある?」
「俺はよっぽどないかな。」
「俺はとんでもなく辛いのは苦手っす。」
「へー。」
まぁ、他には?って聞かれれば、紅茶もだし、漬物も嫌いだし、大好きな辛子明太子に火をいれた瞬間に嫌いになるけどね。
これを言ったら、また食べてみたい勢が押し掛けてくると大変だから言わないよ。
「挙げ出せば、たくさん出てくるような気がする。」
「食べ物以外は?」
「明らかにノリの違う人。」
「「ぶふっ。」」
あら、同じ人を思い浮かべてた?
「なになに?なんだか楽しそうだね。僕も仲間にいれてよ。」
会話に入ってきたのはノアで、今この瞬間、思い浮かべていた人で……
明らかに挙動不審になるウォルター。
あぁ、だめだ。わかりやすすぎて切り抜けれない気がする……
お付き合いいただき、ありがとうございました。




