表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/113

想像は越えられない

 合流したアレンたちと話を合わせると「魔法つかいのせいだろう」ということで落ち着いた。

 それならば仕方がないと私は思ったが、はたから見るとそうではないらしく、心配されている。


 まぁ、確かに言うなれば、『誘拐』だからな。

 前回の不法侵入とかと合わせるとだいぶ不審者度が上がっている。


 雪も落ち着いたし、宿へ戻ろうと出発する。


 私は歩きながら考える。


『もし、身近な他人が行方不明になった(死んだ)ら私はどう思うのだろうか。』


 第二騎士団の気心の知れた人たち(アレン班レティシア班)とかは、たぶん取り乱すだろうなぁ。

 あと食堂の面々とか。


 だって、オリバーが怪我したとき、予想以上に取り乱したし。


 じゃあ、一緒にこっちに来たメンバーは?

 男二人は、接点ないから何とも思わないだろうな。

 凛は……最近ちょくちょく交流してたから、悲しいって思うのか?


 一方、向こうの世界の人たちはどうだろうか。

 家族はやっぱり、それなりの情があるから、悲しいと思うだろう。

 しかし、取り乱したり、大泣きするのか?

 ……しない気がする。人並みに涙を流して終わりだと思う。


 学校の連中なんて雰囲気でも泣けない。

 悲しいふりすらしないだろう。


 ものごころついてから今まで、身近な人の死を経験していない私の想像力は、たかがしれている。

 人の死なんて、それも身近な人だなんて、経験したことないと、いくら考えても答えは私の中にない。


 いじめられたことのない人が、いじめられている人の気持ちが想像できないのと同じように。


 そして想像は経験を越えられないのだ。



 ふと、周りが静かだなと顔をあげると。


「あれ?」


 誰もいない。しかも、結構な量の雪が降ってきている。


「まさかっ!!」


 キョロキョロと辺りを見回すが見渡す限り、雪と森。


 迷子?私、迷子?

 やべぇ。考え事に集中しすぎた?


 これ以上この場から動かない方がいいだろう。とりあえず、吹雪いてないでよかった。


 しかし、雪なれしていない私がいくら強がったところで、なんの対策もしていないのだ。大丈夫なわけがない。


「助けを求めた方がいいのか?大声で?助けてー。って?」


 疲れるだけなのでは?

 この状況で「はーい。」なんて返事が来るのか?


「うーん……」


 悩んでいると前から誰かが歩いてくる足音がする。


 誰だ……?なんか、重たそうな足音だな。


 影が見えてくる。


 ……でかいな。ついでに言うと、赤い瞳がキラキラと……


 あれ?最近こんなやつ見たな……


「うぉーーーーーー!!」


 うぉーーーーーーい!!


 目の前に現れたのは雪グマだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ