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素敵な何かって、なに?

「なぜ?」


 ん?なにが?


「なぜ笑っていられる?」

「そんなの……なんだろう?」


 この質問言葉にするの難しいな。


「価値観の違い的な?」


 私的にはよっぽどか、「心配してたの」と言われる夢を見て、帰れないとかのが傷ついたのかもしれない。

 でも、いくら想像してもそんな姿は思い浮かばなかった。


 だから、予想通り過ぎて、笑いしかでない。

 その予想が他人から見て、かわいそうな事柄でも、私にとってはとるに足らないことと言うか、衝撃が少ないと言うか……


「だから、それほど悲しくはないかなぁ。」


 私の返事に衝撃を受けている魔法つかいさん。


 たぶん、私は魔法つかいにとって、それほど面白い人間ではなくなったのであろう。


 悲しみの押し売りをされてもねぇ。


 魔法つかいは、私がそれほど負の感情がないことがわかると、ゆらゆらと煙になって消えてしまった。


 足元の黒い玉が粉々になって、さらさら~と消えていった。


 全く、なんだったんだ。

 まぁ、私のことなんて忘れてみんなでお手て繋いで、仲良しこよしで生活していてくれればいいや。


 その方が私はあっちを気にしなくていいし。

 ……もう、帰らないんだから。



 で、なぜ私はここにいる?

 梅干しの種みたいなリューンの実を食べて、寝てしまったところまでは覚えているのだが。


 うーん。とりあえず外にでるか。


 洞窟からでようとすると、外から誰かが走りながら入ってきた。


「うわっ。」

「あっ。」


 出会い頭の衝突事故。

 突き飛ばされる形で転びそうになる。


 尻餅をつくかと思ったが、腕を掴まれ何とか踏み留まる。


「すみません。」

「こちらこそって……お嬢!!」

「なんだウォルターか。」

「なんだじゃないっす!!急にいなくなるから、心配したったすよ。」

「私だって、なんでここにいるのかわかんないんですが?」


 言い争っていると、リアムがやってきた。


「あ、リアムがきた。」

「……」

「どうした?」

「なんで、そんなわざとらしい笑顔?」

「なにが?」


 さっきまでと同じように私の唇は緩く弧を描いていた。


「そんな、目の奥が笑ってない笑顔を見せられるなら、いつもの無表情かつまらなそうな顔のがいい。」


 そして、問答無用でデコピンをされる。


 いたい。


「通り魔的にデコピンするのやめろ。」


 せっかく笑みを張り付けていたのに、台無しじゃないか。

 おでこを擦りながら、抗議をする。


「そっちの方がお前らしいぞ。無理して笑うこともないだろう。」

「そう?」

「そうっすよ!」


 意味がわからん。

 ウォルターは、わざとらしい神妙な顔で頷くのやめろ。


 女の子は、笑っていればいいと言うでしょ?


 それに砂糖とスパイスと、素敵な何かで出来てるらしいから。


 きっと私は、違うだろうけど。


 笑ったのに笑うななんて、なんて理不尽なんだ。

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