怖いもの
でも、世の中には、お金を出して恐怖を味わうアトラクションがある。
利用料が入り、潰れないのであれば、所謂普通じゃない人がそれだけの数がいるということではないのだろうか。
世の中の『普通』にあわせていくのはなかなか厳しいことも知っているし、自分が合わせていくキャラじゃない事も分かっているからいいけどさ。
「熊、あんなんになったんですね。」
「あ、すみません。驚きましたよね。」
「こいつ、全然平気でしたよ。」
こら、ばらすんじゃない。
「「「……」」」
「まぁ、悲鳴もなく落ちていったから、ある程度予想はしていたが……」
なんか、すみません。
「さて、これからどうする?」
ノアの言葉で気づいた。
上に戻るなら、ロッククライミングするの?
「まずは、ここら辺を見て回ることにしよう。」
よかった。ロッククライミングも一般教養だったらどうしようかと思ったよ。
改めて周りをキョロキョロと見渡すと、少し離れた所に洞窟があることに気づいた。
「あ、洞窟発見。」
「ほんとっすね。」
「行ってみる?」
「嫌です。」
「「「「え?」」」」
「まさか、暗いところが……違うな。」
「お化けとか……違うっすね。」
そうだねぇ、暗いとこもお化けも大丈夫だよ。
「だって、虫出るのやだし。」
「散々こんだけ言っといて、虫嫌いなの?」
「好きではないですね。クモの巣が頭に付くのとかやじゃないですか?」
「しかも、そこ?」
「触れないとか、見るのも嫌だとかではないんですか?」
普通にセミもカブトムシもバッタも、捕まえろと言われれば、カマキリだって触れるよ。
「それ、嫌いって言わないっすよね。」
「嫌いとは言ってない。」
「つまり、好き好んで触りはしないけど、別に取り立て嫌いな理由はないのですね。」
「それは、普通ってことだよね。」
「可もなく不可もなく。ただ、服が汚れるのはいやだなーと。」
「……理由が女の子っぽいっす。」
黙れ、ウォルター。
私をなんだと思っているんだ。
「魔法でなんとでもなるけどね。」
「あっ!!そうか。なら大丈夫です。」
「切り替え早っ。」
「それでいいのか?」
いいんじゃない?別に。
「では、洞窟に入ってみましょうか。」
洞窟って、コウモリとかいるのかなぁ。
「なに?コウモリ好きなの?」
「ん?好きでも嫌いでもないです。」
「では、何故急に?」
「いや、コウモリに思い出があるような、ないような?」
「なんすか、それ?」
「聞きたい?たぶん、面白くはないと思うけど。」
「お嬢の面白い基準が良くわからないっすけど、そこまで言われたら気になるっす。」
そこまで言うなら、話してあげるよ。しかたがないなぁ。




