草はえる
運ばれてきたグラタンは、グラタン皿に入っていた。
……はじめてグラタン皿に入っているグラタンを食べるかも。
「いただきます。」
ふーふー、はふはふしながらマカロニを食べる。
……マカロニ、だと思うんだけど、若干違うような気もする。
熱いけど美味しい。
さすがに外が寒かっただけあって、とても美味しく食べられる。
湯気がホカホカなっているのに手をかざしながら、指を暖めることだって出来るぞ。
「暖まるぅ。」
同じようなことを思いながら、ウォルターもはふはふしている。
そしてあっという間に食べ終わってしまった。私以外。
くそぅ。チョイスミスだ。
グラタンが熱すぎてなかなか減らないじゃないか。元々食べるのが遅いのに。
熱さに悪戦苦闘しながら食べ終わる。先程と違ってうっすら汗までかいてしまった。ポンチョ被ってるし。
ふはぁ。美味しかった。
「最近、森が変らしいぞ。」
食べ終わってひと息ついていると、ざわざわと他の人たちの会話を聞き流しているなかで、ふと誰かの声が飛び込んでくる。
ん?森が変?
チラリと振り返ると近くの席で男性二人が話をしていた。
「変ってなんだよ。」
「なんか、ここ以上に寒いんだってよ。雪の量は一緒なのに。」
「へー。異常気象なんじゃねぇの?」
「そうなのかなぁ。でも、雪の量が一緒なのに寒いっておかしくね?しかもなんか普通の寒さじゃなくて、ブルッとするって言うか……ゾクッとする?みたいな話を聞いたぞ。」
「意味わかんねぇ。」
「俺もわかんねぇ。」
もし、これがネットなら「www」みたいに草が生えているとこだろう。
「今のはなし……」
同じように聞き耳を立てていたリアムがボソッと呟く。
「森が変って話?」
「やっぱりなんかあるんじゃないっすか?」
「封印が解けた的な?」
「まぁ、今回の目的の話じゃなくても異変があるなら調べなきゃいけないからねぇ。」
「どっちにしろ誰かが派遣されて、調査しなきゃいけないなら、ハズレでもハズレじゃないですね。」
こそこそと五人で頭を付き合わせて内緒話をする。
黒い魔法つかいが絡んでいても絡んでいなくても、異変があるなら調べに行かない選択肢は取れないらしい。
だったら仕方がない。
調べにいきましょう。
「今日はゆっくり休んで明日に備えましょう。」
部屋に戻って、さっさとシャワーを浴びて、寝る支度をする。
久々の遠出がはじめての馬だったためか、布団の上でごろごろとしていたらいつのまにか寝ていたらしい。
気がつくとすでに次の日だった。




