冒険はしない
やっと町についたと思ったら、自分が思ったより真っ白になっていることに気がついた。
しかも、ふるふるしても雪がとれない。
やっぱりカイロがほしいよぅ。
指先とか冷たくて感覚がなくなり始めてる。
さむいさむい言いながら、宿屋を探す。
やっと見つけた宿屋で部屋を借りることになり、建物の中に入ると自然とため息がでる。
暖かい。
部屋のすみに暖炉があり、ぱちぱちと良い音が聞こえる。
天井のすみに配管が通っていて、どうやら各部屋に温かい空気を送っているらしい。
詳しい原理はわからないがそういうものだといかにもウォルターらしい説明をしてくれた。
隣でリアムが微妙な顔をしていたのは、説明できるけどどうせこいつに言ってもわからんだろうと思われたからなのだろうか。
ウォルターのふんわり説明を聞いていると、部屋がとれたとノアが戻ってきた。
部屋割りは面白くもない2・2・1だった。
私は、一人部屋はわかっていたのだが、ペアが変わるかと思ったが、いつも通りだった。
別になにか期待していた訳じゃないけど。
部屋に荷物を置いたらご飯と言われ、早速部屋に案内される。
ベットがあるだけの部屋だった。
厳密には机と椅子が一つずつ。あと、シャワールーム。
後は棒?
「棒?違うな。木?観葉植物?」
ぶつぶつと呟いて、はっと気づく。
あれだ。コートかけるやつ。
自分の出した答えにウンウンと納得しつつ、ショルダーバッグを椅子においで上着を脱ぐ。
ポンチョとコート、マフラーをかける。
手袋は、机に並べる。
魔法を使えば一発で乾くが、乾燥対策にもなるだろう。
もし乾かなければ、魔法で何とかしよう。
椅子に置いた鞄の中からもう一枚ポンチョを取り出す。例の補修ver.である。
宿屋内をフードもなしにうろうろするのはよくないだろう。
フードをかぶって……
よし。準備ができた。
部屋を出て、鍵を閉めると隣の部屋からリアムたちが出てきた。
「よっ。」
「……そのスタイルなんすね。」
「まあ、そうだね。」
「ここんところ、建物内で被ってなかったから……」
「あぁ、そうね。」
まったく気のない返事を返しながら、アレンたちと合流し、食堂へ。
食堂につき、空いているテーブルに座る。
どうやら、宿屋を利用していない人も使える食堂らしく、結構な人がご飯を食べている。
「なに食べます?」
「えー、何があるの?」
メニューのかかれた紙を見れば、思ったより豊富なメニューが書かれていた。
んー。どれにしようかなぁ。
……。
…………。
「注文?はお決まりですかぁ。」
店員さんが聞きに来た。
みんなが次々と料理を注文していく。
最後までメニューとにらめっこをしていた私の順番がきた。
食べたことないものを頼む気はないし……冒険はしない派なのだ。
「グラタンで。」
「セットですか、単品ですか?」
「単品で。」
店員さんがメモをして帰っていく。
「グラタンだけでいいんすか?」
いや、むしろグラタンのセットの意味がわからない。
よく朝御飯に冷凍グラタン食べたけど、グラタンだけだったよ。
銀銀の皿に入っていて、電子レンジでチンのやつよりオーブントースターで焼くやつのが好きだな。時間かかるけど。
上のパン粉や粉チーズが焦げているのが美味しいよね。




