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【閑話】あの子の笑顔

「あの人」視点です。

アイナが召喚に巻き込まれるちょっと前の話。


読んでも読まなくても本編には一切関係ありません。苦手な方はスルーしてください。

 私は母親失格かもしれない。あの子の考えてることがわからない。

 そう思って私の気持ちは、暗くなる。


 リビングでソファに座りながら考え込む。


 以前はどうだっただろうか?

 幼稚園や低学年の時は、あの子は泣き虫で、なのに強がりで表情のクルクル変わる子だった。

 思ったことと違うと直ぐに怒って、間違いを指摘すると真っ赤な顔で目をそらして。

 おしゃべりも大好きで、聞いてもいないことをペラペラと楽しそうに話したり、ご機嫌なときは歌も歌っていたな。


 何時からだろう?そんな表情を見ていないのは。

 気付いたときには、もう愛想笑いをしていた。

 次に思い浮かぶのは、つまらなそうなあの子の顔と何を考えてるかわからない冷たい目だった。


 何時からだったか、私に似て弱いお姉ちゃんが大変になると、どんどんとあの子が可愛くなくなった。

 私は一人で大丈夫といったオーラを出して笑っていた。

 それが、私をバカにしているように見えた。弱いやつと笑っているように見えた。


 そうなってしまえばあの子を見るたびにイライラがつのっていく。


 あの子は、間が悪い。言ってしまえばその一言だった。


 お姉ちゃんのクラスが学級崩壊していじめられて、付きっきりでフォローしているのにまとわりついてきた。

「私も友達呼んで誕生日会がしたい」とか、「それがだめなら誕生日とクリスマスを別にして」とか。


 見てわからないの?私は今、忙しいのって怒ってた。


 お姉ちゃんが中学でもいじめられて、大変なときに靴がなくなったって言ったり、筆箱を壊されたり。


 迷惑しか感じなかった。


 あと、問題を起こしても、なにも言わないのだ。

 何時だって他人の口から聞いて、驚いて、あの子に聞いて。

 話を聞こうにもまるで感情の乗らない目で見つめてくる。ただただ冷たい目で言い訳もしなければ、謝りもせず私を責めるように見返してくる。


 足を怪我したときだってそう。

 一言、言ってくれればいいのに。可愛くない。


 その度にどんどんとあの子の態度が悪くなり、私も蔑ろな態度で返していた。


 最終的に朝の挨拶もないまま、学校にいき、帰ってきてからも必要最低限しか会話はなかった。


 明日何々がいる、とか、ノートを買うからお金、とか。


 それだって、可愛く言えばいいのに、つまらなそうな顔をして言うのだから腹が立つ。


 今日もあの子に声をかけたら、階段の上から冷たい目で見下ろされた。

 しかも、返事は小さな舌打ち。


 なにがそんなに気にくわないのかがわからない。


 でも、よく考えてみたら、もう五年ぐらいあの子の心からの笑顔を見ていないような気がする……

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