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涙はとどまることを知らない

 涙は全然止まりそうにないため、いっそ無視して話を進めることにする。


 なのに、なぜかアレンがノアと喧嘩を始めるし、ウォルターは私の手を握り、ルーカスは私の頭をなでなでし、レティシアは私に抱きついてくる。

 エドワードは、ソラに「しゃべったね」ってなでなでしてるし、リアムはそれを見てあきれている。


 カオス……


 本当にこいつら、なんなんだ……話が進まない。


「いつもの顔に戻ったな。っても無表情で泣いているのもどうかと思うぞ。」


 突然横から話かけられ見上げれば、オリバーがいた。


「あの時、死にそうな顔してたぞ。」

「団長……すみませんでした。」

「ん?あぁ、気にすんな。さっきも言ったが、勝手に割り込んだんだ。自己責任だし、お前に刺された訳じゃないからな。」


 ここまで言われ、さらに謝罪を重ねるのは失礼だろうか。


「あ、次このことで謝ったら罰則な。」


 ……はい。すみません。


「で、なんであんな死にそうな顔してたんだ?」

「……いつの話でしょう?」

「だから、あの時だよ。」


 そういって怪我をした方の手をひらひらさせる。


「あぁ、えーっと……ダメなやつだなぁと、落ち込んでました。」

「ダメじゃないわよーーー!!」


 抱きつきあきたのか、話にレティシアが入ってきた。


「な、なに?」

「ダメなんかじゃないわ!ほら、言ってごらんなさい。絶対ダメなんかじゃないんだから。」

「酔ってる?」

「酔ってないわ。さっき話きくって言ったでしょ?」


 面倒なやつだな。

 仕方がないので、あの時考えていたことを話す。

 あ、あの人の言葉を思い出したらまた泣けてきた。

 途中涙を拭きながら話した。


 泣きながら説明が終ると全員が静かに私の話を聞いていることに気がついた。


 なにこれ、はずっ。語っちゃったじゃん。


 被っているシーツをずり下げて顔を隠す。


「なに?なに?照れた?照れた!カワイー。」


 うっさい!!

 レティシアの足を蹴っ飛ばす。


 ふざけていたと思ったら急に優しく背中を撫でられる。


「全然ダメなんかじゃないわよ。優しすぎるんだわ。心配しなくてもなるようになるわよ。だいたい、みんな貴女より歳上なんだから自分でなんとかするわよ。」


 ……本当だ。全然思っていなかった。

 自分の始末は自分で、と思っていたのに。確かに私以上に自分の始末は自分でつけられるな。


「そうだよ、そうだよ。もっと甘えなよ~。」


 甘えるってなんだ?


 かわいがってもらおうとして、まとわりついたり物をねだったりすること。

 相手の好意に遠慮なくよりかかる。また、なれ親しんでわがままに振る舞うこと。


 うん。無理だな。出来ない。

 そんなことしたら、恥ずかしすぎて爆発して死んじゃう。


「困ったときに話してくれればいいのではないですか?あとは、直ぐ隠れないで顔を見せてくれれば。」


 そんなことを言いながら、アレンにバサッとシーツをはがされた。


「……」


 ふん。シーツがなくても落ち込めるんだから。


 ガバッと机に伏せる。まだまだ涙はとまらない。


 なのに、優しく背中をポンポンとされていたら、いつのまにか寝落ちしてしまった。

次回、閑話になります。

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