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一人がいいの

 突然、扉が空いてアレンとレティシアが部屋に入ってきた。

 二人の姿を見て、驚いたが直ぐに何とも言えない気持ちになる。


 今起こったことがよく飲み込めていないし、誰かが来てくれたことに安心した。そう思って泣きそうにもなる。

 それと同時に落ち込んでいた気持ちも帰ってきているし、なんだか恥ずかしい気持ちもあり、なにかに対して怒りも感じる。


 自分が今何を感じて何を思っているのかがわからない。


 あーもう、めんどくさい。


 何がなんだかよくわからないので、考えることをやめてもう一度部屋のすみに帰ろうとする。


 すみっこで一人で落ち込むのが、私にはそれがお似合いなんだ。


 しかし、部屋のすみには行かせて貰えなかった。


 腕を掴まれた。


「どこにいくのよ。手を怪我してるじゃない!」

「……」


 無視しようとするのに引っ張ってくる。


「ほっとけるわけないでしょう!!行くわよ!!」


 問答無用で腕を引っ張ってくる、レティシア。

 行きたくない私は、踏ん張るとともに抵抗する。


「……」

「離すわけないでしょ!嫌がられようと嫌われようと離さないし、ほっておかないわ!!」


 いつもふざけた感じで絡んでくるレティシアが怒っている。

 それを見て、私のイライラが膨らんでいく。


「いいの!私のことなんかどーでもいいでしょっ!!……お願いだから、構わないで!!」


 もう、何をしているのかもわからない。何がしたいのかもわからない。

 とにかく早く一人になりたい。


 どうにか抵抗するのに力で勝てるわけもなく、しかも、アレンも一緒に引っ張るため、ずるずると引っ張られていく。


「一人にさせないから。」

「一人にはさせません。」


 アレンとレティシアに同時に宣言をされ、部屋から出される。


 いつだって一人だった私は、慰められる経験だって、人前に引っ張り出される経験だってないのに。


 二人に引っ張られて食堂へ着く。


 もうこうなったら諦めるしかない。

 引っ張られていない反対の手でシーツを胸元でしっかり押さえる。


 この中にいれば大丈夫。

 ここの中にいれば私は一人だから。

 落ち着け、自分。


 ほら、落ち着けば何もかもがどうでもよくなる。


 食堂に着いたってシーツを被っているし、周りを確認することもなく、平坦な気持ちのまま椅子に座らされる。


 ザワザワとしているが、聞く気がないため耳には音が入ってこない。


 ほら、よく教室で周りの子が話していても意識しなきゃただの雑音みたいな感じ。


 足元を見ながら手持ち無沙汰だなぁ、と思いながらふと自分の怪我をした手をみる。

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