自分には厳しく、他人には優しく
はてさて、いったい誰でしょう。
だいたい、私の知り合いに金髪縦ロールなんて……
ん?金髪縦ロール?
いつだったかの出来事に引っ掛かりを覚える単語、金髪縦ロール。
記憶をたどろうにもヒントが少なすぎないか?
こういうときは、関係する言葉を上げていこう。
金髪縦ロールと言えば、THEご令嬢。THEご令嬢と言えば、取り巻きーズ……
あっ。取り巻きーズ!!
「あの時の金髪縦ロール!!」
「はぁ?金髪縦ロールって、……また変なあだ名を……知り合いなのか?」
「いえ、全然。」
オリバーは、なんなこっちゃな顔をしているが、私だって知り合いではないのでよくわからない。
だって、いちゃもんつけられただけだし。
「こういうときってどうすれば?」
私に用があるのかすら分かんないし……
「とりあえず声を掛けてみるか?」
そうなりますよね。
仕方がないので、縦ロールに近寄ってみる。
仲良しでない人と至近距離で話す勇気もなく、ちょっと距離があるが気にしないでほしい。
うしろにオリバーが控えている。
別におっさんが仕切ってくれていいんだけどな。
「あのー、すみません。なにかお困り事ですか?」
「……」
「えーと。なにもないなら私たちは行きますね。」
返事がないなら、サックリ話を切り上げよう。
知らない人にぐいぐい行くほど、神経が図太くない。
さっさと立ち去ろうとするが、やはりうまく行かないもので。
「あの。」
「はい?」
呼び止められてしまった。
「私……貴女にお話が。」
なんでしょう?後なんか前会ったときよりもしおらしくない?
もしかして、私の知る縦ロールさんとは別人ですかね。
ちらり、と縦ロールがオリバーの方をみる。
「あの、ちょっとあちらで。」
そういって私の手を取って引っ張る。
なにその、聞かれたら不味い感じの話。
私が聞いていい話なの?
ちょっと離れたところで縦ロールが立ち止まり、向かい合わせになる。
「あの……」
「はい。」
「私は……隣にいたいのです。」
「はい?」
なんのこっちゃ。全然話が見えない。
「あの方の隣にいるのは私なのです。だから……死んでいただけますか?」
言葉が終わらないうちになにかが視界を掠める。
「なっ。」
慌てて後ろにバッグステップ。
どうやら、縦ロールが切りつけてきたようだ。
距離を取った私に異変を感じたのか、オリバーがこちらに走ってくる。
「おい!!どうした!!」
うまく避けれたからいいものの、危ないじゃないか。
このとき、私は結構暢気に考えていた。
理由も解らず死ぬのはいやだけど、今までの展開だってなんとかなってきたのだから。
今回だってなんとかなるだろう、と。
何て言ったって、相手は素人なんだから、と。




