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原作派

「ほれ、これが原作だ。」


 たどり着いたのは、装丁のしっかりした本が並ぶ棚だった。


 オリバーが棚から引き抜いたのは、ハードカバーで単行本サイズの焦げ茶色の装丁の本だった。

 ほどほどの厚さで読書好きの私からすれば、見慣れたサイズだった。


 ハリポタみたいな厚さで上下巻じゃなくてよかった。

 持って帰るの、重たいし。


「原作は、いろんな話が入っているからちょっと厚めだな。」

「このくらいの厚さなら問題ないです。」


 短編集ならサクサク読める。

 文庫本を数時間で読み終わってしまうのだ。たぶん、直ぐ読めるだろう。


「お前、結構な読書家だったんだな。」

「そんなことはないと思いますが……」


 話ながらペラペラとページをめくり、目的の話を見つける。

 ざっと目を通すと教えてもらった話とそれほど変わらない内容が書かれていた。


「この話ですね。ありがとうございます。助かりました。」

「読むの早いな……まぁ目的のものがあったならよかった。」


 知ってる話だったらそんなに時間かからずに目を通すことができるだろう、普通。

 細かい内容とかはあとでゆっくり読もう。


 私は早速レジに持っていき会計をする。


「ありがとうございました~。」


 会計を済ませて鞄に本をしまい、店を出るとオリバーが待っていてくれた。


「ありがとうございました。」

「おう、まだどこかいくのか?」


 どうしようかなぁ、特に予定があるわけではないし……買った本、読みたいし。


「団長は?戻ります?」

「ん?あぁ。」

「私も帰ります。」


 別に一人でいるのは苦じゃない。

 でなきゃ、クラスの真ん中の自分の席で一人でお弁当なんか食べないだろ。


 しかし、気にしない方だけど、自ら団体行動を乱しにいくほどバカじゃない。


「よかったのか?」

「いいんです。はじめから予定はなかったようなものなので。」


 話がまとまり二人ならんで歩きだす。


 身長差なのか、体力の差なのか、オリバーの歩くスピードが速い。


 街をぬけると、人通りが少なくなってきた。

 あと少しで宿舎がみえてくる。


 てか、ほんとに歩くの速いな。

 気を抜くと置いていかれるなぁ、と思っていると突然オリバーが立ち止まった。


「むぎゅう。」


 私はオリバーに追突した。


 いったいなぁ。なんだよ、急にとまるなよ。


「すみま」

「知り合いか?」


 被せるように尋ねられ、疑問に思いながらオリバーの後ろからずれて正面を確認する。


 そこには、金髪縦ロールのお姉さんが立っていた。


 私には、THE異世界のご令嬢っていう知り合いはいないはずですが?

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