ノリは軽いが……
「お話し中、失礼します。」
ナイスタイミングで入ってきた声に振り返れば、そこにはノアがいた。
ホッとする私を見ると、ノアが笑みを深くする。
「実は、ちょっと前から聞いていたんです。話の腰を折るのもなんだと思い、立ち聞きをしてしまいました。失礼しました。」
綺麗にお辞儀するノアを見て、アイリーンは「大丈夫」と答えている。
私はというと、何時もより外面のよいノアをみて、引いていた。
軽くない。真面目に話してる……
うわー。なんだかいろいろ……一言で言うなら、異世界っぽい、かなぁ。
私が失礼なこととよくわからないことを思っている間に話が終わる。
早くない?
お家同士で話をつけるらしい。さすが、貴族……なのか?
そしてあっという間にアイリーンのお家の人が迎えに来て、挨拶を強調してして帰っていく。
本当に早くない?
ノアにその質問をすれば、
「貴族の醜聞なんてそんなものだよ~。」
と、軽いノリで言われてしまう。
「そんなもんですか?」
「うん。そんなものだよ。」
ふーん。そうなんだ、としか言えない。
それよりも……
「前回の事件といい、噂といい、本当に変な事件だね。」
ちょっと、勝手な考察と言う名の妄想を繰り広げようとこぼした言葉にノアが首を傾げる。
「変な事件?」
「あれ、副長には話してなかったですっけ?」
まぁ、みんなにだって話してないんだけど。
夜会の事件については、他のメンバーは関係者みたいなものなので知っているはずだ。
「戻ったら詳しく話します。」
「えー、二人の秘密でもいいんだよ~。」
「え゛。やです。」
「そんなにはっきり言われると傷付く……」
わざとらしくよろよろするノアに、つい冷たい目を向けてしまう。
「戻りますよ。」
こういうときは、サックリおいていくに限る。
「冗談だってば~。ちょっと待ってよ~。」
誰が待つものか。どうせすぐに追い付かれるんだから。
予想通り、すぐに隣にノアが並ぶ。
「もう、ちょっと待ってって言ったじゃん。」
「たいした用もなくて、直ぐに追い付かれるのがわかっているのに、待てと言われて待つやつがどこにいる……」
「でも、女の子を追いかけるのも楽しいよね☆」
うわー。ないわ。
そんな馬鹿なことを話しているとあっという間に執務室まで帰ってきていた。
「だだいま(~。)(かえりました。)」
「おかえり(なさい。)」
「早速ですが、何かあったんですよね。」
「説明してくださいっす。」
「僕だけ仲間ハズレはやだからね!」
はいはい。わかりましたよ。
まったく、妄想をさせてくれない人たちだなぁ。




