変な事件
「変な事件?」
「そう!変な事件。この前のお茶会に参加したんだけどその時に聞いた話なの。」
お茶会に参加なんて異世界を満喫してるって感じですね。
「でね、でね。その時に聞いたのよ。最近急に刃物を振り回す子がいるんですって。ポケットから刃物を出して刺すらしいのよ。」
ほうほう。なんか身に覚えがある話だな。
でも、それって変な事件なのか?ただの傷害事件なのでは?
「それがね、今までそんなことをしそうにもなかった子が急に刃物を振り回して取り押さえたあとに理由を聞いても前後をよく覚えてないって言うのよ。変な事件でしょ?」
「動機がよくわからないってことか……」
なるほど。
それは変な事件と呼ばれるのかもしれない。
なんだか夜会の時の事件と似てるな。
「それ、もっと詳しく聞いてもいいですか?」
「無理よ。」
「はぁ?」
「だって私、それ以上知らないもの。」
「え。そのお茶会とやらで話したんじゃないの?」
「そんな変な事件があるよ☆って話をしたのは確かだけど、たかがご令嬢の情報網よ。それ以上はなにもなかったのよ。それよりもどこぞの子息が誰かに想いを寄せてるんじゃないかみたいな話の方が多いのよ。」
「ではなぜ、この話を私に?」
「こういう話、好きでしょ?」
まぁ、嫌いではないけど。
「どうせならもう少し詳しい話が欲しかった……」
「私の話、興味でた?」
「出たか出てないかと言われたら出た、かな。」
「やった。……おほん。ってことだから、じゃあね。」
去っていく凜の後ろ姿をみながら、あの人は何がしたかったんだろうかと考える。
よくわからん。
まぁ、いいや。図書室いこっ。
図書室につき、受付に本を渡す。
「ありがとうございました。」
「はい。確かに受けとりました。今日も借りていかれますか?」
「んー。わかりませんが、見てってもいいですか?」
「どうぞ。もし、何か用があったら声をかけてください。」
「はーい。」
カウンターから離れてぶらぶらと本棚に近づく。
そこで誰かが読書コーナーで言い争っている声に気づいた。
「…で……でしょ。……じゃない。」
「い……、そこ……」
「私、……だから。なのに!!」
「だ……ら、ちょっ……落ち着けって。」
「だから、私のことなんてどうでもいいんでしょ?」
「なんでそうなるんだよ。」
近づくにつれて内容が聞き取れるようになってきた。
盗み聞きはいけないとは思いつつ、なんだか不穏な空気を感じてそーっと近づいてみる。
そこには、何処かのご令嬢がいた。ドレスのセンスや髪型からいって落ち着いた印象を受ける。
相手の男性は、第一騎士団の人だった。




