隣を歩いているということ
次の日の朝。
朝御飯を食べようと食堂へ行くとウォルターとリアムがいた。
「……おはよ、ございます。」
ゆるせ、朝はテンションが低いのだ。
「「おはようございます。(っす。)」」
今日の朝御飯はハムエッグらしい。
用意されたご飯を食べようと席につく。
そのタイミングでリアムが口を開く。
「昨日、なにかトラブルはありませんでしたか?」
「んー。私が窓から飛び降りた以外に?」
「まず、それを詳しく教えてほしいっす。」
「いや、トイレに行ったら戸締めを食らっただけだよ。仕方がないから窓からでた。」
「それをされることに心当たりはありますか?」
「あるような?ないような?」
「微妙っすね。」
「世の中、情熱的な人がいるものですね。」
「……何となくわかりました。他には?」
「特にはないけど……」
「よく思い出してくださいっす。」
えー。あと?あぁ!あいつ。
「チャラ男?」
「誰っすか?」
「知らない。」
「勝手にあだ名をつけて呼ばないで説明をしてください。」
「お嬢ってあだ名をつけて呼んでるっすよね。」
そうかなぁ。
似非紳士、おっさん、インテリ眼鏡、チャラ男……あ、結構そうかも。
「で、チャラ男は誰ですか?」
「だから知らない人だってば。ダンスに誘われて返事をしてないのに強引だった人。」
「揉めました?」
「いや、揉めたのはレティ。」
話ながらご飯を食べ終えたので、お皿を下げようとする。
「もういいんすか?」
「うん。」
ウォルターとリアムが複雑な顔でみてくる。
元々、あまり食べる方ではなかったのに、前回寝込んでから余計に食べる量が減ったのだ。
別に生きていく上での最低限があればいいのでは?三食食べるし。と思っているのだが周りからするとそうではないらしい。
だからといって「食べろ!」と言わないのはありがたい。
言われたからと食べられる訳ではないのだ。
片付け終わり、三人で食堂を出て仕事場へ向かう。
「なんか、歩き方変じゃないっすか?」
「……はいたことないハイヒールで踊ったから、筋肉痛なの。」
嘘ではない。ただ、それプラス足首の捻挫があるわけだが……
「他には?」
リアムがじと目で見てくる。
「ないよ。とにかく、私はゆっくり行くから先行っていいよ。」
「別に急いでないから、三人でゆっくりいくっす。」
能天気にウォルターが笑った。
なんだかこそばゆい。基本的に誰も隣を歩いてくれなかったし、逆に歩くだけで悪口のオンパレードだった。
一緒に歩いてくれていても徐々に距離を開けれたり、置いていかれるのが普通だった。
だから、隣をペースを合わせて歩いてくれる人がいるのは、なんだか恥ずかしい。
でも、素直になれない私は「ふーん。」と可愛くないことを行って澄ました顔で歩くのだった。




