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ミュージックオブスパーダ  作者: 桜崎あかり
ランカー登録編
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第1話:ミュージックオブスパーダ

挿絵(By みてみん)



 AR、それは拡張現実とも呼ばれる技術である。


 その技術を利用し、さまざまなARゲームを生み出た日本は、気が付くとARゲームでトップシェアとなっていた。


 ここ最近ではソーシャルゲームがメインだっただけに、この展開を読めなかったというユーザーも多いだろう。


 その中で、異色とも言えるARゲームが存在している。


【あれはハンティングゲームだ】


 このようなつぶやきを目撃するユーザーも多いだろう。実際、AR技術を利用したハンティングゲームは好評稼働中だ。


 しかし、このARゲームは特定の場所でしか体験出来ない。それが、ネット上の口コミ等で広まり、現在のブームにつながっていると思われる。


 その場所の名は「遊戯都市奏歌」(ゆうぎとし・そうか)。AR特区として経済特区となった埼玉県草加市の一部エリア。


 そこでロケテストが行われているARゲーム、その名を『ミュージックオブスパーダ』という。


【ダンス系の体感型音楽ゲームは昔から存在していた。あの形式もアリだと思う】


 ゲームのタイトルにミュージックとある通り、このゲームで重要になってくるのはリズム感である。


【何故、ハンティングゲームと音楽ゲームを融合させたのか?】


 このつぶやきに関して言えば、正論なのは間違いない。それ位、誰もが考えても実行しなかった物だったからだ。


 過去に音楽ゲームとガンシューティングを融合させた作品、ダンスの振り付けに合わせて踊ると言った音楽ゲームはあったのだが……。



 しかし、この作品はロケテスト時の評判を受け、予想以上のヒットを飛ばす作品になる。それに関して、誰も予想出来る人物はいなかった。


 同じ業界内でも『計算外』というコメントが飛び出す位には内容に関しては売れないと思った人物が多いのだろう。


『音楽ゲーム自体が飽和状態であり、アクション要素を取り入れた位で売れるとは思えない』


『この手のパターンは音楽ゲーム以外でも複数存在している。奇抜を思わせ、アピールしているのかもしれないだろう』


 その他にも色々と意見はあったが、その半数以上が否定的意見だった。


 それを受けて、まとめサイト等ではネガティブな記事のクローンが次々と生み出され、アフィリエイトで儲けようとするまとめサイト管理人もいた位である。


 一方で、音楽業界は相変わらずの超有名アイドルバブルに沸いており、今回の音楽ゲームに関してはノーマーク。まとめサイトの記事を真に受けたという説もあるが……。


 複数の芸能事務所はマスコミを含めた大半以上のメディアを抱え込み、無尽蔵とも言える資金力でマインドコントロール的な商法を続けている……と考えているのはごく少数。


 しかし、不要なコンテンツを切り捨て、自分達の宣伝の為の捨て駒にすることは日常茶飯事。この世界でも同じことは繰り返されていた。


 こうしたコンテンツ業界に対する懸念を記したとされるアカシックレコード、その存在を知っている勢力は非常に少なく、ARゲームに関してスルーをした事を含め、芸能事務所側にとって仇になるとは……。



 ロケテストからしばらく経過した西暦2018年3月末、遂にそのゲームがお目見えすると言う事で大勢のキャラリーが事実を確かめようと動いていた。


「これが、次世代の音楽ゲーム……」


 一連のタイムラインを見ていた人物、彼は何処かのエリアへと移動する。背広姿で170近い身長の男性、彼が実はアーティストである事は周囲も気づかなかった。


 彼の名は山口飛龍やまぐち・ひりゅう、先日の新人コンテストにグランプリとして選ばれたばかりの為か、知名度的な部分でも気づかないのは仕方がないのかもしれない。


 到着した場所、そこではコンビニや電機店、さまざまなショッピングモールが点在する。その一角にある空間、それがARゲームエリアである。


「ミュージックオブスパーダ……」


 ポップや立て看板にも説明は書かれているが、それでも彼にとっては異質のゲームである事は間違いない。


【現在、先行稼働に向けて準備中】


 しかし、この記述を入り口付近で見つけた山口は、今日に限って言えば引き返す事にした。一部のギャラリーも帰って行くのだが、他のARゲームをプレイするプレイヤーに関しては残っているようだ。


###


 西暦2018年4月1日、今日も草加市の特定エリアでは混雑とも言える現象が起きていた。


 他のARゲームを扱っている場所では満席とまではいかないが、ここまでの混雑はしていない。一部エリアの機種だけが異常とも言える。


 しかし、そこで稼働している機種を見て、納得をするギャラリーもいるようだ。


 そのゲームのタイトルは『ミュージックオブスパーダ』、リズムハンティングアクションというジャンルが明記されているが、そのようなジャンルは一般的なゲームに存在しない。


「無理にジャンルを説明しようとすれば、音楽ゲームと狩りゲーを組み合わせた物である。しかし、そのビジュアルは狩りゲーよりも音楽ゲーム側に偏っている……?」


 山口はつぶやきのタイムライン以外にも、まとめサイトの方を確認していたのだが、その内容を見て頭を痛めそうになった。それ位に内容が想像を超えているのは間違いない。


【予想通りの混雑具合だ。昼前に到着して、この状況と言う事は……】


【他のエリアも同じだろう。徹夜での行列が禁止されている以上、午前10時ギリギリのタイミングで並ばないといけない】


【プレイ料金が100円って、元が取れているのか心配だ】


【他のARゲームも100円で設定されているな。200円の機種もあるが、格ゲーが多い】


【格ゲーの場合は、ARゲームでやるとリアルファイトにも近い。保険として100円を追加しているのかもしれないだろう】


【格ゲーの場合はリアルファイト的な部分で人気があるのだが、音楽ゲームは下手をすると――】


【晒し台になると言うのか? あるいは、カラオケ番組で鐘一つで終わるみたいな】


【鐘一つで終わりはしないが、1曲はプレイ保証があるらしい】


 つぶやきサイトでは、このようなつぶやきが目撃されている。これだけの注目を浴びているゲームとは、一体何なのか?


「ただいま、30分待ちとなっています!」


 インカムを装着した男性スタッフが声掛けをしているが、何の行列だろうか?


 長蛇の列と言っても100人とか1000人と言うレベルではなく、50人辺りだ。それでも、予約必須と言う訳ではないが、今日プレイできる保証はない。


「この時間で並んでもプレイできる保証はありませんが――」


 ゲーセンでプレイしているようなゲームであれば、ゲーセン側の入場制限が入るだろう。しかし、これは屋外アトラクション的な要素が大きいように思える。


 そう言った部分を踏まえ、プレイできる保証はないというアナウンスなのかもしれない。雨が降ってくればプレイできなくなる可能性があるとでもいうのか?


「仕方がない。今回は諦めるか」


 次第に並ぶ客も増えた為、山口は引き上げる事になった。他の場所へ行けば、プレイできるかもしれないが……分散している場所を踏まえると、長距離移動は避けられない。


 中にはアンテナショップで購入出来るガジェットを見て回る、別のARゲーム用のガジェットも売っているのでそちらを買って帰ると言う客も存在する程。


 ARゲーム自体は色々なジャンルが存在し、場所によっては置かれていない種類もある。この場所では、

 

### 



 しかし、様子を見る位ならば問題はないだろうと彼は考え、列が構成されている場所とは別の所にあるセンターモニターで様子を見る事にした。


 センターモニターには複数のプレイヤーが試合の様子を見ている。画面に映し出されているのは、現在マッチングが行われているステージのようだ。


「一人だけスコアが……?」


 ミュージックオブスパーダは4人対戦と言う訳ではなく、いわゆる協力プレイと呼ばれる形式をとっている。


 しかし、他のプレイヤーとのスコアに大差が出ていた事に対して、何か不審な点があるのではないか……と思い始めた。


 単純に雑魚を撃破しまくっているだけであれば、問題はないのかもしれない。しかし、それを仮に踏まえても2位とのスコア差が100万点以上引き離されているのは……ゲーム的にも異常と言える。


 バグや仕様の穴を突くようなプレイでも、ここまでのスコアは出ない。以前、ロケテストの時にスコアバグも確認されたが、せいぜい5万点の差が出るか出ないか。


「あのスコアだけ、異常な数値を出しているのは……」


 そして、彼はスタッフの一人に声をかけて事情を説明する。その後、スタッフは何処かへとメールを送って報告をしているようだったが、やはり異常があったとみるべきか。


「見覚えのある人物が……?」


 その様子を遠くから見ていたのは、身長160センチ位の黒髪セミロングの女性だった。彼女の服装は露出が高い物ではないのだが、ARゲーム用のインナースーツと言う訳でもない。


「そう言う事か」


 1人だけ異常なスコアを出していた状況、それを不審だと彼は言及したのだろう。そして、その理由を彼女は知っていた。


 感情をむき出しにはしないが、どう考えてもあのプレイヤーがやっている事は、人としても許せるような範囲を超えている。


「通してもらうぞ! あのプレイヤーには外部ツールを使用したチートの疑いがある」


 彼女はスタッフにある物を見せ、ゲームへの乱入を許可するように指示を出しているように見えた。


 それから数分後、彼女の乱入申請は受理され、該当フィールドへの乱入は許可された。その後、彼女は目の前の開いたゲートからフィールドへと突入する。



 該当するフィールド、そこには4人の男性プレイヤーがARによって投影されたモンスターと戦っている。


 モンスターと言うには何か違うようなデザインをしているが……プレイヤーにとってはモンスターと言う認識なのだろう。


 モンスターは大型1体だけを残して、全てを撃破済。ボスさえ倒せばクリアと言う訳ではないのだが、雑魚モンスターは1人の人物が90%以上を撃破してしまったという現実だ。


「この様子ならば、余裕で勝てるな」


 ガトリングを乱射する男性プレイヤー、彼だけが異常にスコアが高い事は周囲も疑問を持っている。しかし、それでも口に出さないのは言及する余裕がない。


 雑魚モンスターを掃討したガトリングの銃弾、それは明らかにガトリングとは違っていた。あの弾道はホーミングミサイルのソレである。


 これに気付いたライバルプレイヤーはいないのだが、ガトリングの弾道とは明らかに違うという箇所だけは把握している……と言った所だろう。


「こちらはリズムを上手く刻むだけでも手一杯なのに」


 ロングソードを振り回す別のプレイヤーは、世間一般に言われているハンティングゲームとの違いに慣れない状態である。


 近接系に該当するソードではリズムを刻むのには不向きである一方、攻撃力は銃系より上となっている……はずだった。


「何かトリックでも使っているのか?」


 スピアで周囲の雑魚を蹴散らすプレイヤーも、ガトリングのプレイヤーに関して疑問を持つ。


 彼が武器的に広範囲をフォロー可能な物を使用している事を踏まえても、スコアの上昇具合が異常である事の説明にはならない。


 攻撃力が低い銃系は手数で近接系を圧倒するタイプなのに、攻撃力も近接系以上に設定されているように思えたからだ。


「そんな、馬鹿な――」


 ハンドガンを使用していたプレイヤーが消滅する。どうやら、HPが0になった事による物のようだ。


 しかし、ミュージックオブスパーダではHPが0になった『だけ』ではゲームオーバーにはならない。


「ライバルが減ったと思ったら、別の場所に出現したのか」


 ガトリングのプレイヤーがライバルが消えた事に対し、チャンスと考えていたのだが……別の場所でリスポーンした事に舌打ちをする。


 このゲームでは、HPではなく演奏の際に上昇するミュージックゲージの方が重要視されている。リスポーンによってゲージは減少するのは間違いないが……減少量は些細なものだ。


 しかし、このプレイヤーはその後のプレイでスコアを伸ばせず、演奏失敗扱いでゲームオーバーとなった。


「エキストラステージに進むのは、残った3人と言う事か」


 ランスのプレイヤーはスコアには納得しない一方で、エキストラステージに進める事に対しては大きいと考える。


 エキストラステージでは、入手出来る素材やアイテムのレアリティも上昇し、対象となるモンスターによっては新規楽曲を解禁出来るのも大きいからだ。


 

 現在残っている3人はエキストラステージとも言える3曲目へ突入する。この設定は場所によっては異なるが、ここでは2曲目で一定のスコアに到達する事で突入できるらしい。


 基本設定は2曲のみなのだが、2曲+エキストラステージの1曲と言う設定が混雑の理由と言う可能性もあった。


「別人の乱入があるのか……」


 ロングソードのプレイヤーが、バイザーに表示されたメッセージを見て何かを感じているようだ。


「乱入があったとしても、こちらには影響がない。向こうは1曲目扱いになるだろうが……」


 ガトリングガンのプレイヤーは、乱入はお構いなしで楽曲の選択をしている。


 しかし、楽曲を選ぼうと画面をスクロールさせようとした矢先、画面に表示されたのは予想外のメッセージだった。


《乱入プレイヤーは既に楽曲を選択済です》


 これを見たプレイヤーたちは驚きの表情をするのだが、それ以上に焦っていたのはガトリングガンのプレイヤーだった。


 彼の使用しているガトリングガンではなく、インストールされているプログラムにはスコアの倍率を変更し、自分だけが大幅にスコアが上昇するアプリが入っていた。


「どういう事だ……」


 ガトリングガンのプレイヤーは、この状況を理解できずにいる。ミュージックオブスパーダの楽曲選択権利はプレイヤー側が持つ。


 ランダム選曲と言った手段を使用しない限りは、基本的に楽曲名が非表示になるはずがない。今回のケースは、イレギュラーと言える。


「こっちに曲タイトルが表示されないのは……」


 余談だが、ロングソードとランスのプレイヤーには楽曲名が見えている。曲名が表示されないのは、ガトリングガンのプレイヤーだけなのだ。


「察しが良くて助かる――と言うべきかな? 外部ツールはARゲームで使う事を禁止されているのは知っているだろう」


 ガトリングガンのプレイヤーの前に姿を見せたのは、大和だった。しかし、彼にとっては無名のプレイヤーが乱入したかのような感覚しかない。


「外部ツールだと? ブラウザゲームやMMORPGでは問題視されているが……ARゲームでは問題ないのではないか?」


 こうまで発言されると、ある意味でも開き直りである。その発言に対し、大和は呆れるしかなかった。


「イースポーツって知ってる?」


「最近になってFPSや格闘ゲームに広まっているアレか。音楽ゲームには無縁だろうな。版権曲を使っている限りは――」


「イースポーツでチートを使う意味――分かるかしら?」


 次の瞬間、大和の姿は目の前になかった。一体、何処に消えたのか。ガトリングガンのプレイヤーが周囲を見回している内に楽曲は流れており、出遅れた事を意味している。


「あの人物、もしかすると……」


 ロングソードの人物は、大和の正体に関してある程度は察している。ランスの人物も同様だろう。下手に敵として対抗すれば、どのような末路をたどるのか……2人には分かっていた。



 エキストラステージ、流れた楽曲は別の意味でも驚きの声を出す程の物だった。


「この曲は隠し曲ではないが……」


「隠し曲と言うよりは、解禁曲だろうな」


 ロングソード、ランスのプレイヤーはお互いに楽曲に聞き覚えがあった。しかし、ガトリングのプレイヤーは様子的にもした内と言うべきか。


 トランス風にアレンジされた楽曲、それはクラシックでも有名なカンパネラと呼ばれる曲である。その曲はフィギュアスケートにも採用されたあの曲……とも言われているが。


「この曲……そう言う事か」


 楽曲に聞き覚えがあった山口は、彼女の正体が何者であるのか察していた。おそらく、彼女はチートの存在を許さない反チートの人物である、と。


 曲が流れ、わずか10秒弱の出来事である。大和が何もない空間から展開したガジェット、それはガントレットである。


 ガントレットは、複数のパイルにリボルバーを思わせるようなリングと言ったデザインなのに、その大きさは籠手より一回り大きい程度。


 パイルに関してはビームの様な粒子でできており、これが仮に相手プレイヤーに刺さったとしても大怪我をする事はない。


 大怪我をしない理由……それはあくまでもARガジェットはゲームの中で完結した物であり、そのもめ事などを外部へ持ち出す事は禁止しているのも特徴だろう。


 大和のスピードを目で追えないガトリングのプレイヤーは周囲に向けてガトリングを乱射する。しかし、その弾丸が大和に命中する事はなかった。


「ARゲームは、未来のイースポーツ競技に認められるかもしれない存在。それを一部ユーザーのチートで台無しにされる事は――認めたくない!」


 相手プレイヤーが気づいた頃には、大和はガトリングをガントレットで掴み、そこから放たれた衝撃波でチートツールを粉砕していたのである。


「イースポーツ……貴様も芸能事務所のように金が目当てと言う――」


 ガトリングガンのプレイヤーは消滅したのだが、彼は何かを言い残そうとしていたようだ。おそらく、大和に対して反論があるようでもある。


「イースポーツをビジネスだけで考えているようでは、超有名アイドル商法と同じ。その先にある未来を確かめる事は出来ない」


 他にも大和は言いたい事があるようだが、彼女はプレイに集中する。完全に出遅れた分を、想像を絶する手数でフォローしようと考えていたからだ。


「あれだけのガトリングを避けられるのか?」


 ロングソードの人物は驚きの言葉しか出てこない。その一方で、この状況を把握できていたのは山口の方だった。


「あの状況下でガトリングを乱射していれば、フラグなのは明らかだろう。しかし、それを別件としても彼女のガジェットは……」


 山口も大和の持っているガジェットには興味を示しつつも、今回は引き上げる。


「成程。彼女も動きだしたという事か」


 山口とは別の場所でモニターを見ていた人物、彼はプレイヤーではないのだが、大和が動き出した事に何かを感じ取ったようだ。


「あの人物は使い物にならなかったという事だな。所詮、有名アイドルのブラックファンでは、この程度か」


 周辺ギャラリーとは異質の黒フード、それは明らかに敵対勢力である事をアピールした物であるのは間違いない。



 大和杏のガジェット、それはチート勢が使用しているような違法な外部ツールを組み込んだものではなく、市販されている物である。


 市販の物と違う点があるとすれば……それは、極限にまでカスタマイズされたワンオフである事。それに加えて、本来であれば別のARゲームで使われる予定だった没ガジェットとも例えられる物。


 それを大和が何故に持っていたのか、その点に関しては複数の謎が存在する。


「あのガジェットの構造は、明らかに別ゲームの物だ。それをどうやって彼女は……」


 大和が放った衝撃波、その正体はパイルバンカーと呼ばれる武器による攻撃と似ていた。ただし、展開されていた複数のビームパイルは、威力を上昇させる為のブーストだろう。


 そのブーストを利用し、瞬間的なパワーをガントレットで掴んだ対象に放つ。これによって、大型ガジェットが瞬時にして消滅すると言うオーバーキルが実現した。


「それに、あのゲームは常識が一切通用しない。どういう構造なのか」


 結局、山口がゲーム自体に触れることはなく、彼はその場を後にする。他のギャラリーは今回のプレイで興味を持ち、やってみようと言う人物もいたようだが……。


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