表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

貧しさは貧しいと感じるところにある

 とあるスーパーの開店間近。入口の前で一人の少年が自動ドアと睨めっこしている。他にも多くの女性が少年の周りにいる。

 少年は自分の腕時計を確認すると、もう6時を回るところだ。


「あと10秒・・・」

 時間が経つにつれて女性の数が増えてくる。そんな中少年は心の中でカウントダウンを始めながら、クラウチングスタートの体勢をとる。


5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・


0!


 自動ドアが開くと同時に、少年は片足に力を込め、体を押し上げた。近くに積み重なったカゴを一つ取り、食品売り場へと走り出す。女性陣も負けずと少年の背中についてくる。

 全力疾走である場所へ向かう途中、卵の半額シールが少年の目に入った。


 スピードを保ちながら少年はまるで少年漫画に出るゴムの腕のように3パックを掴みカゴに入れる。一部の女性陣は卵に目がいってしまい立ち止まった。それを一瞬だけ確認するとさらにスピードを上げて目的の場所へ向かう。

 ずっと奥の曲がり角を曲がった先に『20個限定!1流パティシエ特製ロールケーキ』と書かれたチラシが大きく貼られていた。


「あれだ!」


 少年が走る隣には既に多くの女性が目を光らせている。少年はあと数歩というところで思い切り手を伸ばした。

「届けー!」








『貧しさは貧しいと感じたところにある』


 アメリカの哲学者、ラルフ・ワルド・エマーソンがそう言っていた。

 1ヶ月前の俺なら「その通りだ。貧しいと思うから何でも貧しくなるんだ。要は気持ちなんだ」などと大きく賛成していた。


 俺は御門奏太、15歳。高校進学と共に田舎から一人暮らしで東京に上京してきた。

 金銭面では物心つく前から祖母ちゃんによく教わってきたからそれほど苦はないだろうと思っていた。

 彼女たちと出会う、あの出来事が起こるまでは・・・


 っとその話の前に1年前、俺がまだ田舎にいた時に東京で起こったことを話させてもらう。


 1年前、東京都中心に巨大な飛行物体が現れた。そこから沢山の地球外生命体が地球の地を踏んだ。地球外生命体というものの、多くの人も一度は見たであろう特撮物で出てくる怪人のような奴らだ。巨大化まではしなかったが、奴らは”超能力”という画期的な力まで持っていた。銃、ミサイル、大砲なども超能力を前では赤子のような物だった。


 そこで政府はESP化計画を実行した。

 これは全国から身体能力が平均以上に高い者たちにある実験で超能力が使えるようになるというもの、なのだが実験について具体的な内容は極秘らしい。


 この計画のおかげで奴らと対等に渡り合えるようになった。しかし最近では奴らは姿を人間に化けるようになりはじめた。当然人類は奴らとの見分けがつくはずもない。もしかしたら政府の中に潜り込んでいるかもしれない、という危機に今は面しているのだ。


 待っていたかどうかは分からないが、お待ちかねの彼女たちとの出会いを話そう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ