2話:遭遇
~この作品を読むにあたっての注意事項及び謝罪~
※趣味と気分で描いた作品ですので、非常に読みにくいかもしれませんが、目をつぶる等の寛容な対応をして頂けると幸いです。
※更新速度は、非常に遅いと思われます。
※御意見、御感想、アドバイス等頂けたら、非常に嬉しいです。自分が好きで書いた物を他人に読んで貰えるというのは、非常に有難い事であると個人的に考えています。
※作中の文章で不快な思いをされた方、作品を読む以前に言っておきます。不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。
※1話に比べて2倍の量があります。長くなって申し訳ございません。
めんどくさいなーっと空夜は、思いながらもアリアとレックスに連れられるがままに、アイリスで唯一の学園である『アイリス魔道学院』に向かった。
学院の話に入る前にこの異世界についての事を知ってもらいたい。この世界では、まず、15歳になるとギルドにて魔法が使えるか否かを判断する。(作中でアリアが、魔法を使えるか否かを判断したのが2年前と言う事で、彼女は、17歳である。)ギルドがあるのは、大きな町で、村や小さな町には、ギルドとほぼ同じような扱いの集会場が、存在する。集会場は、基本的にギルドと同じで冒険者に対して依頼を出し、依頼を成功するとその見返りに報酬がもらえる。そうすることによって冒険者は、生計を立てている。一方、魔法が使えるものは、町内にある学院に通って魔力操作や魔法、武術等の教育を受けることが出来る。学院を卒業すると魔法使いとして冒険者のパーティーに組み込まれる。卒業した者は、必ずしも冒険者になるとは、限らない。魔法を研究する道を歩む者。後世の教育を行う者等々様々である。
話は、逸れてしまったが・・・アイリス魔道学院に向かった空夜とアリアとレックスは、20分ほど歩いて学院に着いた。学院に着いた3人は、校舎の中の理事長室を目指した。学院は、広々とした敷地に建っていて、「口」の形をした4階建てである。校舎以外にも、闘技場や体育館、プール、グラウンド、教会がある。目的の理事長室は、校舎の1階にあった。
「入りなさい」
中からそう返答が来た。
「失礼します。」
3人は、言って扉を開けて中に入った。中には、50代と思わしき少々白髪が混じった優しそうな見た目の少しふくよかな女性がいた。
「初めまして。私は、当学院の学院長をしているマリアと申します。貴方が、レックスが言ってた空夜さんですか?」
「はい。空夜と申します。以後お見知りおきください。」
「一応、確認をすると、貴方は、記憶喪失になっていると?」
「はい。日常会話と自分の名前、年齢程度しか覚えていません。」
「うーん・・・」
学院長は、そう言いながら考え事を始めた。
「わかりました。今回は、特例ですが魔力がある分致し方ないですね。入学を認めましょう。それでは、これからこの学院について簡単に説明します。」
そういった学院長は、学院が、S~Fクラスまで分かれている事。春夏秋冬に行われる学院トーナメントの成績でクラスが変わる事。学院が、全寮制だという事、卒業には、最速でも3年かかる事等を説明した。
「それでは、クラス分けを行いましょう。」
――――――――――――――――――――――――――――――
理事長室から体育館に移動した4人は、ここで、空夜の検査を行う事になった。
「まずは、空夜さんが持っているであろう魔力の量を調べます。この板を持ってください。」
と、学院長から1枚の板を渡された。
「汝の持ちうる魔力を示し給え・・・」
学院長がそう言うと空夜の持っている板から光があふれて文字を刻んだ。
『125000』
「えっとー・・・125000?」
「え・・・?」
っと、3人が顔色を変えて驚いていた。
「う・・・嘘でしょ・・・」
アリアは、目を見開きながら言った。
「こんなのは・・・歴代初ですわ・・・。」
学院長は、言った。
「初めて見た・・・。」
レックスは、驚いていた。
「えっとー・・・これは、一体・・・?」
状況が、全く呑み込めていない空夜は、困っていた。
「普通、魔力を持った者は、鍛練を重ねて魔力の量を増やしていきます。平均としては、約10000程度です。そこにいるアリアさんは、優秀な生徒ですが、それでも37000です。その数値をも軽く上回った貴方は、過去から見ても、異常と言うわけです。」
(・・・。なんか、すんごくめんどくさい事になったような・・・。)
内心唖然としながら空夜は、突っ立っていた。
「どうしましょうか・・・普段でしたら、F・E・Dのクラスから始めるものですが・・・彼の潜在能力は、すでにSクラスを超えています・・・それを考慮すると・・・Bクラスらへんからでしょうか?」
学院長は、レックスにそう言った。
「俺も、この光景を見てきて結構な年月がたつが・・・確かに異常だな・・・。学院長の仰るとおりに、Bクラススタートも少し物足りなさを感じますが、妥当な気がします。」
レックスは、そう答えた。それから、少し学院長は、考えて何かが閃いたように言った。そして、手の中には、9個の宝玉が埋め込まれた腕輪を所持していた。
「あなたには、この腕輪を常につける事を義務付けます。この腕輪を授けます。この腕輪は、持ち主の魔力を90%まで抑え込むことが出来ます。そして、腕輪についている9個の宝玉は、1つ取り除くごとにあなたの魔力を抑え込む力を10%ずつ下げていきます。つまり、4個の宝玉を取ると、貴方は50%の魔力。つまり、半分の62500の魔力を自由に使うことが出来ます。こうすれば、学院生活でも余計な魔力を出してしまう事は、無いでしょう。」
そう言われて空夜は、学院長から腕輪を受け取って手首にはめた。
「そして、忘れては、いけません。この学院では、特別な許可が無い場合5個以上宝玉を取っては、いけません。取るのは、4個までです。それ以上の力を開放すると大変なことになると思います。」
「は・・・はい。わかりました。肝に銘じておきます。」
「よろしい。それでは、明日からBクラスにて勉強をしてください。今後は、とりあえず・・・寮の部屋を用意させるので、そこで生活をしてください。」
「あ、それと明日は、クラスに行く前にすることがありますので朝7時にまたここに来てください。アリアさんもお願いします。武器の召喚を行いたいと思います。」
「あ、なるほどですね。わかりました。」
空夜にとっては、ちんぷんかんぷんな会話だった。しかし、どうやら明日の朝7時にここで武器が手に入るようだ。そう考えれば、少しは、この見知らない世界でも安心できそうだ。
――――――――――――――――――――――――――――――
次の日の朝、殺風景な寮の部屋で朝6時に目覚めた空夜は、特にすることもなかったので足早に部屋を後にした。向かう先は、体育館。まだ30分前だというのにアリアと出会った。
「おはよう空夜君」
「おう。おはよう。」
「昨日は、よく寝れた?」
「んーまぁまぁじゃね?」
よくあるような日常会話を交わす二人だったが、ふと何かを思いついたように閃いたアリアが続けた。
「まぁまぁかー・・・これから大変だろうけどお互い頑張ろうね!あ、それと、私は、Sクラスだから、授業中は、会えないだろうけどお昼休みには、会えるからその時に学院の中とかを案内するね!と言っても・・・Bクラスって言えば、ミシアのクラスだから、大丈夫そうだね!」
「ミシアって・・・誰?」
空夜は、さっぱりと言う顔でアリアを見た。
「ミシアは、私の近所に住んでいたいわゆる幼馴染ってやつよ!彼女、クラス委員をしてるから困ったら彼女に聞くといいよ!親切な子だから色々わかりやすく教えてくれるはずだよ!」
「へー・・・当面は、なんとかなりそうな予感がしてきた!」
真っ暗な闇に一筋の光を見つけたかのような空夜の顔を見たアリアは、クスクス笑っていた。
そんなこんな話していると体育館に着いた。時間は、6時40分。集合時間より20分ほど早い。しかしながら、そこには、学院長とレックスがいた。
「あら、早いわね。少々予定より早いけど始めちゃいましょうか。空夜さん、この紙を持って?」
「えっとー・・・これは?」
「これは、武器召喚用魔方陣の書かれた召喚紙です。この世界では、魔法を使う際に、その魔法のレベルに合わせた魔方陣を展開して使います。貴方は、まだこの学院に来たばかりなのでそういう事が出来ないでしょうから、そういうときのために使われる物です。」
召喚紙と言われた紙には、確かに魔方陣が書かれていた。
「そして、それを持って、"我が召喚に答えし者よ。姿を現し給え。"って、言えば召喚獣が出てきて契約を済ませば召喚獣を宿した武器を自由自在に使うことが出来ます。」
「わかりました。」
そう言った、空夜は、召喚紙を持って、言い出した。
「我が召喚に答えし者よ。姿を現し給え。」
空夜の前にたちまち魔方陣が、展開されてだんだん大きくなる・・・そして、魔方陣が光だした。そこから出て来たのは、黒い巨大なドラゴンだった。頭から尻尾までざっと見ただけでも30m以上は、あり背中には、一つ一つが、それだけで武器が作れるような破壊力を秘めているであろう禍々しい棘である。翼も折りたたんでおり体全体も蜷局(とぐろ)を巻いて体育館にギリギリ入っているが、すぐにでも体育館が壊れそうな勢いだった。
「斯様(かよう)な場所に我を召喚したのは、何者だ?」
「俺だ。」
内心ビビりながらそう答えた空夜を見て、ドラゴンは笑った。
「ふははは!召喚されること自体が、1000年ぶりだというのに召喚されたのが人間だとな。滑稽だが、今後のそなたの人生を見るのは非常に面白そうだ。人間、そなたを気に入った。そなたの名を聞こう。」
「空夜だ。」
「空夜か。我は、黒龍帝ヴァイスだ。さて、契約を行う。我が言葉を復唱せよ。"我、汝を契約者と認める"」
「我、汝を契約者と認める」
「これで、終わりだ。今後我を楽しませてくれよ?」
そう言い残したヴァイスは、2振の剣になった。真っ黒な剣は、飾り気がなくシンプルだが、触れただけでとんでもない量の力が流れ込んできた。すさまじい力を秘めていると空夜は、確信した。
「驚きました・・・。ヴァイス・・・伝説の黒龍帝が、出てくるなんて、予想だにもしませんでした。」
学院長がおどおどしながらそう言った。レックスとアリアに至っては、完全に腰が抜けて震えていた。
「空夜さん、とにかくその剣をしまっては、いかがですか?」
「しまう・・・と言われましてもねぇ・・・」
『空夜よ、そなた武器のしまい方も知らぬのか?頭の中に異空間を思い浮かべてその中に入れておけばよいのだ。わかりやすく言えば、箱状の物体を思い浮かべてその中に入れて置く感じだ。』
『ヴァイスなのか??』
『左様。我とそなたは、契約者の仲である。お互いの心が通じ合うのも当然だ。困ったときは、我に尋ねるが良い。ある程度は、教えてやろう。ちなみに出すときは、しまうときの逆で、異空間から取り出すイメージだ。』
『わかった。助かる』
空夜は、アイテムボックスを異空間に作ってその中に剣を入れるイメージをした。すると2振の剣の先から魔方陣が構成されて、剣に沿って魔方陣が移動ししまいには、剣が、消えた。
「あら・・・初めてにしては、うまくできましたね。」
「ヴァイスが教えてくれました。」
「あぁ、なるほどですね。さて、時間が時間ですしレックスもアリアさんもいつまで腰を抜かしていないで!学院が始まりますよ。」
「はぁ・・・わかりました。」
レックスとアリアは、口を揃えて言った。時間は、7時20分。学院のはじまる7時30分まであと少しであった。空夜は、この状況を一人、楽しんでいた。地球では、味わえなかったこの何とも言えない状況を・・・。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
1話から読んでくれた方々、心より御礼申し上げます。
相変わらず下手な文章で申し訳ないです。
さて、空夜の力が一部露見しましたね。黒龍帝、つまり黒です!察しが付く通り今後白が登場します。
そして、本来クラスに行ってからの話を書く予定でしたが、よくよく考えたら武器の方を先にしたほうが良いと思ったので、先に武器の話を持ってきました。前回のあとがき無視しちゃって申し訳ないです。
次回は・・・
クラスに転入してからの事・初めての授業・実技演習
等を書いていきたいと思います。次回には、少し恋愛要素が入ってくると思います。
のんびりまったり待っていただけると幸いです。
(そもそも楽しみにしている人っているのだろうか・・・?)←作者の心の声