表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/20

ヘンリー8世崩御

ヘンリー8世王妃キャサリン・バーを信頼している。


「やはり王妃は聡明でなければならんな。」

「ふ……ふふふっ……。」

「何を笑う!」

「バカ王の妃は賢いんだな。」

「どこから余に話し掛けておるのじゃ!」

「二人の王妃・最初と最後の王妃が賢かったんだ。」

「どこに居る! 姿を現せ! 余の前に出よ!」

「奇しくも二人ともキャサリンだ。」

「出てこい! 余をバカにする愚か者目!」

「あははは……。」

「笑うなっ!」


ヘンリー8世の頭の中で笑い声が聞こえた。

いつもの馬鹿にする誰かの声だった。


「お前は女一人も幸せに出来なかった男だ。」

「幸せぇ? 余が楽しいと思えばそれで良い!」

「お前は王妃を二人、幽閉して出られぬようにした。」

「何のことだ!」

「アン・ブーリンから王妃にしてくれなければ抜く退関係を結ばないと言われて、

 王妃キャサリン・オブ・アラゴンとの婚姻の無効を訴えたよな。」

「そのようなこと余はしておらぬ。」

「そうだよ。お前はしなかった。

 俺がさせなかったんだ。」

「何? どういうことだ?」

「俺がお前を操った。」

「嘘じゃ! そのようなこと出来ようはずがない!」

「キャサリン・オブ・アラゴンは可哀想に、婚姻の無効を訴えた夫に……

 婚姻の無効を認めなかった。」

「何の話だ……?」

「キャサリン・オブ・アラゴンが産んだメアリー王女の王位継承権もお前は奪っ

 た。」

「そのようなことしておらぬ!」

「キャサリン・オブ・アラゴンを宮廷から追い出したお前は、王妃であり……

 お前を支えたキャサリン・オブ・アラゴンを王太子未亡人と公式に残した。

 娘メアリーとの面会も文通も、お前は禁じたんだ!」

「嘘だっ!」

「別居して直ぐに、お前はアン・ブーリンの王妃戴冠式を行ったよな。」

「アン・ブーリンを王妃にしておらぬ!」

「俺がさせなかったんだ。

 キャサリン・オブ・アラゴンとの婚姻は有効との教皇の判決が下っても、

 お前はキャサリン・オブ・アラゴンをキンボルトン城に軟禁したんだ。

 そこで哀れなキャサリン・オブ・アラゴンは一生を終えたんだ。」

「違う……余は、そのようなことしておらぬ。」

「二人目の幽閉された王妃は、お前が肖像画と違う!と言ったことからだ。」

「あ……それは、アン・オブ・クレーヴズか?

 あれは、違い過ぎておった。

 まるで別人ぞ。」

「政略結婚だったんだぞ。」

「まぁ、そうではあるが……好みの女ではなかった故にのう。

 仕方あるまい。」

「何を言う! 見知らぬ外国へ連れて行かれて結婚式を挙げたのに……

 式の直後に離婚をs告げられて倒れてしまったアン・オブ・グレーヴズの

 彼女の気持ちを考えて見ろよ。」

「別に大したことではあるまい。」

「お前ぇ―――っ!」

「ははは……其方が怒ると余が勝ったということだな。」

「それは、違う。」

「何?」

「お前は俺には勝てないよ。

 お前は誰も幸せにする気が無い、誰かと二人で幸せを掴む気が無い。

 だから、俺には勝てない。」

「其方! 余はイングランドの国王ぞ!」

「だから、アン・オブ・グレーヴズをベイナーズ城に留め置いたのか?

 彼女にイングランドを出ることを禁止したのか?

 それは幽閉だぞ!」

「幽閉などしておらぬわ。」

「二人の王妃を幽閉して、二人の王妃を斬首刑に処した。」

「余は王妃を斬首刑になど処してはおらぬ!」

「だ・か・ら……俺がさせなかったんだよっ!」

「キャサリン・オブ・アラゴンを追い出して迄、王妃にしたアン・ブーリン。

 そして、キャサリン・ハワード……この二人をお前は殺したんだ!」

「余は、斬首刑になど……第一、アン・ブーリンとは結婚しなかった。」

「そうさ、俺がアン・ブーリンとは結婚させなかったんだ。

 華美に着飾ることが好きなバカな女。

 王妃に相応しくない。 違うか?」

「そ……れは、余も思ったことだ。

 だから、別れた。」

「そう、王妃にしなければ斬首刑になどする必要も無い。

 そうだよな。」

「……………………キャサリン・ハワードは余を裏切ったが……。

 離婚しただけぞ。斬首刑になぞ、しておらぬわっ!」

「何度も言うけれど、な。

 全て俺が命じたまま、お前は動いたんだ。

 ただ、全ての行動を制限できなかったのが悔しい……。」

「………余は間違ってなどおらぬ!」

「キャサリン・ハワードはお前と結婚などしたくなかったのに……

 お前が望んだから、お前との結婚から逃れられなかったんだ。

 愛する男性と結婚していたなら、別の人生が待っていただろうに!

 可哀想だ……。」

「………斬首刑にしておらぬ! 余を裏切っても殺しておらぬわ!」

「離婚しただけに、俺がしたんだよ。

 ただ、お前にも面子があるだろうから、幽閉にしたんだ。

 そもそも、お前が6度も結婚したことが間違いだ。

 愛妾を常に数多持ち、王妃を取り替え続けた。

 それを男のロマンという奴も居るが……それはバカだ。」

「6度! 違う5度だ! 愛妾が多ければ男子を授かれる。

 余には正しいことだ!

 …………言いたいことは、それだけかっ!」

「結婚し対しては、な。

 ただ、お前の政策面は、戦費が嵩んだ。

 その上に贅沢三昧!

 お前のせいで、この国は赤字になったんだぞ。

 膨大な負債だ。」

「戦はせねばならぬ時がある。

 余も戦場に居た。」

「まぁ。戦場に居たことだけは褒めてやるよ。

 ウクライナとは違うよな。

 権力者は命ずるだけのロシアとは……。」

「其方、何を言っておる?」

「そろそろかな?」

「何がじゃ?」

「そろそろ、ヘンリー8世の命が尽きる。」

「え………今、何と言うた? 其方、何と言うたのじゃ?」

「じゃあな、バイバイ。

 もう、おさらばだ。」

「待て! 今、なんと………。」


ヘンリー8世の頭の中で聞こえていた声が消えた。

ちょうど、その時、ヘンリー8世が息を引き取った。

1547年1月28日、ヘンリー8世は55歳で崩御した。

ヘンリーは死の直前に遺言し、自身の死後キャサリンは王太后としてではなく、以後も引き続き王妃としての格式をもって接遇されること、また破格の年7000ポンドの歳費を生涯にわたって国庫から支給されることなどを定めていた。

しかしキャサリンは2月末にエドワード6世の戴冠式を見届けると早々に宮廷を退出した。


宮廷を退出したキャサリン・バーは、1547年5月には周囲の動揺と反対を押し切って、かつての恋人・海軍卿トマス・シーモアと再婚した。

その後、トマスの兄・サマセット公エドワード・シーモアがエドワード6世の護国卿となって宮廷に残り、エリザベスはキャサリンとトマスの元に引き取られた。

1547年11月にはキャサリンの妊娠が分かった。

4度目の結婚にして初めての妊娠だった。

ところが野心家のトマス・シーモアはその頃からエリザベスと急速に親密な関係となり、キャサリンの妊娠中にエリザベスの寝室に出入りしているところを見咎められるという醜聞に至った。

この一件でエリザベスはシーモア家から出ざるを得なくなった。

1548年8月30日に女児が誕生し、メアリーと名づけられた。

しかしキャサリンは産褥熱にかかり、9月5日に世を去った。

ヘンリー8世は6度、結婚しました。

そのうち処刑されたのは2アン・ブーリンとキャサリン・ハワード、ヘンリーが強引に離婚したのが2人(キャサリン・オブ・アラゴンとアン・オブ・クレーヴズ)です。

6人を王妃に迎えて、悲劇の最期を迎えたのが4人です。

処刑されませんでしたが、強引な離婚に至った2人も幽閉されたまま人生を終えました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ