少し前に詠んだ俳句
何年か前、しばらく俳句に凝っていた時期がありました。
はい、お察しのように某バラエティ番組の俳句コーナーの影響です。
芸能人たちが詠んだ俳句を、俳人の先生が評価・添削するものなのですが、その辛口っぷりが実に痛快です。大物芸能人だろうがお構いなしにバッサリと切り捨てるのも小気味いいですが、何より添削が面白い。
語順を入れ替えたり、たった数文字を変えるだけで劇的に俳句の出来が変わっていく──あれは、物書きを自認する方なら学んで損のない技術だと思います。
自分も触発されて歳時記も買いましたし、ずいぶんと俳句を作ったりもしました。もっと年を取ったら、近所の句会にでも参加しようかなどとも思っていたのです。
でも不思議なもので、なろうで作品を投稿するようになってからは全く俳句を作らなくなってしまったんですよね。創作欲が満たされちゃったからなんでしょうか?
いずれ俳句を再開することもあろうかと思いますが、とりあえず今までに詠んだ句の中でマシなものを残しておこうかと思います。これも自分の創作物には違いないですしね。
あえて、句ごとの解説は書きません。
──句才のある方による添削は大いに歓迎します。
【春の句】
踏切を待つ黒髪に花ひとひら
巣立つ子を送る背中や花曇り
魚屋のダミ声遠く猫の恋
姥桜舗装したての通学路
道の駅串こんにゃくと送る春
【夏の句】
車窓より飛び込む万緑の息吹
炎天や墓前の草のふてぶてし
カップうどんヒロシマの日の長き朝
【秋の句】
レコードを断捨離する日のひぐらし
調律師の皴深き手や秋の暮
野良猫のむくろに吹きだまる落葉
【冬の句】
箸と箸掴む遺骨の温さかな
華やいだイブに背を向け猫がゆく
玉子焼き器磨く腕や冬の朝
アレルゲン抜いて我が子の恵方巻
待合の母の背小さき咳ひとつ
寒梅やポチの首輪の弾む朝
青天を衝く寒梅の若木なり
──うーん、人に見せられるレベルの句はあまりなかったですね。