第1話 化け猫誕生!?
「お疲れ様でしたー」
俺の名前は心愛。身長159cm、体重47キロ年齢は20歳。プロフィールだけ聞くと女の子と思われるかもしれないが俺は男だ。
俺はホテルのフロントで働いている。簡単に言うとホテルマンだ。現在21世紀、時刻は22:00 今日も平和に仕事が終わった。会社を出て空を見上げると月が輝いていた。
「今日は満月か〜」
思わず声に出してしまうほど綺麗な満月であった。
俺はおもむろに近くの神社に行った。人気は少ない。おかげで、月の光がスポットライトの様に自分を照らしてくれる。
「今夜も月光浴〜!」
変わり者かと思われるかもしれないが俺は月光浴が大好きだ。月の光はなんだか優しく、暖かく包み込んでくれる。するとどこからカサカサッと音が聞こえた。カサカサッと、どんどん音が近付いてくる。
虫は苦手なので虫は来ないで欲しい。
すると、とても柔らかく、優しい声が聞こえてきた。
「貴方様は人間ですか?」
いったいどういう事だろうと思いながら俺は答えた。
「残念ながら人間です!」
「良かった」
カサカサッ と音を立てながら何かが茂みからぴょこっと姿を表した。それは、ふっくらとした顔立ちで、服はなんとパーティーカラーで、簡単に言うと虹色の柄の服を着ている。髪は、セミロングで1番特徴的なのは頭にぴょっこり猫の耳がついている。
「えっ、耳?」
思わず声に出してしまった。てっきり、なんかのコスプレかと思う程であった。すると、猫耳で虹柄の服を着た女性、獣人猫だろうか?話しかけてきた。
「すみません。 私は人間ではありません。猫なのです」
全く理解出来ずにいると、猫耳の女性は続けて話した。
「今、この世界は猫の怨念たちによって支配されようとしています」
厨二病なのだろうか?ときっと俺以外の誰もがそう思うだろう。22:00なのに人気の少ない神社の茂みから現れて、支配されるだのなんだの言われると。
俺は質問した。
「どーいうことですか?」
猫耳の女性は、信じてくれていないのかというような目をしている。そして、悲しそうに話し出した。
「今、この世界の人間の約4割は、猫が人間の姿に化けているというのをご存知ですか?」
本当に厨二病ではないだろうか。と思った。すると、続けて話し出した。
「最近、謎の事件が立て続けに起こっているのはご存知ですか?」
確かに最近、未解決で謎の殺人事件が多発している。死因も何もかもが不明という事件が世界中で多発しているのだ。俺は答えた。
「確かに未解決の事件が多いのは知ってます」
すると、猫耳の女性は悲しそうな表情をしながら話した。
「謎に満ちた事件には、怨念が大いに関わっているのです」
怨念が関わっているとは、何らかの呪いなのだろうかと思った。だが、猫耳の女性の言葉は真っ直ぐで、本気であった。若干の違和感はあったが聞いてみた。
「つまりどーいうことですか?」
猫耳の女性は申し訳なさそうに答えた。
「貴方様には、猫の力を得ていただき『化け猫』として怨念と戦って頂きたいのです」
『化け猫』とは、猫が妖怪に変化する話だったはず。思わず直接聞いてしまった。
「『化け猫』ってすなわち妖怪ですよね?それになれと?」
すると、猫耳の女性は答えた。
「あなたがた人間が思っている『化け猫』とは少し違うのです。 物語などでは悪さをするなど描かれてはいますが実際、悪さをするのは怨念だけで、その他の猫はただの猫、もしくはごく一部の猫は『猫戦士』と讃えられているのです」
言葉に偽りなどはなさそうだが、俺はどーしたら良いのか分からない。すると猫耳の女性は物凄くキラキラと輝いた目で言った。
「貴方様は選ばれし人です!お願いします、力を貸してください!」
「えっと、じゃあ、何をどーしたらいい?」
「これから毎日ここに、月光浴をしに来てください」
「えっ、それだけ?」
「はい!『化け猫戦士』になる為に、まずは力を得なくてはなりませんからね!」
それを言って猫耳の女性はペコりとお辞儀をするとまた茂みの中へ入っていった。
「とりあえず毎日来るか・・・・・・」
それから次の日、また仕事終わりに人気の少ない神社に行った。すると猫耳の女性が既に待っていた。
「来て下さると思っていましたよ」
これはかなり期待されてる。それに、猫は大好きだから、そんな猫達が人間を襲っているのだとしたらそれはそれで物凄く気になる。俺は言った。
「俺はこの場所に立ってたら良いのかな?」
「はい。 ただ立つのではなく、目を閉じて力を抜いてください。」
言われるがままに力を抜いた。
「ふぅー」
「そうです。 そして月光の力を貰っているのだと感じてください」
なんだか少し身体が軽くなったような感覚がする。
「月光の力と22回唱えてください。」
「え、あ、はい。 月光力、月光力・・・・・・」
ポクポクポクポクポク・・・・・・
なぜか木魚の音が聞こえる。
そして、22回唱え終わった。
「今夜はこれで大丈夫です。これを毎日お願いします」
「あの、なぜ木魚の音が?」
「魚は寝ないものだとされていたのはご存知かと思います。 簡単に言うと修行僧の人が怠けないようにする為に鳴らしております」
よく分からないが、やはり少し身体が軽い。謎の儀式だが、本気なんだと実感した。
「じゃあ、また明日来ます」
猫耳の女性は俺が帰る時、こちらに頭を下げて見送ってくれた。ただ、その目はなんだか申し訳なさそうだった。
そして次の日、また次の日と人気の少ない神社に通った。そして、ある日猫耳の女性が言った。
「明日は新月でございます。明日はここへ来なくても構いません」
「あ、はい」
何日も通っていたが、確かに新月の日には月光浴が出来ない。それと分かったことが満月の夜に月光浴をすると、とても身体が身軽になり元気になるという事だ。
そして、次の日、俺はそのまま自宅に帰宅した。
また次の日から月光浴が始まった。
1日目、2日目、3日目・・・・・・
それはある日突然だった。15日目、満月の夜だった。
猫耳の女性が言った。
「それでは参りましょう」
「どこへ?」
俺は突然過ぎてどこへ行くのかも聞かされていなかった。すると、猫耳の女性はこう言った。
「貴方様はもう、『化け猫』になる事が可能でございます。 早速化けてみてください」
急に言われても化け方など知らないし、一体どこへ行くつもりなのだろうか。すると、猫耳の女性が続けて 話した。
「力を抜いて、自分は『化け猫戦士』だと強く想ってください。」
とりあえず言われるがままに俺は、自分が『化け猫戦士』だと強く想って目を閉じた。すると、身体中からとてつもない力を感じた。秘めた力と言うやつだろうか。辺りに少し強めの風が吹いている。なんだか頭と後ろにも違和感があった。
「ゆっくりと目を開けてください」
俺は恐る恐る目を開けた。すると、猫耳の女性が鏡を持って立っていた。自分の姿を観て驚いた。なんと自分も獣人猫の姿になっていた。頭には猫の耳が、そして、尻尾がはえている。色は全体的に白色で、動きやすい白のコートを羽織っているようだった。すると、猫耳の女性が言った。
「ここでは誰かに見られてしまうかも知れませんので私たちの国に行きましょう」
「私たちの国??」
「猫の国、マタタビ王国でございます」
すると、何やら呪文を唱えはじめた。
「聖なる月よ、我らに道を開たまえ!」
周りが物凄く光出した。パーーピカッそして、あまりの眩しさに目を開いていられなくなった。「ウッ」
・・・・・・・・・・・・・・・
「着きました。私たちの国です」
ゆっくり目を開けると、まるで城下町のような風景が目に飛び込んできた。すると、猫耳の女性の顔に猫のヒゲが生えていた。そして、初めて自分のことを話し出した。
「申し訳ございません。大変遅くなりましたが、私は案内猫のアールでございます。 元々はアメリカンカールという品種の猫でした」
「かなり遅めの自己紹介ですね。 そーいえばこっちも名乗ってませんでしたね。 心愛と言います」
「そーですね。 これからは私の事はアールと呼んでください」
「なるほど、アメリカンカールだから、アールね。」
「そして、この国では貴方様を心愛様とは呼べません。貴方様は今、獣人猫の姿になっております。 貴方様は猫の品種で言いますと『ノルウェージャンフォレストキャット』でございます。 それと、属性診断がございますので、貴方様の属性がわかり次第、お名前を決めて頂く様になります」
「属性診断?」
「はい。 貴方様がどのような技を使えるかの診断でございます。 それでは参りましょう」
アールに連いて歩いていると周りの獣人猫がこちらをずっと目視している。
「なんか、めっちゃ観られてるんだけど...」
「『化け猫』になれる人間は今までいなかったのでみんな珍しがっているのですよ。 私たちとは違って 『化け猫』にはヒゲが生えませんからね。 属性診断が終わりましたらお城に向かいますので頑張ってください」
「えっ!?」
なんと、自分が初めての『化け猫』だった。確かに周りの獣人猫にはちゃんと猫のヒゲが生えている。そうこうしていると、教会の様な建物の前に着いた。
アールが言った。
「ここで、貴方様の属性を見てもらいましょう」
中に入ると、1人の老人猫がいた。
「おじい様お久しぶりです」
「おお、アールか、久しぶりではにゃいか!にゃっハッハッ!」
なんともテンションの高いおじいさん猫だ。すると、こちらを見て驚いた顔をしながらおじいさん猫が言った。
「ややっ!これはこれは『化け猫』様ではないですか。まさか生きてる間に出会えるなんて感激でございます!」
予想外の反応だった。
「早速で悪いのですが、彼の属性を調べて頂けませんか?」
「それはもちろん!お易い御用! そこの『化け猫』様こちらへ!」
手招きされた。これがホントの招き猫。1人で心の中で笑っていた。
すると、おじいさん猫は何やら小判?の様なものを取り出した。
「それでは『化け猫』様、この、『猫に小判』の上に両手を出してください」とおじいさん猫は言った。
「これで良いんですか?」
言われるがままに『猫に小判』と言う属性測定器であろう物に両手をかざした。すると、小判が光だし、何やら文字が浮かび上がった。『氷』と書かれていた。おじいさん猫は言った。
「やはり属性は氷でしたか」
「やはり氷とはどーいうことですか?」
「『化け猫』様の猫の品種がノルウェージャンフォレストキャットですからね。 その品種の猫は寒いのが得意なのですよ。にゃっハッハッ!」
「さすがです!氷の属性の獣人猫は滅多にいません!」とアールは目を輝かせながら言った。
「『化け猫』様はお名前はなんとおっしゃるのですか?」
「本名は心愛と言います。 ここでは猫らしい名前にしないとなんですよね? じゃあ、フォレストで!」
「フォレスト様ですか。いい名前だと思います」とおじいさん猫は言った。
「おじい様、私たちはこれからお城に向い、国王様にお会いしてきます。ありがとうございました!」
「おじいさんありがとうございました!」俺もお礼を言って教会を後にした。
「それではフォレスト様、お城に向かいます。お城に着きましたらまずはマタタビ王様にご挨拶に行きます。その後、戦士の方々を紹介致しますね。」
「ありがとう」
こうして俺はマタタビ王に会うべくお城に向かった。どんな戦士達がいるのか楽しみになってきた。
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