表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビちゃんの日常  作者: 夏目みゆ
5/5

突撃隣のゾンビ家

みんなー☆

1ヶ月毎に先輩が消えてく職場ってどう思うー?

ごきげんよー☆

ゾンビちゃんだよー!

今私は、自宅で寝ていた所を騒音に叩き起こされちゃったの!!

騒音野郎には悪魔の左手が唸るぜ!


さて、寝る時は下着の私ですが、朝からパンパン途轍もなく煩いですね。

盛った猿ですか?

ああ、擬音は同じですが違う音ですよ、パンパン鳴るのは恐らく爆竹でしょう。

私がやった事があるゾンビゲームでも使いました、あのゲームはゾンビが強いので、高台を駆使して移動するゲームでした。

メインストーリーでは、爆竹でゾンビの気をそらしてる間に車のバッテリーか何かを修理した記憶があります。

最終的には主人公がニンジャになってましたけど。


ちらりと窓の外を見て見ると、爆竹でゾンビが集まっており、階段を上がる音から目的はこのアパートらしいですね。

閉鎖空間でゾンビと一緒になるデメリットはありますが、アパートの住人ならば囲まれる程|家庭≪ゾンビ≫が居ないと考えたのでしょう。

確かにお隣さんも、ゾンビ一人暮らしでしたし。

私は取り敢えず足音を立てない様気を付けて、鍵やチェーンの確認をしに玄関に行くと。


「この部屋が開いている」


「油断するなよ」


「ああ、中にゾンビが居ても窓の方に行っている筈だ」


あら、お隣さんの家に突撃する様子ですね。

題して『ヤラセなし、突撃隣のゾンビ飯!』辺りでしょう、食べてるのか不明ですし、飯になるのは自分になりそうな番組ですけれど。

声から察するに男2人、ゾンビアイ(今命名)から見える未感染者も・・・2人?にしては、片方の色が薄い気がします。

しかーし!

その部屋には、出待ちしているお隣さんがいるのだ!

貴様らの冒険もここまでだぁ!!


「よし、ベランダに出てる!」


「落ちろ!」


男達の走る音に続き、何かがベランダから叩き落とされました。

お、お隣さぁーん!

し、しかし、お隣さんを倒しても、第2、第3のお隣さんが・・・。


「これで此処は安全だ」


「暫くは此処が拠点だな!」


居ませんでした。

にしても困ったなぁ、私はゾンビだけど乙女独り暮らしですものー。

襲われちゃったら怖いなぁ。


近所迷惑考えずに大音量で映画見ようと思ったのになぁ、お隣さんから永遠に借りたアメコミ実写。

というか、電気がいつまで保つかわからないし早く見たいんだけどー。

よし、今日はヘッドホンして動画見よ。


私は蜂蜜リキュールを炭酸で割り、買いだめしておいたお菓子開き、PCを起動。

え?女子力?ゾンビにはリミッター振り切れた馬鹿力しか無いよ!

バイオハザードが起きた当日から更新が止まっている、有名実況者等の動画を漁る。


片手間に調べてみると、バイオハザードが起きたのは静岡であり、主に中部にゾンビが溢れたみたい。

道路や交通手段を封鎖し、感染者は隔離して一応日本という国は崩壊してないみたい。

東京の親友の生存もメールの返信から確認出来たけど、私の家族は音沙汰も無い。

多分、手遅れなんだろう。


私の実家には電車で1時間近く掛かるし、勤め先の老人ホームは田舎だし。

確認に向かうにも、とても大変だ。

なら、私が私である内は、自堕落な生活を楽しもうと思う。


動画を見ていると、ふと日差しがオレンジになっている事に気がついた。

既に夕方らしい。

チラリと新たな隣人に目を向ける。

ゾンビアイが写すのは、朝よりも色が薄まった未感染者の彼。

いや、未感染者って言い方は正しくないかも、だってそういう事だろうし。

明日起きたら、新たな第2、第3のお隣さんが増えているのだろう。


ゆらゆらと、気持ち良い気分で私はシャワーを浴びて布団に潜る。

水や電気が止まらない事を祈りつつ、微睡みに身をまかせる。

何処かで、野太い悲鳴が聞こえる気がするけど、私の意識は闇に沈んだ。

みんなー☆

新入社員がダンス踊らされる職場ってどう思うー?

勿論ダンス練習は休み時間や、時間外で手当ては出ないんだー☆

みんなも福祉施設っていう言葉には気を付けてネ☆

ゾンビちゃんとの約束だゾ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ