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エビ

作者: 岩崎めぐ

パチンコで儲けたお金で大衆酒場に一人で行った 大阪に行ったときに明るい農村という焼酎が美味かったのでそれを飲みたかったがその店にはなかった お気に入りの若いツバメも捕まらないしほろ酔いになったところで店を出た

家に帰ると主人はまだ帰っていなかった 9月の中旬 今日は曇り空であったが暑がりのわたしは扇風機をかけて亭主が帰るまで寝ようと思い 敷きっぱなしの布団に体を放り投げ寝についた

簡単に眠りにつき 簡単に夢を見るわたしはどうやら潜水艦の中にいた レバーがある これで標的を打つのか わたしは海物語に出て来るような魚が目の前に現れると標準を定めレバーで打った しかし確かエビであったか 海物語の確変にあたる魚では尻尾で船体をはねられ船体が赤く点滅する すると座席は後ろに下がりシャッターが閉じられ今にも生き絶えそうなわたしではない主人公であろう船員が悶えているのでわたしはレバーを押す するとまた座席は移動しシャッターは開かれる しかしやはりエビだ エビを何度夢中でうっても船体をはねられる その度に船員を生還させまた戦闘態勢に戻ろうとするのだが 途中通路に脇道がある よく見ると電車の中に女性や子供がいる なんで潜水艦に電車が?わたしは疑問を抱くがエビを倒さねばならないと元の席に戻ろうとする しかし船首を通り越しわたしは電車の操縦席に腰を下ろした 隣には年配の操縦士が座っている

わたしはかなりのご高齢の操縦士のかたにレバーを上げろと指示される おそるおそるあげると電車が動くのだが そんなんじゃ後ろから追突されるぞ もっとあげんかい!と叱られる すると電車は駅のロータリーに入っていく

操縦士のおじいさんがイワシ食いたいなーと言う わしはピザじゃなどと声もする めぐ駅前でイワシ買って来いとと言われ わたしはすかさずじゃあ五百円くださいと言った 五百円を手にし扉を開けようとしたときもう夢から覚めそうな気配がしてきた わたしはすみません やっぱりイワシ買いに行けませんと言った すると何か封筒と手紙をよこしてくるのでわたしは中身を見ようとする 宝くじが当たったんだよ めぐにも小遣いやろうか?めぐには100万円かな?1万円でいいかぁなどど楽しそうにいうのでわたしも笑う しかしおじいさんはめぐはあれから一年経つのに何にもわからないんだなぁと言う

おじいさんはいなくなりわたしはいつの間に現れた母の店の長年の常連さんたちと商店街を歩く 今年亡くなった母の連れ合いもいた やはり長年店の手伝いをしてくれているたまちゃんもいた もちろん母も 母はわたしの青春の場所まーちゃんとの思い出の場所と言った お母さんここはどこ?とわたしは聞いた すると母は郡山よと答えた わたしはいつか母とまーちゃんとの思い出の場所を旦那さんと訪れようと思った

たまちゃんがこの店入りましょうよと言ったとき わたしの枕元で寝ていた愛犬が動きわたしは夢から覚めた


わたしは夢から覚めて一服をしていた そういえばおじいさんめぐは何にもわかっていないんだなぁと口にしたことが気になり始めた なんとなくわかるけど わたしは多分一生グレイだよと思った スピッツは超えてみせると歌う イースタンユースは こないだ発売されたソンゲントジユウのなかで相手に手綱を委ねちゃ行けないんだと歌う どちらもわかる でもわたしはどちらにもなりきれない だってそれは表現者として生きているわけじゃないから 甘いかな でも日々手ごたえのある感触を一応は追ってはいるのだけど

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