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プロローグ2 マイナーな神様に・・・②

第二話です。

少し短めです。

「・・・転生って、異世界とかそういうのですか?」


最近よくある小説のネタだ。

神様が死んだ人間を異世界に転生させるヤツだ!

まさか俺が異世界へ行くなんて・・・


「独りで盛り上がっているところ悪いけど、異世界って何?・・・ファンタジーじゃあるまいし、そんなもんないない!」


どうやら期待する気持ちが顔に出てたらしい。

神様は俺に冷めた目を向けると、そんなもん本気で信じてるの?と、小馬鹿にしたような態度を向けてきた。

神様自体が、俺からしたらファンタジーみたいなものなのだが、世の中そんなに甘くないと説教されてしまった。


「よしんば他の世界が有ったとしても、僕の知った事じゃないね」


何で他の世界にわざわざ転生させなきゃいけないんだ!と神様はご立腹だ。

どうやら最近あの世では異世界転生云々の問い合わせが多いらしく、辟易(へきえき)しているらしい。


「大体、自分の世界があるのに、余所の世界に転生させたって僕にメリットないじゃないか!ボランティアじゃあるまいし打算も無しに転生なんてさせないよ!」


人間に奉仕するために、神はいるわけじゃないと怒られてしまった。

う~ん。俺の中の神様像が壊されていく・・・けど、確かに神様がらみの逸話って理不尽だったり、俗っぽかったりするもの結構あるんだよね。


「君に転生してもらうのは現代の日本。転生してもらう理由はこれだよ」


そう言って、神様が指をパチンと鳴らす。すると俺の手の中に、いつの間にやらサッカーボールが抱かれていた。


「おぉ!スゲー!本当に神様だったんだ」


突然手の中に現れたサッカーボールに、俺は感嘆の声を思わず上げた。

最初に見た時、神様からは眩いばかりの神々しさを感じていたが、話してみると意外に俗っぽく、神に対して少し疑いの目を向けていたのだが、やはり本物の神様らしい。

そんな俺の横で神様はガックリと肩を落としている。


「・・・神様だったんだって・・・」


「いや、だってさ、アメ何ちゃらなんて聞いたこと無い名前だったし・・・」


あまりの落ち込み様に、俺も流石に罪悪感を覚えるが、名前長いんだよな・・・


「・・・それ、フォローになってないから」


恨みがましい目を俺に向ける。


「はぁ・・・やっぱ僕の名前聞いたこと無いかぁ・・・今となっては暇な神だしな・・・」


聞いたこと無い名前だと思っていたが、まさか暇の神だとは・・・そんな神様いたんだな。貧乏神とかの仲間かな?流石は八百万の神を持つ日本。

などと心の中で思っていると、神様と目が合う。

また例のジトーっとした目で俺を見ている。


「いや、俺そんなに神様に詳しい訳じゃないから・・・流石に暇の神様なんてマイナーな神様の名前は知らない・・・かな?」


最後の方は神様の視線に居たたまれなくなって、言葉尻を濁してしまった。


「・・・君、またマイナーって言ったね・・・神にそんな口聞いてたら、罰が当たるよ!」


どうやら全くフォローになっていなかった所か火に油を注いでしまったらしい。ジト目で物騒な脅しを掛けてくる。


「まあいい。本来なら神に対してそんな口を聞くことは赦されないんだけど、君にはやって貰うことがある」


特別に赦そうと、神様は言った。

全く有り難さを感じなかったが、どうやら俺に拒否権は無いらしい。


「ちなみに拒否権は?」


と、聞くと、


「あると思うのかい?」


と、返って来た。

やはり、俺に拒否権は無いらしい・・・

ただ、どうせ死ぬはずだったんだ。転生の方が死ぬよりはマシだろう。

この神様からの依頼と思うと、厄介事の予感しかしないのだが・・・


「・・・それで、俺は何をしたらいいんでしょうか?」


神様に恐る恐る尋ねる。

そんな俺の警戒心に気付いたのか、茶目っ気たっぷりに肩を竦めて、先程神様自身が出したボールを指差す。


「日本をサッカーW杯で、優勝させて欲しいんだ!」












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