神様と
目を開くと、そこはどこまでも続く真っ白な部屋でした。
『芽衣、起きたかい?』
目の前には真っ白な髭を伸ばしたお爺さんがいます。誰でしょうか。初めて会った人だけど、なぜかこの人といると落ち着きます。
『私は君たち人間に『神』と呼ばれる存在だ。その中でも私は『転生神』と呼ばれている』
神様?確かに神々しい感じはするけど、それ以上に好々爺って感じで親しみやすいからあまり『神』って感じはしないや。
『君はどうして死んだか覚えているかい?』
うん。たしか誘拐されてそのまま死んだの。父さんには私がそうして欲しいと言ったから身代金を出すことはしないはず。
あれ、それにしても私死ぬの早くない?捕まって数時間で死んじゃってるよ。普通二、三日は生きてるよね。
『芽衣はストレスが大分たまっていたんだ。だからこの誘拐事件でストレスが爆発してそのまま死んでしまったのだよ』
私ってそんなに弱かったんだ。
『そんなこと『そんなことない!』』
だれ!?マッチョでいかにも『軍人です』って感じの喧嘩そうなお爺さんが現れた。どこから出てきたんだろう、この人。
『わしは『戦神』と呼ばれとる。そこの『転生神』と同じ『神』だ。
将来が楽しみでお気に入りだった魂が元の世界に無かったからここに来たのだが、やはりここにおったか
それより、あんな事があったのだ。死んでしまうのも仕方がない』
神!?神様!?神って一人(一神)だけじゃないの!?しかも戦神って!なんでこんなところにいるの!?後なんで私は慰められてるの!?
『転生神、やはりこの魂は転生させるのか?』
『ああ、このままでは彼女が不憫でならんからの。
芽衣、今からお前さんを転生させる。二度目の人生を楽しんでおいで。こんな体験は滅多に出来ないのだから。転生先は元いたのとは違う世界だからね。頑張っておいで』
『芽衣、元気でな。わしはまたお前に会えるのを楽しみにしているよ』
転生神様、ついでに戦神様、ありがとうございます!人生を楽しめるよう頑張ります.
『ついでって…ヒドい…』
戦神様のこの言葉を最後に、私の意識は暗転した。