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奴隷商の街 スクラヴォーヌ

リブラレール目指して、主人公達の旅路は先にと進みます。


第三章 第十六部<奴隷商の街 スクラヴォーヌ>是非最後までお付き合いくださいませ。

レンシディオさんが去ってから、ジェラルリードちゃんは俺にもたれ直してきた。


ジェラルリードちゃんが膝に座ってるのをセレアもリアも妬いてるらしいのに何も言わないのは、やっぱり遠慮してるんだろうか?それとも、一時だけだから我慢してるとか?


「羨ましい、かぁ。あんたの変なトコって感染するのかしらね?」

「失礼な。俺は病原菌か。」

「だって、気付いた?<皆さん>を歓迎したいって言ってたのよ?あの子。」

「え?あ・・・」

「どういう心境の変化だか。種族とかそういうので判断してた自分を恥じて、心を入れ換えようって感じかしらね?あれは。」

そうか。きっと、レンシディオさんも女性である事で辛い思いをしてきたからこそ、自分が同じような視点で相手を見てしまっていた事に気付いて、種族とかそういうのじゃなくて個人として見ていこうって思ってくれたんだろう。だから、改めて、恐怖からとかじゃなく、きちんとジェラルリードちゃんに謝罪をしてくれたんだろうな。

「ま、いい事なんでない?偏見で人と付き合ったっていい事なんか1つもないんだしさ。」

「ま、それもそうね。あ、それはそうと、あんた、魔法は覚えたばっかりってホントに?」

「あ、うん。前にジェラルリードちゃんを呼んだ日に覚えた。」

「ふ、2日前・・・まさか、あんたも<ちーと>とかいうワケの分かんない力を持ってんの?」

「みたいだな。あと、魔法で加工しなきゃなんないような物をお手軽に加工完了できたりもする。ついでに、どうやら剣を振ったりするのにも何かのチート能力が発動してるっぽいぞ。じゃなきゃ、多分とっくに死んでる。元の世界じゃ喧嘩すらまともにした記憶がないし、痛いの嫌いだし、揉めるのも好きじゃないし。」

「うわぁ・・・昔の勇者とは似ても似つかない弱腰さねぇ・・・・なんで増長しないのよ?いや、してほしくないけど。」

「んな事したら目立つだろ。ヤだよ。第一、そんなの悪目立ちじゃんか。全力で御免蒙るね。平和平穏、無事無難。静かに目立たずひっそりとが俺の正義だ。」

「せ、正義とまで言うか。こいつは・・・ハァ。まぁ、それなら魔法の使い方には気を付けなさいよ。さっきみたいな使い方してたら、一発で注目の的よ?」

「ゲ・・・マジで?」

「はい。タカシ様のさっきの魔法はかなり上級なものに分類されますよ。あの水の量を瞬間的に、しかも、ピンポイントでジェラルリードさんに被害が出ないようになんて、人間族にはまず無理です。」

「無理なレベルの話なのか!?」

「そりゃそうでしょうよ。5人くらいの魔法をたった1人で掻き消してるのよ?しかも、後から発動させてるのに発動を間に合わせて、しかも、発動位置をピンポイントで設定って。どんな風に魔想域を完成させて、どれだけの保持魔力量があったらできんのよ?エルフとか魔族ならともかく。」

「ご主人様のされる事に驚いていては身が持ちませんよ?魔法をご存知なくても、極自然に魔石を利用されていた時に理解しました。ご主人様は全てが規格外に素晴らしい方だと。」

「うわぁ・・・セレアの域には到達できそうにないわ、あたしは。昔の勇者を見てても。」

「うぅ・・タカシ様を1番分かってるみたいで悔しいです・・・」

「1番奴隷は私なんですから、それくらいは当然です。」

自慢気に胸を張るセレア。


何?その1番奴隷って。そんな制度があるの?いや、それはともかく、魔法の使い方にはマジで注意しよう。人間族には無理なレベルとか、注目の集め方がヤバイ事になりそうだ。


「いいですもん。これからしっかり理解しますから。」

「セレアの域に達するつもりなんだ・・・」

「しますよっ。だって、タカシ様の事なんですからっ。」

「アハハ・・・こりゃ、このアドバイスは止めといた方がいいのかしらね?」

「アドバイス?」

「そ。奴隷の数とか種族のね。あんた、結構舐められる事が多いでしょ?」

「あぁ。リアが教えてくれたよ。冒険者の階級(クラス)の目安みたいな感じになるんだろ?」

「あら。じゃあ、買うの?新しい奴隷。」

「ううん。そのつもりは今の所はないよ。リア以外には。」

「なんでリアは買うのに、他は新しく買わないのよ?」

「まぁ、絶対に買わないとは思ってないよ?でも、自分の力を誇示する為に奴隷を買うってのには、どうにも抵抗があってさ。」

「そう?獣人族と亜人族はあんたの奴隷になった方が他に買われるよりかは絶対に幸せだと思うけど。」

リアに言われた事と似たような事を言われて、思わず苦笑が漏れる。

「買い被り過ぎだよ。セレアとリアを見て言ってるんなら、俺がこの2人に惚れてるからそうなってるだけの事だぞ?」

視界の両端でセレアとリアが真っ赤になるのが見えて、俺まで顔が熱くなる。


セレア。君、絶対にわざとだろ?その耳をペタンとするのは反則。可愛過ぎるから。リアも然り気無く腕をギュッとしないの。いちいちリアクションが可愛過ぎ。


「まぁ、それは分かってるけど、別にここまで甘くなくても、あんたの感覚で接してたら充分だと思うわよ?タカシは他の冒険者とかの扱いを知らないから、そう考えるのも分からんじゃないけど。」

「ん~。それに、正直なトコ、気の合わない奴と一緒にいるのって疲れるんだよなぁ。」

「そんなの、あんた達が気に入った奴にすればいいじゃない。いい?舐められないようにしとく事で、無用なトラブルを避けられる事だってあるのよ?」

確かに。それには一理ある。

「ま、無理に買う必要もないとは思うけどね。あんた達の間に後から入る奴が気の毒な気もするし。火傷しそうで。」

「ほっとけ。でも、なんで急にそんな事を?」

「リアと正式な奴隷契約をする為にリブラレールに向かってるんでしょ?なら、途中でスクラヴォーヌに寄る事になるでしょうからね。」

「あ、スクラヴォーヌは別名、奴隷商の街と言われてます。街の近くに大きな遺跡がありますので、その探索の為に冒険者が多くやってきては、頻繁に奴隷を買い替えるんです。その割には、街の周辺の治安も悪くはないですから、奴隷を連れてくるのが他の奴隷需要が高いような街よりずっと楽みたいで、多くの奴隷商会が集まっています。それで、スクラヴォーヌはそんな風に呼ばれています。」

リアが補足の説明を入れてくれた。ホントに気が利く子だ。前にも旅をしていた分、他の街の知識も豊富みたいだし。

「なるほど。盛んなトコだし結局は通る街だから、ついでにそこで捜すのも考えとけって事か。」

「そういう事。まぁ、スクラヴォーヌはもう少し先の街だから、早めに考え始めておけば焦って結論を出す必要もないでしょ?」

「うん。ありがと。」

「ん。それじゃ、そろそろ行くわ。」

ストンと俺の膝から降りるジェラルリードちゃん。

「うん。また連絡するよ。」

「ええ。それじゃ、またね。」

ジェラルリードちゃんは影に沈んで姿を消した。


ん~。しかし、奴隷の追加ねぇ・・・

前みたいに強い抵抗ってのはなくなってはきてる。リアとジェラルリードちゃんの口振りからすると、他の奴に買われた獣人と亜人の奴隷は結構な状況を強いられてるっぽいし、セレアとリアは俺の側にいて幸せだと言ってくれているからだ。酷い奴に買われるよりかは、まだ俺が買った方が当人にとってマシな状況にもなるらしいし。

かと言って、奴隷契約がある以上は相手に何かしら強制してしまう状況にはなってしまうだろう。そういうのはやっぱり好きじゃない。だからと言って、解放を前提に買うなんてのはない。そう考えられたのはセレアとリアだったからだ。リアの場合は状況が特殊だったし、セレアなんか完全に一目惚れだったから、稼いだ金を無駄にしてでも幸せになってほしいなんて思えたのだ。そうでなかったら、稼いだ金を捨てるような真似を考えるワケがない。命懸けで稼いだものなんだし。


「どうしたもんかなぁ。」

「新しい奴隷の事ですか?ご主人様。」

「うん。奴隷制度なんて元の世界では俺が生まれる前になくなったものだから、正直、そういうのに抵抗があるんだよな。」

「え?」

「何かしら無理強いさせる事になっちまうだろ?機嫌を損ねないようにって考えもするだろうし。」

「では、私達は大丈夫です、よね?何一つ強制されている事などありませんし、望んでご主人様のお側に置いてもらってるんですから。」

「そうですよね?」

「あ、ごめんごめん。勿論、セレアとリアは別だよ。今までの事があっても2人の気持ちが分からないって程には馬鹿じゃない。そうじゃなかったら、一生側にいてくれなんて言えないよ。」

「「はいっ。」」

返事と同時に両脇から抱き締められる。


いやもう、ホントにこれで信じられなきゃ、世の中全部が信じられませんよ?いちいち可愛い反応してくれるし、でも、なんだかなぁって思わされる事も言うし。

何より、最初の頃のリアの態度で普通の奴隷がどういう感じなのかは分かってるから、疑う余地がない。こんな事言ったら、リアが気にするだろうから言わないけど。


「? ご主人様?」

「ん?」

「ご主人様は奴隷制度に抵抗がおありなんですよね?」

「うん。まぁ、前よりかはマシだけど、最初は全否定なくらいだった。」

「しかし、私の事は買ってくださいましたよね?」

言われて、一瞬で顔が熱くなる。


き、気付かれた・・・物凄くハズイんですが。


「それなのに、解放を考えてくださっていて、初めからずっとお優しくて・・・不思議に思ってしまったんですが、どうしてなんでしょうか?」

「ん、んん。それは、だな・・・一目惚れ、したから。」

セレアは首筋まで一気に真っ赤になって、耳がピンッと立って、それから完全に垂れる。


ぐあぁぁぁぁぁっ!!クッソ恥ずかしいぃぃぃぃぃぃっ!!


「え・・・と・・・ご、ご冗談では、ありません、よね?」

セレアは頬が緩みきった顔のまま、上目使いで俺を見つめる。

「ないよ。アンナちゃんが暴露してくれやがっただろ?セレアが他の誰かに買われるのがどうしても嫌だったって。」

俺が言い切るのと同時に、唇を塞いで、俺の腕に抱きつくリアごと押し倒してきた。

「予想はしてましたけどぉ。」

リアも膨れた顔で唇を塞いできた。

「奴隷制度がお嫌いなのに、それを無視できるくらいなんて羨ましいですよぅ。」

顔を並べて、頬を擦り寄せるリア。

「あ、あんまり可愛い事を言ってくれるなよ。出会い方が違っただけで、リアも俺にとっては何よりも大切なんだから。」

「はいっ。」

嬉しそうにまた唇を塞いでくる。


そこからは恒例化してしまいそうな、連戦の幕開け。完全に溺れてるなぁ。




そして、それから10日後。2つの街を経由して、スクラヴォーヌの街に無事到着。太陽の高さからして、大体昼過ぎって感じだろうか。


それまでの道中は特に大きな事件も問題も無し。ただ、王都から離れるに連れて、モンスターとの遭遇率は上がった。スクラヴォーヌの前の街を出た後なんかは、半日と経たずにオークの群れと遭遇して、そこからは数時間置きくらいに戦ってた。

その中で1番ビビったのは、到着前の夜に襲ってきた人喰い梟かな。これは単独だったけど、やたらとデカかった。翼を広げたら俺の5倍くらいはあったんじゃないだろうか?これが音も無く飛んできて襲いかかってくるもんだから、かなりビビった。まぁ、また俺の勘が働いてくれて、奇襲の一撃は難無く回避できたし、反射的に放った炎の魔法で瞬殺。デッカイ焼き鳥の出来上がり。どうやら、この勘は本当にチート能力っぽい。多分、危機回避とかそういう感じ。でも、やっぱり確信がないから過信はしないでおく。過信は命取りだってのはどの漫画やアニメでも言われてる事だしな。


ただ、毒大蜘蛛(ベノムスパイダー)の群れと人喰梟を瞬殺した時の魔法は、リアにダメ出しを受けてしまった。森の近くの街道を通っていた時に出てきた毒大蜘蛛(ベノムスパイダー)の群れが余りにも気持ち悪くて、炎の矢を30本程一気に放って一瞬で灰にしたら、火力も矢の本数も常識外だったらしい。人喰い梟の時は反射的にだったから加減とか考えられてなかったけど、毒大蜘蛛(ベノムスパイダー)の時は自重したつもりだったんだけどなぁ。魔法を使ったのはその2回のみだったから、もっと使ってたらダメ出しの回数も増えてたと思います。

どっかの美少女天才魔導師さん達はもっと派手にやってても騒がれたりしてなかったのに。やっぱり小説と一緒にしちゃダメか。よく考えて、セレアとリア以外の人がいる時はしっかり自重しないとな。


ちなみに、リスタニカでは中に入る時が大変だったけど、パーティー登録をしてからはそんな事は全く無し。やる事はきちんとやっとけって事だね。


街に入ったら、まずは屋台で腹拵えをしながらの宿の情報収集。この流れは、新しい街に着いた時のルーチンワークと化している。条件も同じで、大きめの風呂がある食事付きの宿。風呂付き個室があるかどうかは街によるみたいで、前の2つの街にはなかったからこの条件にしてるけど、本音は風呂付き個室があるのがベスト。存分にイチャつけるからなっ。


「風呂付きかい?羽振りがいいんだねぇ。普通は貴族とか金持ち連中しか使わないってのに。」

俺達の宿の条件を聞いて、屋台のおっちゃんが前2つの街でも言われた事を言ってきた。

「ま、毎日が命懸けですから、街中にいる時くらいは道楽に興じたいんですよ。」

嘘は言ってない。油断をしていたら危ないのは間違いないのだ。ただ単に、チート能力のおかげで命の危険を感じるような事はほぼないってだけで。

「まぁ、確かにな。冒険者に明日の命の保証は無いって言うしなぁ。まぁ、それなら、この街の最高級の宿なんてどうだい?かなり値は張るけど、広い風呂が個室に付いてる上に、メシも朝晩豪華なのが付いてるぜ?純月亭ってトコだ。道楽には持ってこいだろ?」

よしっ!風呂付き個室がある!!

「いいですね。じゃ、そこにしてみます。」

「じゃあ、あっちの通りを入って、ちょっと進んだトコがそうだ。外見もかなり豪華だから、遠目でもすぐ分かる。行ってみな。」

「ありがとうございます。じゃ、行こうか。」

「「はいっ♪」」

セレアとリアの嬉しそうな声がハモる。2人して顔が少し赤くなっている辺り、これまでの宿での過ごし方を物語っているようである。


街に付く度に、余分に1泊してきてるからなぁ。しかし、余分が連泊になってない辺りはまだ自制している方だと思う。前2つの街でも依頼が終わって中途半端にできた空き時間で自由時間を作ったんだけど、また危険な服を増やしてくれるんだぞ?自分達の欲しい物を買ってくれって言ったら、これを着て喜ぶ俺が欲しいとか健気で可愛くて愛しい事を言ってくれるし。

それに、俺が気に入ってくれたのが嬉しかったからまた一緒に食べたいと、水蜜果(すいみつか)も買ってきてくれたり、他にもいろんな人気のある果物があるらしいけど、この近辺では採れないらしく、それが採れる所に行ったら一緒に食べようと約束したりなんかもした。

もう何から何まで可愛くて愛しい。男冥利に尽きるとは、正にこのことだ。


それから、教えられた宿に行って、これも恒例化しつつあるけど、宿の人へセレアとリアに対しての態度についてを考えるように促してから部屋へ。

部屋もベッドも広いし、風呂も広い。浴槽なんか、銀月亭の風呂くらいある。さすがはこの宿の中でも1番グレードが高い部屋ってだけはある。ちなみに、1泊2食付きで600エニーと、値段は満月亭の倍。でも、採掘場の件で資金が充分過ぎるくらいにあるから余裕綽々だ。


「ご主人様。」

「タカシ様。」

部屋に入って、荷物と装備を片付けたら、2人が俺の前で並んで真っ赤になりながら、セレアは服をたくし上げて凶悪な2つの膨らみを曝け出し、リアは下を手で引っ張り下げて綺麗な肌と髪と同じ薄い緑の薄い繁みを覗かせる。

「どうぞ、私の全てを召し上がってください。私の愛しいご主人様。」

「いっぱい、隅々までイジメてほしいです。私の大好きなタカシ様。」


こ、こいつらっ!?俺の誘い方を練ってきてる!?まさか、自由時間中にか!?


当然、そんな誘いに自制も理性も働くワケがなく、激戦開始。食事や入浴中の小休憩は取るものの、朝までコースは必然でした。

なんか、日を追う毎にセレアとリアがエロくなってく気がする。完全に俺のせいだろうなぁ。嬉しいし、2人も喜んでくれてるからいいんだけどなっ。

新しい街に着いても、主人公達のやる事には大差が無いようですが、王都を離れるに連れて街道の治安は悪くなっています。街の中はどうなんでしょうか?


舞台が新しい街に移ったところで、第三章 第十六部の幕を下ろさせていただきます。最後までお付き合いいただいた皆様に感謝です。また次もお付き合いいただければ幸いです。


2016/4/25 本文の一部を修正しました。

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