プロローグ 選択肢3
選択肢3・妹と彼女を助けて自分が死ぬ。
真奈を見殺し?いやいやそれは考えられない。じゃあ雫を見殺しに?それも考えられない。もう一つしかないじゃないか、俺は3を選択する。
この状況で二人を助ける方法。何か無いのか。このままでは二人とも死んでしまう。考えろ!考えろ、考えろ。二人を同時に救出する方法。
はっ!思いついた。しかしこれを使うと本当に俺が死んでしまう。考えても無駄だ。
すると一真は呪文を唱え始めた。
「風の力を秘めしシルよ。そなたの力を我に捧げよ」
呪文は唱え終えたが発動するまで時間が掛かる。一真は今ある力を振り絞って発動しろと願った。その時、化物の武器が彼女たちにめがけて振り降ろされていた。しかしそこに彼女たちはいなかった。呪文が発動していたのだ。彼女たちは間一髪で助かった。そうこの呪文。意識した相手と自分のいる場所を入れ替える{シル・リーン}によって。一真が今いる場所は、彼女たちがいた中間地点。そう岩と草の使い手グラスロックの前だった。
「よかった。発動した」
すぐに逃げないと。
しかしグラスロックはすでに溜めていた魔力をレーザーに変えて一真に向けて放った。
だめだ体が動かない。もうここまでか。嗚呼、雫たちの声が聞こえる。くそ、こんなことなら雫ともう少しいろいろしとけばよかったな。死ぬなよみんな。