自転車テロ
ゆっくり投稿していきます。
これは悪ふざけで流された噂なのか、それとも誰かが見たのか。
公の舞台や新聞記者の間ではただの噂だと流されているが、ネットでは、最近の話題としてトップに上がるほど有名になってきている。
幽霊的な超現象、そして、素手で人助けをする幽霊。
――というローカルニュースをスマホで眺めていた。
新幹線に揺られながら不思議そうな表情をする六興 裕太は、いろいろと疑問に思ったが、もうすぐ到着する時間になることに気づき、スマホから視線を外した。
目的地は金沢。大学に通うため、この街で一人暮らしをしなければならない。というか、自分が両親に授業料や生活費などを出してもらうようお願いしたのだ。
そうこうしているうちに、アナウンスが到着を告げた。隣に置いてあったキャリーバッグを引きながら、新幹線を降りて改札口の方へ――
「裕太!」
振り向くと、そこには同年代ぐらいの少年がいた。
「え、えっと、もしかして亮!?」
「おいおい、どうして疑問形なんだよ。俺の顔面が歪んだか、お前の視力が低下したか……とにかく無事到着できたようで良かったぜ!」
彼は立花 亮。昔から変わらずの独特な喋り方は、彼だということを確信させてくれた。
「久しぶりだね! それと僕はずっと視力2.0をキープしてるよ」
立花がばら撒いた刺のある言葉は、自分に突き刺さったようだ。
「お、お、俺の顔面もいろいろキープしてるし! あ、それより最近どうなんだよー、彼女とかできてて遠距離とかになってないよな? もしそうなら今すぐここに連れてくるのが得策だぜー!」
と、延々と喋り続ける立花。