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『死』
時々僕は、無性に死にたくなるんだ。
自分では死ぬことができないってわかってるからこそ、軽々しく言えるし、
そうならないって分かっているからこそ、死にたくなる。
意味もなくただ、逃げるという行動をしたい時、
僕は漠然と死にたいと思うんだ。
いつ頃からだろう。逃げたい、この状況から立ち去りたい、そういう感情が「死」と繋がってしまったのは。
小さい頃はもっと純粋に、純真で、純白だったのに。
そんなことを考えていると僕は、また無性に死にたくなったよ。
君といると、生きていて良かったって思える。
と、同時にね。
――――――僕はやっぱり、死にたくなるんだ。
だってさ、君は綺麗すぎて、正論過ぎて、本当に。
純粋に、純真で、純白すぎるよ。
変わらない君が羨ましい、なんて言ったら君はまた怒るよね。
それでも、僕は―――――君が羨ましいし、自分が――――
大嫌いだ。
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『見えているモノ』
自分が今見ているモノが、世界のすべてだと錯覚しそうになる。
実際、僕はそう思って生きていたし、そう思うことでしか生きられなかった。
世界の裏側の事情なんて知りもしないし、僕の知らないところで生まれた命は、僕にとって存在しないも同然だ。
いつからだろう。ふと空を見上げた時、こんなにも見える星の数が少なくなってしまったのは。
下手をしたら数えられそうなほどに、それは儚く、闇はどこまでも深い。
これは、どうなのだろう。
世界が不気味なほどに、星の輝きが目立たないほどに、明るくなったのか。
僕には、見えなくなったのか。
どちらなのだろう。
僕は、後者だと思うのだ。
子供のころに見えていたモノが、大人になると見えなくなる。
それが、なんとなく恐かった。
自分が今見ているモノが、世界のすべてだと錯覚できなくなる。
漠然とした期待を、抱けなくなる。
何でも出来るような気がした。何だって出来るような気がした。
空を飛べると本気で信じていた。サンタクロースはいるのだと、純粋に信じ込んでいた。
そんな素直な子供の頃の僕が見ていたモノは、見えていたモノはきっと綺麗に違いなくて。
眩いほどに光り輝いていて、僕はきっと、
満天の星空の下に立っていた。
空の星が少なくなったと感じるのは――――――――。
そう。
僕には、見えなくなったのだ。
僕は怖かった。
子供のころに見えていたモノが大人になったら見えなくなる。
そんな僕はもう、すでに
―――――――大人になっていたのだ。
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『未練』
下手でもいいから、どんなに拙い文章でもいいから――――
毎日、日記をつければ良かった。
僕はそう後悔している。
小さい頃の記憶なんてもう、ほとんど覚えていない。
ただ、漠然と楽しかったと、それだけだ。
きっと小さいなりに未熟なりに、大きな悩みや苦しみもあって、今からするとなんてちっぽけな悩みなんだろうって思うような数々の思い。
忘れたくなかった。
小さい頃の感動や、自分がその頃何を考えていたのだとか。
忘れたくなかったなぁ。
しみじみと思う。
三日坊主のこの僕は、きっと年をとってからも今の若い僕を思って悲しむのだろうか。
忘れたくない。
忘れたくない。
せめて今、この日々を、大切に。そして脳裏に焼き付くような生き生きとした自分を。
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『不治の病』
他人の不幸を聞くと僕は、安心する。
心が軽く、そっと優しくなるんだ。優しくなれるんだ。
僕は、そんな最低な人間。残酷な心を持っている。
自分より不幸な人間に会うと安心する。自分は、―――――この人よりましだ。まだ、いける。
何がいけるんだ。馬鹿じゃないのか。
僕は、自分より不幸な人間にしか優しく出来ない。
そんな醜い心の持ち主である僕は、気持ちが悪いほどに偽善者を演じたがる。
綺麗じゃないから、綺麗に焦れてそうなりたいと願う。
一度そうなってしまった心はもう治らない。そうこれは――――
不治の病。
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『約束』
約束をしよう。私と。
守れる守れないは別として。
守る守らないは置いといて。
約束をしよう。あなたと。
守りたいと思えるから。大事なことは、そういうこと。
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自分が言われたい言葉を書いて、自分の感情をぶつけるように刻み付ける。
そういう場所。
私には、必要だったんだ。
そしてこの話が続く限り、私は悩み続ける。
自分を、励まし続ける。
これが、――――――――
――――――――私の、人間像。