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第二話 街来る 互い認識する

ようやっと、もう一人の主人公を出すことができましたね。

ちょいと知識多めな回になりますが、さらっと読んじゃってください。

それではではでは

 



 綺麗に舗装された道。堅牢な造りの家屋。特殊な制服を着た少年少女たち。そして、もっとも着目すべきは都市の中央に位置する巨大な学校。

 アキ・ハルトが辿りついた魔剣学校のある都市『ボルザーク』はそんな所だった。


 さて、俺は暫くこの街で暮らすことになるわけだが…。一番重要なのは飯だ(突っ込みはなしだぜ)。美味いものが食えなきゃあ、生きていける気がしねぇ。自分の足で探すのも一つの楽しみだが、偶には現地の人間に聞いてみるのも一興だろう。

 つい先ほど、入都申請を済ませたばかりの門にいる兵士の人に聞いてみることにした。ちょび髭のおっさんにしよう。


「すんません、どっか程々に安くて中々に美味くてそこそこの量のある定食屋とか知りませんか?」

「ある意味随分と控え目な指定だねぇ…。まぁ、いいだろう。それならいいところがある。ここから中央通りを歩いて行くと噴水がある開けた空間に出るんだ。そこから右の小道に入って暫く進むと『青鹿亭』っていう店があるよ。あそこは美味い。」

「青鹿ねぇ。どことなく病気の鹿さんを連想しちまうのは俺だけですかね?」

「…想像したら気持ち悪くなってしまったじゃないか。やめてくれよ。あぁ、ところで君ローランドの生徒さんだろ?所謂街の食事処なんかで食べてもいいのかい?」

「あぁ、俺今度編入するんでその辺よく分からないんですけど、やっぱそんな感じなんですか?」

「それはまぁ。あそこの生徒さんは皆いいとこの坊っちゃんやお嬢さんだからね。あまり街のそういうところじゃ見かけないなぁ。」

「ふぅん…。ありがとうございます。さっそく行ってきますわ『青鹿亭』」

「うん。治安はいい街だがトラブルに巻き込まれないように気をつけるんだよ」

「はいは~い」


 手を振りながら歩みを進める。やっぱり通ってるのは貴族のガキ連中ばっかりか…。そんな事を考えながらここに来る羽目になった時のことを思い出してみた。







「生徒が行方不明だぁ?迷子だよそれ」

「それで終わらせるな。物語が終わりになるだろうが。」

「1人や2人の話じゃないのよ。こちらで把握しているだけでも少なくとも5人の生徒が行方不明になってるわ。」


 へ~、そりゃ確かに大問題だ。俺の記憶に間違いがなければあそこに通ってる連中は、将来が約束された奴らばかり。自分から家出する奴なんざ、親に反発する青春野郎が僅かなだけだろう。

 ん?でもこういう場合って普通…。


「ちょい待ってくれ、こういう場合普通学校内で処理するもんじゃねぇのか?」

「普通はそうなんだがな。事件が事件だし、行方不明になってる連中も連中で、皆地位のある人間の関係者だ。世間体にはうるさい。何よりあそこの校長はわしの戦友でな。うちにはお前みたいなやつがいるということを知っていて、内密な調査を頼んできたわけだ。」

「バビル校長は信用のおける人物だから安心してちょうだい。ちなみに学校から学生への通達では、いなくなった生徒たちは病欠や、急な実家への帰宅で通してるみたい。どこまで意味があるかは分からないけど」

「ふ~ん、把握した。要するに俺は

・編入生として学園に潜入

・校長と連絡を取りつつ内部調査

・生徒が消えた原因を特定

・(彼女を作ろう!)

・犯人がいた場合、拿捕もしくは殲滅

をすればいいわけだな。」

「ちょっと待て、4番目はなんだ!」

「ち、気づかれたか」

「…いいのではないのでしょうか。アキ君も年頃ですし、学校にも通ったことがありません。あくまで普通の学生生活を謳歌する意味も込めて」

「さすがレイナさん!話がわかる」

「むぅ、確かにな。お前にはあまり普通の暮らしをさせてやれなかったのは事実だ…。よし、許可する。思いっきり楽しんで来い!」

「ありがとよ、おっさん」

「任務は忘れないでね、アキ君」


 回想終了。さて、彼女を作るという俺の任務だg、いやいや違う違う行方不明の生徒たちを捜索するという俺の任務だが、詳しいことを考えるのは現場にいって、バビル校長とやらに話を聞いてからだな。

 まずは腹ごしらえ腹ごしらえ。お、噴水が見えてきた。えっと右の小道…これだな。ここを暫く進めっと。

 …ん~、何だかトラブルの予感だなぁ、おい。俺はこの先にある魔力と気の乱れを感じていた。


 ここで魔力と気について軽く説明しておこうか(気っていうのは初めての単語だし)。

 簡単に言えば魔力を持ってるやつがいりゃ、そいつはほぼ魔法士だ(魔力を持ってるのは魔法の才能がある奴だけ)。

 気って言うのは所謂生命エネルギー見たいなもんだな。大抵肉体が強い奴がこの気ってやつを多く持ってる(剣士によくあるタイプだ)。

 だから魔力を持った気の大きい奴がいればそいつは間違いなく魔剣士だな。

 

 普通の奴は両方を感じ取れないんだぜ。気しかない奴にはそもそも魔力がどんな感じか分からねぇし、魔力を知って育った人間はそっちに敏感になるし。

 ま、そこは俺が特殊なわけなんだが。おかげで戦力分析で俺の右にでるやつはいねぇ。

 ん?魔力と気の違いはどこにあるかって?これは感覚的なもんだから、感じることができないやつに説明するのは難しいんだが、端的に言っちまえば


身体の「外」を巡るのが魔力

身体の「内」を巡るのが気


って感じになるか。魔法は魔力と空間を呼応させて、現象を生み出すから外を巡るんだ。

 で、俺はそいつらの乱れを感じたから、誰かがこの力を乱す程度に暴れてんだろうな~と思ったわけさ。

 そうこう脳内説明をしている内に、鹿の形をした青色の看板が上の方に見えてきた。

 成程こいつは確かに『青鹿亭』だな。あ~、ちくしょう、店の前で傭兵っぽい奴と学生服来たやつらが何か言い合ってるわ。めんどくせぇ。ん…おい…何だよあいつ。


 俺が力を探れないだと…。






「うっせぇな!ガキが生意気なこと言うんじゃねぇ!俺たちゃただ、ツケにしといてくれって言っただけだろうが!」

「そうだぜ嬢ちゃん」

「何言ってんのよ!初めて来た癖に常連ぶっちゃって、ちゃんとお金払いなさいよ!」


 目の前にいる傭兵達と店員の娘さんが声をあげる。僕たち4人は課外活動の一環で街の見回りをしている途中、ここでトラブルが起きているのを発見した。何でも、どんちゃん騒ぎをした挙句にツケにしようとしたらしい傭兵達に、店員の娘さんが物申したのが事の発端らしい。

 勿論、双方合意の上であるなら普通はツケは有効だ。ただ、店側の同意が得られぬまま強行しようとしたらそれは普通に違法になる。普通じゃないのは僕の最も望まぬことだ。

 ここは傭兵達を捕まえて警吏に突き出すべきか。そんな風に考えていると遠くの方から不思議な魔力と気を感じた。どんどん近づいている。…なんだろう…これ。


こんな人間…みたことない。





ふむふむ。登場人物がこの先どんどん増えていきそうですな。

おやおや、総合評価ポイントやら感想があるのですな、このサイト。

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