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第二十話 お邪魔 します

久々すぎる…。すみません。色々やってまして。





「本当に…急だったんです。」


 やや疲れたような様子で、目の前の女生徒レーナ・ウィルスは訥々と語り始めた。

 これといって特徴のない少女。年齢相応といった顔立ちに、小柄な体躯。

 俺は相手を急かさない様に気をつかいながら質問する。


「おかしな様子とか、何かの前兆みたいのは感じなかったってことだな?」

「はい。次の授業終わったらお昼何食べようかとか、そんなことを話してました。」

「で、君は先に授業にいったと。」

「アイシャ…なんだか教材忘れたみたいで。」


 質問の内容としては平凡な物が続いていく。恐らくは教師たちに、既に聞かれ尽くされているものがほとんどだ。新しい情報なんか出てくるわけがない。

 それでも俺は質問を続けていく。一通り考えていた質問は終わったかね。それじゃここで1つ、石でも投げてみるか。


「なるほどねぇ。うしっ、ありがとよ。そろそろ行こうかルイス。」

「うん。」

「あ、入り口まで送ります。」

「いやぁ、悪いねぇ。あ、最後に1つ聞いていい?」

「はい…なんですか?」





「君、実は犯人知ってる?」





 二人部屋としてはあまり広くない空間から、野郎二人が出ていく光景。

 女子部屋だということを考えると、大丈夫なのかと心配になる光景だが、そこは平気平気。寮監にちゃんと許可はとってるからな。

 本当なら見送りに来てくれるはずだった女生徒はおらず、女子寮を出てく不審な男たち。それが俺とルイスだ。


「まさか本当に聞くとは思わなかったよ…。」

「うぇいうぇい、お前了承してただろうが。」

「したよ~したけどねぇ~…今後悔してる。」

「ポジティブに行こうぜ。ポジティブに。で、どうだった?」


「怪しいね、彼女」


 先ほどのやり取りを思い返すように呟くルイス。

 実は先ほどのやり取り、質問をしていたのは俺オンリー。ルイスは後ろで突っ立っていただけ。一応メモを取るフリはしていたが、その間中こいつは俺のつむじを鮮明に描いてやがったのだ。

 何でこんなことをしてたかというと、俺たちは質問自体に意味がないと考えたからだ。手元には既に学園側が聞き取った詳細な調査書があり、聞くべきことと考えられるものはすべて聞かれている。ならばなぜ、同じような質問をしたのかって?


 相手の反応を見るためだ。


 人間たるもの誰でも魔力や気を持っているもんであり、流れがある。それは心理状態や体調によって変化するもので、見るやつが見れば分かるんだこれが。幸いにしてここに2人もわかるやつがいたので、片方がおとりの聞き取り役、もう片方が相手の様子を観察する役をおい、調べさせてもらった。


「どこら辺がだ?」


 一応気づかれない程度に俺もそれとなく勘ぐってはいたんだが、違和感は感じられなかった。一体全体どういうことかね?


「まぁしいて言うなら違和感がないのが、違和感ってとこかな。」

「ん?ぶれないってことか?」

「そういうこと。あの子、最初から最後まで一貫して流れに変化がなかった。」

「そりゃ、あれかもしれねえじゃねぇか?何回も同じ質問されて感覚がマヒしてたとか…。」

「最初はそうかもしれないと思ったけど、最後のあれは明らかにおかしい。」

「もしかして、俺の『君、実は犯人知ってる?』」


 嫌そうな顔をしながらも渋々認める、厚底眼鏡。ははぁ、やめたほうがいいって言ってたもんなぁこいつ。


「まぁね。あの質問をされてぶれないっていうのは明らかにおかしい。」

「表面上は動揺してたし、魔力と気の流れも変わってたとは思うが…。」

「ぱっと調べただけじゃそうかもしれないけど、芯の部分に変化はなかった。あれは演技だね。」


 実際あの後件のレーナ氏は動揺して、取り乱していた。だからまぁ俺たちは逃げるように寮を後にしたわけだが、どうやらあれは演技だったようだ。

 やっつけ仕事じゃわからなかった事実だ。こいつがいて助かった。

 色々な考えが頭を巡るが一番簡単に片が付きそうな考えを述べてみることにする。


「ってぇことはだ。もしかして、実はあの子犯人?」

「一概にそうとは言えないけれど、何かしらの関わりがあるのは事実だろうね。」

「はぁん。初っ端から当たりひいちまったかなぁ。」


 寮の周辺を校舎に向かって歩いていた俺たちだが、同時に先ほどまでいた部屋を振り向きざまに見あげる。

 そこには閉じた窓と揺れているだけのカーテンが残っていた。






ちょいと短めですが、書いておかないと困りそうなので

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