第四章 進路
11月の初旬、哲也の進路相談があった。
勿論、保護者としては亜弥が同席した。
「哲也君は、何か希望の職業はあるかな?」
先生が尋ねた。
「警察官か裁判官になりたいと思うのですが。」
哲也のしっかりした口調に先生は、驚いた。
「3ヶ月前までは、何も希望はないと言ってたじゃないか。」
「はい、でも今は違います。」
「やはり、ご両親の事故のことが・・・」
「そうですね。」
「うーん。警察官はともかく、裁判官になるには、ちょっと今の成績では、ぜーんぜーん無理だな。」
意地悪な先生の言葉に、哲也はムッとしたが、今までの授業態度・生活態度からして、仕方ないかなとも思った。
学校の帰りに、亜弥は哲也を喫茶店に誘った。
「さっきの話、本気なの?」
「うん。まあそこそこ本気!」
「警察官はともかく、裁判官や弁護士になるには、かなり勉強しなきゃ無理よ。
哲也君 勉強好き じゃないわよね。」
「へへっ」
「警察官は、高卒でもなれるけど、警察学校ってのがあるのよ。哲也君 団体行動ってのも苦手でしょう。」
ズバズバと言われて、少々ムッとした哲也だったが、ホントのことだから仕方ない。
「まあ、これから考えるさ。」
「そう、何か困った事があったら、遠慮なく相談してね。」
知美は知美で、家事一般をそこそここなし、すっかり母親的存在になっていった。
オチャラケだった愛子もそれなりにできることは手伝いをし、自分のことは自分でできるしっかりした子になった。




