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凪元くんを笑わせたい!

作者: 豆電球888

私は堀本美波(もりもとみなみ)。16歳女子高校生の私はある一つの悩みを抱えている…。それは…!


横の席の同級生が冷たい!


横の席の凪元くんは中学からの同級生で親は仲良かったらしいけど、正直私は苦手だった。

私が話しかけても「あっ、はい」とか「そうですね」とか、愛想笑いなしで受け流される!ショック!

そして私は思った。彼を笑わせてあげよう。

学校で笑った姿を一度も見た事のない、可哀想な彼を、私が笑わせるんだ!



「……て事なの!」

そう私は親友の松本鈴香(まつもとすずか)に熱弁していた。

「も〜。その話何回目?」

呆れながら鈴香は続ける。

「てか、そんなに凪元くんにこだわる必要がある?あんまり凪元くんのこと知らないけど、教室では結構な暗い陰キャで、予想だけど友達も居ないじゃん?」

「だからだよ!彼の人生に笑いを生むのが私ってワケ!」

そう言いながらクリームパンを頬張る。

(今凪元くんは多分1人で何処かで食べてるんだろうな)

「私、凪元くんのとこ行ってくる!」

そういうや否や私はパンを咥えて走り出した。

(美波の性格上ほっとけないんだろうけど、流石に今回は他の気持ちが働いてそうだな…もしや、凪元の事が?)

「調査する必要がある。」

そして、松本鈴香もそのあとをこっそり追うのであった。


僕は凪元。16歳男子高校生の僕はある一つの悩みを抱えている…。それは!


横の席の同級生が笑かしてくる!


横の席の堀本さんは中学からの同級生で親(?)が仲良かったらしい。でも、人と話すのが苦手な僕は関わるのを避けていた。

話しかけられても、会話は最小限。申し訳ないことしてるのは自覚あるけど、もともと人と話すのが苦手な僕はそれが良い。

でも最近、授業中に堀本さんが僕を笑かそうとしてくる。

それは色んなことをしてきて、正直面白い。

でも、僕はコミュ症でもあるから、素直に笑えない。


今だって人に見つからないよう屋上で食べている。

この学校の屋上は開いている。でも、みんなそれには気づいていない。すなわち穴場だ。


ここは1人で静かな時を暮らせる。

誰もいない…優雅な………。


「凪元くんいるーー???」

「!?」

(え、誰?声的に堀本さん!?てか、なんでこんなところに。あ、ビックリして隠れちゃった!今から出るの気まずい!!!)


「あれ?さっき音が聞こえたから誰かいると思ったのに」

そう堀本さんは呟くとその場に座った。


(帰らないのかい!)

すると彼女は腕を後ろで組み、鼻歌を歌い出した。

「ふふーん、ふっふっふー。ふーんふっふふーん。」

それは最近ネットでミーム化されている子供向けのプラキュアの主題曲だ。

(堀本さんは子供向けのが好きなのかな?)

楽しそうに鼻歌を歌う姿を見て、僕は静かに笑った。


放課後になり、帰ろうとする僕を呼び止めたのは松本さんだった。

「こんにちは。凪元くん。ちょっとだけ君に聞きたい事があってね。」

そう言われ、僕は足を止める。

「松本さんですよね。こんにちは、何か用ですか?」

僕がそう答えると彼女は驚いた顔をしていた。

「凪元くん…普通に話せるのね……。」

「え!そんなに話さないイメージありました!?」

意外な発言に僕は驚く。

「教室で静かな方だとは思ってたけど、そこまで思われてるとは」

「えぇ。それより聞きたい事があって、」

「あぁ、そうでしたよね。なんですか?」

「最近、美波の様子はおかしくない?」

美波…堀本さんの下の名前か。

「えーっと。授業中に突然こっちを向いて、変顔とかして、笑かしてこようとはしますね。笑っちゃいそうになりますけど、授業中なんで。」

僕がそう答えると、彼女は目を光らす。

「やはりね。あっ、美波の事はどう思ってるの?」

「どうって…特に何も。ただの同級生ですよ。」

堀本さんとは、直接話すことはあまりない。僕の愛想が悪いから話してくれないのだろうか。どちらにしろ、堀本さんに特別な感情は抱いていない。

「分かったわ。ありがとう。」

そう言うと松本さんはすぐさま立ち去ってしまった。

(松本さんは女子だけど話しやすいな。)

いつも堀本さんに変に緊張する僕が嫌になる。

人見知りやコミ症のとこ、暗いとこを直していかないと。



私、松本鈴香は放課後に凪元くんを探していた。

近頃、異様に凪元くんと関わる美波を疑問視していた私は、美波と凪元くんの関係性を掴めようと凪元くんに話しかけた。

「こんにちは、凪元くん。ちょっとだけ君に聞きたい事があってね。」

話していると意外と凪元くんは話しやすい人とわかった。

話していると笑う事もあるし、美波に話しかけられた時笑わなかったのは、緊張してたからだろう。

(まぁ?美波は可愛いもんね!私の誇り高き親友だ!)

そんな事を考えてると私は少し、凪元くんの気持ちが気になった。

それは、美波のことを1人の女子と認識しているのか。

美波の心情次第あまり分からないが、これは確認しておきたいことだ。

そして、凪元くんはただの同級生と言ったが…。

(じゃあ、なんで話す時緊張しちゃうんだろうねーー?)

少なくとも脈がありそうな2人を私は密かに見守るのであった。



どうも、豆電球888です!初投稿で文字数も少ないですが、感想よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
これは……先が気になります! 美波ちゃん→凪元くん→松本さん? みたいな、ちょっと三角関係の予感もしてドキドキしました。 美波ちゃんの明るさと行動力、凪元くんの内面の反応、そして松本さんの探り方がそれ…
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