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とある日、自分の記憶は無くなり目を覚ますと‥

しがない日々。

毎日毎日同じ事の繰り返し‥

上に立つ上司は無能で叱責か愚痴しか吐かない逆空気清浄機のような職場の雰囲気を悪くする正しく最悪の環境だ。


そんな劣悪な環境にいる俺を支えてくれるのは家で待ってる、『ドギマギ・ダイアリー』と言うゲーム。

正直今までゲームなんて没頭することはなく、やっても一回クリアすればもうやらないくらいの続かなさである。


でもそんな自分を変えるくらい没頭させる、何回もリセットしては周回するくらいの作品に出会えた。


言ってしまえばそれは学園恋愛シュミレーションゲームである。

たくさんのヒロインがいる中1人を選んで恋愛をしていくよくありがちなストーリー。


そんなたくさんのヒロインがいる中で自分が一番好きなのは研究者の『なな先輩』である。


このキャラクターは学園内で一番人気があり、誰にでも優しく接してくれる素晴らしい性格の持ち主。

言ったら裏表が無い先輩でとてもみんなに好かれている。


そのキャラクターが好きでもあり、自分もこんな人格者みたいになりたいなぁという尊敬の念も込めて推しにしていて、この先輩と恋愛をしていくストーリーを何回もプレイしている。


‥‥

いつも通り夜遅くまで残業して、スーパーで値引きされた廃棄寸前の弁当片手に帰路につく。疲れ果てた中やっと家に着いた時はもう日付が変わっていた‥


「こんなのが毎日か‥笑」

今自分自身が置かれている状況に呆れ果て、特に怒りの感情すらも沸かずとりあえず風呂に入ろうとしたその時だった。

‥スルッ!!ドガガッ!!!

足を滑らせたのだ。後頭部を瞬時に抑える身体能力など無く思い切り床に打ちつけて、倒れてしまった。


体がジンジンとして意識が遠のいていく‥


すごい‥いつもは寝るのに一時間くらいかかるのに秒で寝れそうだ‥


そのまま目を瞑ってしまい意識を失った。


‥‥‥‥‥‥目を覚ますと天井が見える。


「‥‥‥」

「ここは‥どこ?」

「病院?いやそんなはずはない‥!」

「一人暮らしで誰もいないし助けてくれる人なんて‥!!」

そう言いながらガッと起き上がり、ベッドを降りようとすると、


「コラ!ちゃんと大人しくしてないとダメじゃ無いの!!」

どこか聞き覚えのある声、セリフ‥

まるでドギダイのゲームキャラクターにいる保健室の上石先生みたいだな‥と思い振り返ってみると


なんと上石先生ではないか!目を疑って何度も見返してしまった。


「何見てんのよ!相変わらず変な動きするわね!もう!」


いやいやいやいや!なぜに上石先生がいるんだ!ていうかなんで生きて動いてるんだ?!

いやまて!ゲームより可愛い顔だし声も可愛いな‥

っておいおいそんなことどうでも良いんだ!


頭が混乱して整理がつかない。

周囲を見渡すと、ゲームでよく見る保健室。

ベッドや救急箱や身体測定に使う道具も皆んなゲーム通りの配置になっている。


ますます混乱して、思わず上石先生に聞いてしまった。


「ここは?どこですか?どうなっているんですか?!」


上石先生はキョトンとしながらも

「ここはドギマギ学園の保健室でしょ。」

「それにあなたは全体朝礼の時に貧血で倒れて生徒に運ばれてきたんじゃない。覚えてないの?」


学園名を言われた時に心臓がキュッとした。

「ドギマギ学園?」

「え?あのドギマギってゲームの学園と同じ名前じゃないですか!」


「はぁ?何言ってんの?ゲームって何よ!」

「それにこの学園は全国で一校しかないのよ?」


おいおい。これはつまりあれか?転生モノってやつですか?好きなゲームの世界で生きていける俺は勝ち組か?おいおい困っちゃうなぁ〜照


「何ニヤニヤしてるの‥?気持ち悪いんですけど‥」


「えっ?いやいや!すみません!なんでもないです!」


よし。仮にも転生したとしたならば、この学園には研究者のなな先輩がいるはず‥!

いっちょ探しに行ってみるか!


「ちょっと!あなた貧血は?大丈夫なの?」


心配そうに止めようとする上石先生を振り切って保健室を出て行こうとしたその時だった。


ガララッ‥


保健室のドアが開いてそこに立っていたのは、担任の誠先生だ。


「お!体調は無事か?全体朝礼で倒れた時は心配したよ〜笑」


楽観的な、明るそうな雰囲気のどこかに何かありそうな感じのする先生‥


機嫌が良い時は特に何もないが、悪い時は行動を阻まれる、いわゆるお邪魔キャラ。変動制で主人公の「やる気」を左右させたり、物語を進めていく上で必要なポイントになる経験値を持って行ってしまうめんどくさい奴だ。


ここは穏便にやり過ごすしかないか‥

ゲームなら選択肢があるのに‥くそっ!

こうなったら転生前だった時にアホ上司の対応してた時みたいにするしかないか‥


「いや〜!すみません!朝起きた時は体調良かったんですけど、頑張って立ってたら目眩しちゃって‥汗」


「おぉ!頑張るのも良いが無理はするなよ!無理は!」


「はい!すみません!今後は気をつけます!」


心にも思ってない事を喋り慣れているゴミみたいな社会人時代のスキルがまさかこんな形で通用するとは‥捨てたもんじゃ無いな‥


おぉっと転生前の事思い出してどうするんだ!

俺は今なな先輩に会いに行きたいんだ!


そうしてなな先輩に会いに行くために保健室を飛び出す。


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