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第47条の1「警察との合同捜査」

「ご報告します。ガラテア女史を確保いたしました。

 フェービ殿とカーラ殿で車にお連れいたしております。

 一方で、工場の明かりは消え、事務所にのみ誰かいる様子。ミハリス氏はすでに寮に入ったかと。」

「わかりました――。ここで見張っててください。

 ダミアノス補佐のところに私が行きます。カリカもついて来て。」



「話は聞きました。今から警邏隊の方のみで寮に突入してもらっていもいいですか。

 念のために私たちがここを見張っておきます。」

「はい。問題ないかと。

 しかして、その用向きはいかほどに。」

「寮の入り口に管理する方が居ます。その方に、警邏隊の権限でミハリスさんを保護しに来たと言って保護してください。

 監督隊がここに居ることをエルマーリ工会側に知られたくないんで、警邏隊として来たとしてほしいのです。」

「はい。私どもでできる限りのことをいたしましょう。」


 ダミアノス補佐は変わらず淡々と話をして、去っていた。

 あたりはもう真っ暗なのではっきりとは様子が分からないが、ダミアノス補佐は警邏隊の方と合流してすぐに建物の中に消えていった。

 そちらの様子も気にしながら、エルマーリ工会から出てくる労働者が居ないか見ているが、先ほど報告があった通り、労働者が工場内に残っている様子はない。


 ものの5分だろうか。すぐに警邏隊が戻ってきた。隊員が3名がかりで誰かを抱きかかえている。


「はい。ミハリス氏保護いたしまいた。体調を崩しているのに治療を受けておらず。

 私、素人でありますので、すぐに医者にお見せした方がいいかと。」

「警邏隊にありますかそういう施設。」

「はい。救護室ございます。

 隊員になにかあったとき用に、医師も常駐してございます。そこへお連れいたします。

 クレタスは車に同乗、ほかの者は伴走し本部に急行。隊長への一報。」

「はっ。」


「妻が……私が居なくなると妻が……。」


 行動に移そうとした瞬間、ミハリスが声を出した。


「奥様?奥様もエルマーリ工会で働いているんですか?」

「クリストドゥロスが行方を知っていて、ここで働く限りは無事を保証すると……。」

「はい。それはこちらで調べられるかと。

 今は安心して寝てください。」


 ミハリスはダミアノス補佐の言葉に少しうなずいて、車に運ばれた。

 私はそれを追い越し先に車について、フェービ教会補佐とカーラに声をかけた。


「色々聞きたいことがあるけど、とりあえず今から、この車に乗ったままで、警邏隊のところに行ってください。

 私たちも後で合流します。

 それまでガラテアさんをお願いします。」

「わかりました。任せてください。」


 それだけ伝えたところで、ミハリスが連れられて車に乗せられ、出発した。

 ダミアノス補佐と私とカリカで歩いて警邏隊本部まで行くことになった。


「どうでしたか。中の様子は。」

「はい。一瞬でしたので、あまり細かいところまでは見えませんでしたが、見えた限りでご説明しようかと。

 入って管理人に聞くと、特に抵抗なく2階で寝ていると説明がありました。

 1階は広間と炊事場。2階に2部屋ありました。私が入った部屋には3段重ねの寝具がありまして、20名分ほど準備されていたでしょう。

 寝具以外は特に何もありませんでした。

 ミハリス氏は真ん中の寝具に寝て御座いまして。

 明かりもつけておりませんでしたので、どの程度掃除がされているかはわかりませんでしたが、あまりいい匂いはいなかったかと。」

「そうですか。あまりいい状態ではいないようですね……。」


 私たちが警邏隊の救護室に着くと、ミハリスは薬と栄養剤を投与されて寝かされていた。

 一方ガラテアは、食事を採っていた。


「もう遅いので、今日はガラテアさんを風呂に入れてあげて、寝てもらって、明日話を聞こうかと思ってるんですが、大丈夫ですか。」

「構わんがね。それぐらいの部屋は準備しておるかね。」


 報告を受けて現状を見に来たキリアキ隊長もその場に居たので、これからについて了承をもらった。


「私、ガラテアちゃんと一緒に居たいですっ。」

「フェービ教会補佐がそう規模するなら私は構わないけど、教会になんか報告とかいらないの?」

「それは……しなきゃだめなんです。」

「私、行ってきましょうか?」

「ほんと?お願いしていい?」

「はい。わかりました。」


 そう言ったカリカに、フェービ補佐は報告してほしいことがあるので説明したいと言ってきた。

 そのやり取りとガラテアの世話はフェービ補佐とカーラにお願いすることにした。


「ダミアノス補佐、キリアキ隊長、ちょっとよろしいですか。」

「ふむ。場所を移すかね。」


 隊長室に3名が集まった。


「ミハリスさんの件です。

 彼自身は、クリストドゥロス会長が奥さんの所在を知っている、ここで働く限りは無事を保証する、と言っていました。

 現時点の情報で結構です。それはありうる話ですか。」

「はい。無いとは言い切れません。」

「そういうことかね。

 ダミアノス。調べたまえ。」

「はい。エルピダ商会から当たってみます。」

「お願いします。

 ミハリスさんの協力はエルマーリ工会に対しては不可欠です。奥さんの話が解決しない以上は、協力してもらえない可能性が高いです。

 ちなみに、そちらの調査でいつかはクリストドゥロス会長への聴取を行いますよね?」

「問題かね?」

「問題というか、こちらの動きもあるのでどうしようかなと。」

「はい。仮に、ミハリス氏の奥様を買ったのがクリストドゥロス氏であれば、身体を拘束して話を聞くこともございましょう。

 が、情報を持っている程度であれば、その可能性も薄いかと。」

「こちらもいつかは身体拘束をしようと考えています。なのでお互いが先行することなく警邏隊と協力して拘束することができれば。」

「ふむ。確かにこの案件は協力していった方がいいのではないかね?

 とりあえず、エルピダ商会の調査を進め、その結果を報告させるかね。」

「はい。問題ないかと。」

「ありがとうございます。」

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